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【私の大好きなグランメゾン】

何年か前に木村拓哉さんの主演で
「グランメゾン東京」というドラマがありました
「グランメゾン東京」というのは
そのドラマの中のお店の名前で
3つ星レストランを目指していくという
サクセスストーリーです
たくさんの事件と
美味しそうな料理が並ぶ楽しいドラマでした

ドラマの中の木村拓哉さんが奮闘するお店が
私の思っていた「グランメゾン」とは
少し体裁が違うように思えたので
ここでもう一度「グランメゾン」とは何か
から調べてみようと思いました

「グランメゾン」とは
この「グランメゾン」という言葉は和製フランス語、つまりフランスでは使われていない言葉で、ミシュラン3つ星クラスのフレンチレストランを表す言葉として日本で定着しています。
フランス語の場合「グランドメゾン」という言葉はあり、「大きい家・大きい施設・大きい建物」といった意味を持ちます。
しかし、日本では「グランメゾン」と読むのが主流となったようです。

こんな感じですね
概ね私の認識は間違っていませんでしたが
ドラマに感じた違和感は店の大きさだったのです
しかし3つ星クラスという意味での
グランメゾンなら
そこを目指すという事でお店の名前となり
ドラマのタイトルになったんでしょうね

そんなグランメゾンの素晴らしさを伝えたいのです

今、日本でミシュラン3つ星のフレンチといえば
恵比寿のロブション
銀座のロウジェ
品川のカンテサンス
西麻布のレフェルベヴェルソンの4店舗です
西麻布のお店はお伺いしたことがありませんが
ロブションもロウジェも最高なフレンチです
入り口の佇まいからして
エンターテイメントは始まっており
一歩入ればそこは完全な異世界
食事が終わるまでの3時間ほどを
全くの異空間として過ごせるのです

しかし私が大好きなグランメゾンは
この3つ星のお店たちではありません
3つ星どころか1つも星がついていません
それが京橋の「シェイノ」です

シェイノ、店名にあるのはシェフ井上の意味
オーナーシェフとして1984年開店なので
今年で37年目でしょうか
老舗のフレンチレストランです

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この門戸を叩き
中に一歩踏み出すと
最初に美しいバーカウンターに出会います
ここでシャンパンを飲みつつ待ち人を待ったり
葉巻を楽しんだりします
そして案内される店内は
お城のように高い天井と広いホールに
洗練されたギャルソンやソムリエが
優雅に佇んでいるのです

フレンチレストランでも和食材との融合や
カジュアルなもの
日本人に合わせた味とポーションのお店など
たくさんのレストランがある中で
私の中の「グランメゾン」は「クラシック」であることなのです

シェイノのお料理は本格派フレンチです
バターがこれでもかと効いたたっぷりのソースを
フランスパンでさらって食べるのです
舌平目のムニエルもシェイノの代表作ですが
スペシャリテは何と言っても

「マリアカラス」

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井上氏がパリのマキシムドパリでの修行時代、常連であったオペラ歌手のマリアカラスに因んで命名された逸品。羊の中央にフォアグラ、トリュフを入れたパイ包みで、火入れが非常に難しい。パイ包みにより旨味が凝縮された柔らかな羊肉に、濃密で気高い香りのペリグーソースが絶品。

コース料理のメインにも選べるようになっていると思います

私がシェイノを好きな理由は
空間や料理だけではありません
シェイノは料理は正統派フレンチなのに
居心地は日本的なのです
こんなに堂々と熱く語ってますが
いかんせん本場のグランメゾンに
行ったことがないので正直本物はわかりません
がしかし、他の東京のグランメゾンは
なぜかどこか緊張しながら
食事をしている気がするのです
出された料理が本当に美味しいのかも
よくわからないまま食べる時もあります
その緊張感が非日常として
良いのかもしれませんが
私はせっかくの異空間や素晴らしい料理を
リラックスして楽しみたいのです
そういう意味でシェイノというお店は
客を全く緊張させないのです

これはひとえにオーナー井上氏のフランクさと
それに輪をかけてポップなソムリエ
伊藤支配人のお人柄だと思うのです
「楽しんで食事をしていただきたい」という
お店側の気持ちが伝わるのです
もちもん最低限のマナーは人として必要です
それはどこのお店に行ってもそうなのですが
お店側が決してお客に恥を欠かせない
少しの失敗も必ず笑ってフォローしてくれます

どのくらいフランクかと言いますと
御年76歳である井上シェフは
今は天才古賀シェフに料理を任せ
ご本人はホールで接客担当です
白のクッキングシェフスタイルで
片手にはワイングラスを持ち
常連のお客様のテーブルを回っています
仲良しのお客様の席に座りだして
ワインをお代わりまでしています

私は昔から『いのパパ』と呼ばせて頂いており
いのパパは私の姿を見つけると
ニコニコしながら席にきて何も言わずに座ります
そしてさんざん喋ったかと思うと
「あれ、おまいさんどこの芸者だったっけ?神楽坂か?赤坂か?」
「パパ、私芸者じゃないよ、銀座だよ」というと
「ああ、そうだった!名刺くれ」
きっと100枚近く私の名刺を持っているはずです
このぐらいフランクであります

ミシュランの星も付いてた時もありましたが
いのパパはそんなんあろうがなかろうがどうでもいいのです
ずっとかわらずお客を楽しませ
日本人に本格的なフランス料理を提供するお店なのです

私にはひとつ夢があります
いつかシェイノに1人で行って
カウンターに座り
オマール海老か何かの前菜をハーフポーションと
マリアカラスだけを注文し
シャンパンとワインのグラスを1杯ずつ
ゆっくりと楽しむのです

シェイノのカウンターで
アラカルトを食べて帰る女
そういう女に
私はなりたひ

1年に1度でも3年に1度でも一生に1度でも
目一杯のドレスアップをして
グランメゾンで食事をするのはおすすめです

緊急事態宣言が開けた今
私は一番にシェイノに行きたい



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