のんすけ

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100個の家訓がある家族の物語。 異常な家訓と懲罰によって家族を自由の危険から守っている三上家に、児相で育った「普通の家族」を知らない主人公が結婚を機にやってくるところから始まる。 主人公は「幸せとは不幸ではないこと」「社会に適合すること」というかつての恩師(=偶然にもお義母さん)からの言葉を自分の信念として生きていて、この奇妙な家族にも適合し、家族でいることに執着してる。 でも、ある日懲罰を受けて一年半も物置に鎖で繋がれている義弟を見つけてから、家族の秘密や異様さが浮き彫り

    • マーキュリー・ファー②

      2回目。 1回目に観た時から3週間しか経ってないのに、劇中に出てくる悲惨なワードを現実世界で耳にするようになるとは思ってなかった… ウクライナでは民間人に拳銃が配布されたってニュースで見て、エリオットとダレンみたいに自分たちで終わらせる為の使い方がされませんようにと願うばかり… ウクライナの人が、戦争を理解してない子どもたちに「これは花火だよ」って伝えてるって言っていて、まさにスピンクスと姫の会話そのまんま。「花火って大好き!」って喜ぶ姫と、「学校に行かなくていい!遊べる

      • マーキュリー・ファー

        エリオットとダレンの兄弟は、どちらも想像以上に愛おしい人物だった。エリオットは、ダレンに嫌味を言ったりバカにしたりするけど、本当はすごく愛してることが隠しきれてない、クレバーで不器用な兄。 弟のダレンはエルを尊敬していて誇らしく思っていたり、必死について行こうとしているところや、自分だって出来るもんっ!ってぷんすかしてるのが可愛らしかった。 でも、ダレンがよく意味を理解しないまま恐ろしいことを言って無邪気にはしゃいでるところとか、バタフライに依存しながら自分をコントロールして

        • エレファント・マン

          この劇の最大の皮肉は、普通になろうとすればするほど身体が悪化していくこと。そもそも普通を目指している時点で絶対に普通にはなり得ない。フレデリックは「自分たちのような普通になることに、なんの不都合があろうか」と疑わなかったけど、社会に「正常」に馴染んでいくことが「醜悪」を増すことになる。それは夢の中でメリックとフレデリックの立場が逆転するシーンでも感じた。フレデリックが「与えることは奪うこと」だと言っていたのはそういう意味だったんじゃないかな。それをメリックの身体の衰弱で表して

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