マーキュリー・ファー②

2回目。

1回目に観た時から3週間しか経ってないのに、劇中に出てくる悲惨なワードを現実世界で耳にするようになるとは思ってなかった… 
ウクライナでは民間人に拳銃が配布されたってニュースで見て、エリオットとダレンみたいに自分たちで終わらせる為の使い方がされませんようにと願うばかり…
ウクライナの人が、戦争を理解してない子どもたちに「これは花火だよ」って伝えてるって言っていて、まさにスピンクスと姫の会話そのまんま。「花火って大好き!」って喜ぶ姫と、「学校に行かなくていい!遊べる!」って喜ぶ子どもたちが重なった。それを見て不安と幸せがミックスの複雑な気持ちって言う父親も、スピンクスと重なって辛かった。
舞台が現実と地続きになってることを痛感したし、この作品の持つ意味が、また2015年初演の時と同じようになってるのかと思うと、ダレンが願った "優しくて温かい星" には いつまで経ってもなれないのかな って考えさせられる。でもこの作品を観たから、私は目を背けず紛争のニュースに関心を持つことができてるし、争いが終わらないからこそずっと上演され続けてほしい。

今回すごく思ったのは、世田パブの凄さ。
やっぱり全然違った。
(生意気に舞台オタクなことをダラダラ言います)
マキュファみたいな圧倒的な世界観とかエネルギーを持ってる作品をやるには、それを凝縮して閉じ込められる重厚感がハコには必要なんだなってすごくわかった。
文化センターだと正直その強さがないなって思ったし、演劇にとって劇場がどれだけ大切か実感できた。
特に、世田パブは暗転で客席足元の照明まで完全に消えてたのが良かった。
あとマーキュリーファーをやるには芸文センターは大きすぎる(キャパ大きいから当券取れたんだけどそこは一回無視)舞台と客席の距離が閉塞感に直結するなら、小さければ小さいほどいいんだろうなって思う。世田パブでも大きいぐらいでトラムでの初演がすごかったって聞いたから、シアタートラムは行ってみたい劇場の一つ。
でも、今回は爆撃の音で客席がすごく揺れて、臨場感がえげつなかった。重厚感が世田パブよりない分、揺れがあったのは良かったな。すごく怖かったけど…

今回のマーキュリーファーはもう観に行かないな。来月の配信で最後。何度も行くような作品じゃないわって帰ってきて思った。一回目で食らった重さを大事に抱えて思い出して考えるのがいい。紛争が始まる前と後で観たけど、自分の中では感じ方にあんまり変わりはなかったかな。最近ニュースで目の前に出てきただけで、1回目の観劇後でも、報じられていない戦争がどこかで起こってるんだって考えさせられてたからだと思う。
はやく日常が戻りますように。
傷つく人が1人でも少なく済みますように。

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