【Wave Edge開発まで】
今回はWave Edge開発のお話
🇧🇷リオデジャネイロオリンピックでの🇯🇵日本代表トレーナーの帯同を終え帰国すると、直ぐにナショナルチームの合宿が始まった。リオデジャネイロオリンピックでは、プロトタイプのFlat Edgeを用いて、鍼治療+筋膜リリース+手技を選手の状態に合わせてケアを行い、なかなか良い手応えを感じていた。
リオデジャネイロオリンピックの日本代表選手は軽量級揃いだったが、新たなナショナルチームの面々は、軽量級から中量級、そして最重量級まで体格が千差万別だった。
鍼と筋膜リリースの取り合わせが非常に効果的だった事は、リオデジャネイロの選手村での治療で十分に感じていたので、早速新生ナショナルチームのケアでも、Flat Edgeを用いてケアをはじめた。すると最重量級の選手から筋膜リリース中に「皮膚がつっぱって痛い」と言われることがあった。確かに「皮下脂肪が多い重量級の選手」では、Flat Edgeだとエッジが皮下に食い込み、リリース中に抵抗を感じやすかった。潤滑剤(ヴァセリン)を増やしても、皮膚抵抗はあまり変わらなかった。
こうなると凝り性の私は「この痛み(抵抗感)をいかに軽減出来るか?」と言うことで頭が一杯になった。
それから数ヶ月したある春先、趣味のSUP(スタンドアップパドルボード)のレースに出場する為、兵庫県の播磨灘に行った。レースの前日に現地入りしたので、昔ながらのひなびた海水浴場を散歩してみた。すると誰もいない砂浜に、子供が遊ぶプラスチック製の熊手が落ちていた。
何気なく湿り気のある、重い砂を熊手でかいてみると、思いの外「抵抗なく軽く砂がかける」ことに気づいた。「これだ」と思った。
Flat Edgeだと皮膚抵抗が多すぎる為、痛みを感じる。それならば、熊手のような「波歯状」のエッジにすれば、力が逃げて抵抗が減るのではないか・・・・東京に戻ると直ぐに、製作ファクトリーに駆け込み、Wave Edgeの構想を興奮気味にファクトリーの社長に相談した(笑)
それから、プロトタイプを4回ほど作り直し、現在のWave Edgeが完成した。砂浜の熊手と同じように、Wave Edgeだと最重量級の選手で皮下脂肪があるタイプでも、痛みをあまり感じずにケアを受けることが出来るようになった。
皮下脂肪が少ない選手には、今まで通りFlat Edgeでのリリースと 使い分けも可能になった。また、Wave Edgeでリリースをかけてから、Flat Edgeで仕上げる方法も選手には好評だった。
こうして世界初のWave Edgeは出来上がったのです。
番外編
Wave Edgeが完成した年の冬、ナショナルチームの遠征で🇵🇱ポーランドのナショナルトレーニングセンターに行く機会に恵まれた。現地のトレーナー達とも親しくなり、色々とコミュニケーションを取ることがで来た。彼らも筋膜リリース器具は知っていたが、Wave Edgeは初めて見たようで、かなり興奮気味に質問攻めにあった(笑)
遠征中、彼らとFacebookアカウントを交換したりした。
ポーランドから帰国して暫くするその時のトレーナーの1人が、私のWave Edgeを真似て、波歯状の筋膜リリースを製作して、ポーランド国内で販売し始めたと言う、タイムラインがアップロードされた。
そこには「世界初のWave Edge」製作と書いてあった。完全に真似されたけれど、なんだかとても面白く楽しいなぁと思った(笑)
終わり🤣
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