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育成について

税理士向けのとあるセミナー講師を依頼されています。依頼事項の中に「育成方法」というのがありましたので、今回は「育成」について考えてみたいと思います。

育成方法を考える前に

いろんな育成方法はあると思うのですが、そもそも考えるべきは「どんな人なら育成可能なのか(不可能なのか)」ということだと思います。正直、「世の中のどんな人だろうと育成して一人前にする」ということは普通の企業には不可能だと思います。無限の時間とお金があればできるかもしれませんが、現実的ではありません。どんな人でも簡単に一人前になる魔法の「育成方法」はありません。少なくとも僕は知りません、あればぜひ教えてほしいです。そのため、許容可能な期間内に育成可能な人を採用・育成のターゲットにするのが第一歩です。流行りの言葉で言えば、coachableな人材かどうかというところでしょうか。

ではどんな人なら育成可能なのでしょうか。これも難しい問題です。正直私も試行錯誤中で明確な答えはありません。ただ、逆にこのような人は育成が難しいという条件は経験的にあります。

※もちろん業種・業態・社風等によって変わるので、弊社のケースとしてご理解ください。

素直じゃない/人の意見を聞き入れない

当たり前ですが、どんなにいいアドバイスをしても聞いてくれない人には響きません。人のアドバイスを素直に聞き入れてとりあえずやってみるということができない人はなかなか難しいです。過去のキャリアを見て、人のアドバイスを聞くタイプじゃなさそうなときには要注意です。年下からのアドバイスは聞かないとか、特定の人からの意見にしか耳を傾けないというのも注意が必要です。

価値観が大きく合わない/ズレている

これは育成の可否というよりは、話が噛み合うかどうかというレベルの話です。例えば当社の場合だと、不正をしてでも利益をあげれば良いとか、ズルをしてもバレなければいいとか、社会や他者に貢献することに価値を感じないとか、挑戦が嫌いとか、失敗することは絶対に嫌だとか、成長に興味がないとか、人からの評価に興味がないとか、こういう価値観の方とはそもそも話が全然合わないので難しいと考えています。価値観も頑張れば変化するとは思うのですが、かなりハードルは高いと思います。

とある先輩経営者の方が言っていた「価値観は違ってもいいが、価値観の高さには一定以上の求める」というのは至言だなと思いました。人によって何を優先するのか(=表面的な価値観)というのはもちろん違いますが、その根底にあるような価値観(=正しいことをする、良き人としてふるまう、他者を大事にするetc)は揃えておく必要があると思います。

パソコン苦手です

特別高いITリテラシーは求めていないのですが、「パソコン苦手です」というような表現で苦手意識を表明するような方も当社での業務の場合、難しいと感じています。

例えば、そもそもパソコンをあまり触ったことがない、インターネットを使って何かを調べる習慣がないというレベルの方は、まずPC操作に慣れてもらうことに相当な時間がかかってしまいます。また、集合研修に一人だけついていくスピードが遅くなりがちで、その点からも難しいなと感じます。

まとめ

上記のような方を除外したうえで、経験や知識量に合わせた育成プログラムを実施すれば、育成の成功率があがると思います。「人が育たない」とお悩みの方は、「そもそも育てることができる人材なのかどうか」、ということを見直されるといいと思います。具体的な育成方法については、また改めてどこかで書きたいと思います。





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