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幸せが現れた

私がもっと大人になって、
誰かと一緒に住むことになったら
絶対に譲れない憧れがある。

対面式キッチン。

これは、私にとって「家族」の理想像だ。

私の実家はとっても狭い団地で、
いわゆる壁掛け式キッチンというやつである。
母以外は台所に立つことが無くて、
かと言って数名で立つようなスペースも無くて、
母が料理している間は
皆テレビを見たり寝そべっていたり、
各々が好きな時間をすることに費やされていた。

父がキッチンに立っているのを、
私は生まれて一度も見たことが無い。
流石にカップラーメンにお湯を入れている所くらいはあるが、
1から何かを作り出している場面は、
本当に見たことが無いのだ。

なんだか、キッチンというスペースが孤立していることを、
私は少し寂しく思う。
『男子が家庭科をするかしないか』問われる時代もあったようだけど、
男女平等とか亭主関白がどうとか、はたまた義務感では無くて
コミュニケーションの場になれば良いなと思うのだ。

対面式キッチンは、きっとそれが可能になる。
私は残念ながら、母のように強い女性にはなれない。
黙って毎日1人背中を向け料理をすることは、向いていない。
きっと数ヶ月経った頃に地団駄を踏みながら
「なんで私だけ」とか言ってしまう女である。
自分の身勝手さに時々笑ってしまうけれど、
そういったこだわりが強いのは、きっと実家での
理不尽な場面を目の当たりにした結果であり、
違和感を持った部分には、どうしても反骨精神を持ってしまうのだ。
父に一切家事をさせない母は、
側から見たら「素晴らしい」のだろうか。
「理想の母」像なのだろうか。

嗚呼、悲しいかな私は
母のようになりたい、という気持ちでは無く
父のような人とは結婚しない、と
確固たる意志を持ってしまったクチである。
ただ、その思考に対して後悔したことは一度もない。
私にとって、その考え方は正解だったようだ。

対面式キッチン。
写真を見るだけでも、素敵すぎてよだれが出そうだ。
勿論デメリットが無い訳では無いけれど、
もう少し賃貸にも増えれば良いなと思う。
ペット可、対面式キッチン、という条件にチェックを入れるだけで、
私の住んでいる地域の物件はかなり絞られてしまう。
勿論、まだ引っ越しは未定だけれど。

対面式キッチン。
幸せの具現化だ。

家族とテレビを見ながら料理したって良いじゃ無い。
旦那と並んで料理するのも理想の形だ。
子どもにテーブルまで配膳をお願いするのだって、
全部立派なコミュニケーションになる。

もしも対面式キッチンの家に住めたなら、
私は引っ越し祝いと称して、
みんなで餃子パーティーをするのである。


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