親孝行は多分とてもコスパが良い。

最近ずーっと考えていて、ここ2〜3年の私のテーマである少々真面目なことを話します。2年ちょい前に父が倒れて、それから自分の考え方とか価値観がすごい変わった話です。

私の家はごく普通の一般家庭なんだけど、父と母が23歳歳が離れている。私25歳、母50歳、父73歳。

中学上がる頃には父は定年退職していて(倒れる時まで普通に働いていたけどおじいちゃんがパートで働くって感じだった)、その頃には母が一家の大黒柱になり、でもまあ普通に娘二人を育てるのは金銭的に大変そうな家庭で育った。

でもすごい貧乏!って感じでもなく、贅沢はしないけど超普通に育ててもらった。料理上手な母はお誕生日にはご馳走を作ってくれたし欲しいお洋服があればお小遣いをくれたし。ただ家にお金がない自覚はあったのでずーっと公立を選んだし、高校に上がる4月からバイトしたりしていた。大学受験の予備校代も自分で稼いでなんとかした。

お金持ちの友達とかをみると幾分羨ましいなと思ったりもしたけれど、でも家に対してそこまで不満を持ったことはない。

それはなぜかというと、すっごい父にも母にも愛情たっぷりで育てられた自覚があるから。そんなの普通なことかもしれないが、ウチの家はとにかく夫婦仲が良くて、父は約50歳離れている娘二人を本当に可愛がってくれた。父はかなり穏やかな性格、超優しくて平和主義の人間だった。母も父の悪口を言ったり邪険に扱ったりせず、ずっと父が大好きだった。父も家事が得意なタイプではなかったが、大黒柱が逆転してからはよ〜〜〜く家事をして、学生だった私たちをとても助けてくれた。

とにかく甘やかされて育ったと思う。好きなものを買ってもらえるとかではなく、私たちの決断はどんなことでも応援してくれ、そしてこうしなさい、ああしなさいと全く言われなかった。なんでも自分で決めさせてくれた。お金が十分にある訳ではなかったけれど、私は心がとても自由だった。自分で考える癖がついた。ありとあらゆる決断を自分でできる大人になれた。

だから、父が71歳の時に倒れた時、もう本当にとんでもなく絶望した。

脳挫傷×くも膜下出血で、かなり大変な事態だった。お医者さんには、脳を大きく損傷したから命はギリ助かるが性格が変わっちゃうかもしれない、記憶をなくしているかもしれないと言われた。実際倒れてから半年くらいは目が覚めず、2年くらいは今までの優しい父ではなかった。

父が倒れた当時は何をしてても泣けてくるし、ずーっと怖かった。

あと母がやばかった。やばいくらい取り乱して泣きまくっていた。性格変わっても記憶なくても良いからとにかく生きて欲しいと訴えていた。いくらでも介護するからなんでも良いから生かせてくれと。

そこらへんで考えがかなり変わった。

あ、やばい、親って死ぬんだ、私より早く死ぬんだ、
世界で一番私の味方なお父さんがいない世界で生きなきゃいけないタイミングって、いずれ来るんだ。我が家は父が平和の象徴だった。父がいなくなって家族が壊れる恐怖に、母も姉も私も露骨に怯えた。

やばい、どうしよう、そうなった時普通に生きてられる自信ない、無理…。

70歳を超えてるし、いつどうなってもおかしくないのに、そんな当たり前のことにその時初めて気づいた。

あっっっぶね〜〜〜!気づいてよかった〜!焦った〜!父さんまだ生きてるし、これからはお父さんがいなくなっちゃった時の後悔がなるべく低く済むように生きよ〜〜〜!

って感じでした。

親孝行って多分超コスパいいですよ、だって将来高い確率で感じる後悔を事前に回収できるんだから。こんなにコスパ良い投資ないと思う。もちろん親大っ嫌いって人はそんなことしなくても良いと思うけど、でもそうじゃない人は本当に本当にオススメです。

オススメな理由はもう少しあって、親に優しくすると自己肯定感が爆上がりする。うわ私優しいし親喜んでるし嬉しい〜!ってなる。将来の後悔をちょっとずつ回収してる感じで心に余裕も持てる。絶対悲しいに決まってるけど、でもちょっとだけ後悔が減ってる気がする。

ちなみに私が実行している親孝行は、父に優しくしたり父に感謝の気持ちを伝えるのはもちろんだが、母に「大丈夫だよ〜父さんいなくなってもお姉ちゃんと私がいるから大丈夫だよ〜安心してね〜怖くないよ〜がんばろ〜〜大丈夫だよ〜」と伝えるのも超重要視している。3人で力を合わせるのもすごく大事、少しわがまま爺さんになってしまった母に、介護お疲れ!超助かる〜ありがとうね〜って伝えるのも超大事、母を甘やかすのも超大事!

ずっと整理したくて自分語りをしてしまいましたが、要は自分に自信持てなくなったり、何かがうまくいかなかったり、自分のこと嫌いになりそうな時ほど、親孝行オススメって話でした。少しだけ自分のこと好きになれるし、自分イケてるなって思える。こんなに損得感情でする親孝行はどうなんだって思うけど、父がいなくなっても生きなきゃいけないのは私たち。自分の後悔とか理想に正直に生きたい!

ま、こんなこと言ってても未だに親と口喧嘩はするしムカつく時もあるけどね。でも意識するのとしないのじゃかなり違う。世界が違って見えます。

あ〜あ、父さん100歳まで生きて欲しいな〜。無理かな〜。頑張れ〜〜〜。

おやすみなさーい。

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