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僕らは、世間にすり合わせたフリをして生きてゆく②

2週間前。
夫メンタル崩壊で、ほぼ救急で精神科に駆け込み。
ちょうど岸田奈美さんが「もうあかんわ日記」を始めたところだったので、完全に便乗して「もうあかんわ」な気持ちを、こちらにも綴りました。
人に向けて綴ることにより、笑いに昇華できると。

しかし。
そこからすぐ詳しい内容を書こうと思ったのですが、どうもいつもの笑いに持って行こうとする力が出ない。
なんでだー、と思いつつ、2週間のあいだに
博物館に行ってみたり
しいたけを育ててみたり
聖書漫談師の講演を聞いて感動しまくリマクリスティだったりしました。

で、今日の仕事中に、急に気づきました。(真面目に仕事しろ)
元々、娘が自閉症なことで、あっちゃこっちゃに書いたりしゃべり散らかしたりしてたけど、そのテーマが
「一般社会とすりあわせたフリをして、うまいことやっていく。
この子はこの子のままで。」
だったことを。
世間に合わせて発達障害を「治す」気なんて、毛沢東、じゃなかった毛頭ない。
なんとなーく普通のフリだけして、楽しく生きていければいいべさ、と。(←北海道弁)

なので、そのマインドを、夫にも適用することにしました。
これならいけるわ。
なんか知らんけど。

これまでの経過。
最初に言っておきます。
夫をリアルで知っている方へ。
安心してください。
夫は人畜無害の善人です。
優しい世界にいたい人です。
これからもよろしく❤

夫が「ごめんなさい」も「ありがとう」も怒りでしか出せなくなったのが、ほぼ1年前。
それから何度も本人に聞き取り。
通っていた心療内科がどうしようもなさ満載だったので、病院は心理士がいるところに変えて、何が起こっているか探ってきました。

普通に話すことはできます。
政治経済とか哲学的なこととか、かなり高度なことも話せます。むしろ得意。
昨年末に受けた知能検査では、言語IQ126でした。天才じゃないか✨

しかし、情緒的なこと、感情についての話になると「何を言っているかわからない」と言い出すのです。
心理士さんが「あ、これは感情の受け方を学習できていないんじゃないでしょうか。
発達凸凹さんには多いんですよ~。」
と言ったときに夫が
「え??何を言っているか全然わかりません。日本語だということはわかるのですが…」と言ったときに、えーーー!となりました。

そう、夫は本当に「わからない」ので「わからない」と言っていたのです。

以下に、気づいたことを書いていきます。

🍀人に気遣うこと、「愛しい」「かわいそう」と思うことがわからないので、ない。

🍀人に対しての行動について「思いやり」という概念がなく、そのかわり「一番良い状態のことをする」という考えのもと動いているとのこと。

🍀人と何かトラブルになり、相手から謝られても、理解できたことが今まで一度もない。
相手とのやりとりで嫌な気持ちが解消できたことがなく、すべて自分の中に抑圧することで耐えてきた。
そのことにより、自分の中で処理しきれなくなり、怒りでしか表現できなくなった。

🍀人から謝られても理解できないので、自分から謝りたい気持ちにも一度もなったことがない。
自分が悪くて怒られても理解できないので、謝る気持ちにならない。
「怒られて嫌だった」としか感じることができない。

🍀上記のことから、自己嫌悪になったことがない。
「人から嫌なことをされた」という記憶しかない。
悪いこととは、犯罪か、社会規律違反しかないと思っているので、自分は今まで悪いことをしたことがないと思っている。

🍀「自分の言動により人を傷つける」という概念がないので、人から「あなたに傷つけられた」と責められても理解できず、「身に覚えのない罪で責められた」と逆ギレする。

🍀人に対して「ありがとう」や「感謝」の気持ちを持ったことがない。
なので、人に感謝することができない。
逆に人から感謝されても意味がわからないので、「理解できない感情を押し付けられた」と感じ、不快に思うので怒りを爆発させることになっていた。

🍀以上のことにより、基本的に人との感情のやり取りを理解していないので、状態を捉えていない。
物事の捉え方を変える認知行動療法が進まないのは、これが理由。
そもそも捉えていないものは、変えようがない。

いや、いい人なんですよ?優しいし。
ただ、「わからない」ことを誰にも理解されずに、今まで来ちゃったんだろうなあ。
嫌なことも解消できずに溜まり続けてるから、まるで嫌なことで飽和している地獄の釜を見下ろしているような気分なんでしょう。
諸星大二郎「トゥルーデおばさん」みたいに。
つ、つらい…😱
判断基準が「嫌か、嫌じゃないか」だそうで。
ROLANDをネガティブに全振りしたような💧

しかし、この特性で良い事が2つ。
🍀自己嫌悪にならない。
自己肯定感いつでもMAX。
🍀人を恨まない。

ある意味、天使です✨
傷つきまくってるので、「翼の折れたエンジェル」です✨
40代以上じゃないとわからん😅

で、ここからは、こういうことに詳しい方に相談した内容も入ります。

元々、感情や感覚なんてものは正解を確かめようがなく、人と比べて答え合わせもできない。
たいていの人は、
「これが感謝の気持ち」
「これは謝罪の気持ち」
と、どこかで錯覚して、折り合いをつけて生きている。
ところが夫の場合、発達障害の症状である「嘘がつけない」「曖昧がわからない、曖昧にできない」が発動して、確かめようのない感情・感覚を理解することができない気持ちに嘘がつけない。
それで本当に正直に、ただただ正直に
「わからない」という気持ちを抱えてさまよったまま、49年も来てしまったようです。

よく今まで生きてきたと思う。
8年前にがんで死にかけましたが、あれは生きるのが限界になって、一度死んだんだと思います。
私が無理に生かしてしまったのかもしれません。

ちょっと重い話が続いたので、箸休めにこの動画を。
岡崎体育「感情のピクセル」

これからやることは、本人が生きやすい方法を模索すること。
感情もないわけじゃない。
感情が入って来ようとするとパニックになるのは、引き出し方のわからない感情に触れるからかも。
それの出し方、言葉との紐付け作業。
それを学習していけたら。

もしかしたら、こういう人は他にもいるのかもしれない。
でも、ここまで解明できた人はいないんじゃないだろうか。
私スゲーーー✨

というわけで、家族3人全員発達障害診断済となりましたが、日本一世間とすり合わせたフリが上手な家族を目指してやっていくことにしました😁


幸せは 途切れながらも続くのです。

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