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時には靴を履きかえて

英語にこんな表現がある。

  Stand in their shoes.

直訳すると「他人の靴で立つ」。その意味するところは「相手の立場に立って考える」。靴は歩くのに欠かせないアイテムで、長時間身につける分、カラダ、ひいてはココロへの影響は多大だ。

思えば、普段の自分の生活の中でも、靴が違えば世界の見え方・感じ方が違うことを実感することは多い。

例えば。去年人生で初めて買った9cm高のピンヒール。ふらりと立ち寄ったお店で、店員さんのすすめで試着してみたのだが、履いてみて驚いた。ピンと背筋が伸びて、思ったより歩きやすい。何より視線がいつもより10cm近く高くなって、人との身長差が縮まるし、視野が大幅に変わる。さすがに毎日履いていると疲れるけれど、気合が入るので、いざというときの勝負靴として履いている。

例えば。最近買ったぺたんこパンプス。ヒールがない分歩きやすいのだけれど、サイズ展開が大雑把−cm単位ではなく、S/M/L−なので、私の足にぴったりというわけではない。おかげで、例の9cm高ハイヒールを履いているときにはできなかった靴擦れが両足にできてしまった。例のハイヒールはサイズをカスタマイズしてある分、私の足になじむのだ。

この二足を履きかえるだけでも見える世界、感じる世界はだいぶ変わる。ひとの気持ちや考え方を理解するのはなかなか難しいけれど、「他人の靴を履く」とまではいかないまでも、時には自分の靴を履きかえて、世界を違う角度から見てみるのもいいかもしれない。

ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。