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幸福度の上がるお金の使い方・買い物から買い事へ

この前(と言っても10か月も前だった)、面白い本を読んだ。

『お金の減らし方』。いや、ふつう、お金の増やし方でしょ。

まあ、この辺のあまのじゃくな感じが森博嗣さんらしいんだろうけど。

で、その中に、お金は自分の命を差し出して得た対価なんだから、使い切らずに一生を終えてしまうのは、負債を抱えたようなものだというようなことが書いてあった。

表現は正確ではないけれど、まして「負債」なんて言葉は使っていなかったように思うけど、今の自分の中に残っている思いとしては、これくらいのインパクト。

お金がなくて、惨めな状態の未来も怖いけど、お金をあまりにあまらせたまんま寿命を迎えるのも、なんだかなあ。

これを書きながら、ちょっとあいまいなところも気になったので、もともとはビジネスブックマラソンのメルマガで知ったのだが、その動画編を改めて見た。

やっぱり記憶違いのところあった。言葉が。「命」ではなくて「時間」と「エネルギィ」だった。でも、千田琢哉さんからどっぷり受けた影響で私も「時間」とは「命の断片」だと思っているので、「お金は、命を差し出した対価であり、それを残して死ぬのは負債を抱えたまま死ぬのと同じ」。今の自分の言葉にすると、これがしっくりくる。

そして、この本の中で出てくる「2割ルール」。これがほんとにいい。(詳細を手っ取り早く知りたい場合は、動画を)

本当にお金を使いたいことなんだろって考えると、まあ、私はもともとお金全然使わない人なんだけど、自分の興味・関心がいよいよ研ぎ澄まされてくる。いよいよ無駄遣いしなくなる。

今年の2月か3月かだったか、よし、4月からは、まったく初めてのことに給与の銀行振込額の2割を使おうって、決めてみた。

何に使うか、いろいろ考えたのだが、3ヶ月くらいでネタ切れになりそうだった(笑)。それ以降、何に使うか考えることが苦痛になりそうだったので、結局やめたんだけど。

でもね、そのシミュレーションしたことで、とにかくお金は、本当は使ってみたいことに使わないと、もったいないな、自分の人生、って心から思うようになった。

物欲はあまりないんだよね、昔から…。

小学生から中学生にかけて、切手を集めていて、その時は物欲あったといえるけど、結局、それでむなしくなったというのもあるのかな…。

お金の使い方の指針として、めちゃくちゃ役に立ったのが、その2か月後くらいに書店で目に入って、即購入決めたこの本(その日は荷物が多くて買ったのは後日だったかも)。

ピンクのカバーはやっぱり目に入っちゃうのよね。

第1章がお金について。この本は、ここ読むだけでも元が余裕でとれちゃう。

結論としては、幸福度が上がるお金の使い方は、次の2つ。

1.「経験」にお金を使う。
2.「人」にお金を使う。

1.の「経験」には、次の4つの条件の少なくともどれかが当てはまる。
以下、すべて「お金を使うことで、」に続けて、

(1)新たな知人や友人が増えたり、
    世の中とのつながりが実感できる経験
(2)この先何年も楽しい気持ちで
    「繰り返し語ることができる」思い出となる経験。
(3)自分自身で思っている理想とする自分のイメージ、あるいは
    「自分がなりたいと思っている自分像」につながる経験。
(4)他のこととは簡単に比較することができない
    「めったにないチャンス」を得られる経験。

これらの4つの条件、ひとつのこともあるし、複数のこともある、と。

そして、それにかけた時間も無関係であるという。

経験を買うというのは、中谷彰宏さんの本でもよく出てくるので、私自身なじみはあったが、改めてこう細かくしてもらえると、さらに具体性が増す。

一括(現金振り込み、カード払いを含む)で支払った金額で一番高いものなんだろうと振り返ったら、家の外壁工事だった。これは「モノ」であって「経験」という「コト」ではないので、やはり、時間とともに価値が劣化する。

塗り替えたときは壁の色を変えたこともあって、家の雰囲気がガラッと変わり、満足感は極めて高かったよ。でも、最近、うちの外壁見るたびに、色が褪せてきて、ヒビも目立ってきて、ああ、またお金かかるなあと、ため息しか出ない。

調べたら、ちょうど10年前だった。かかった額は、多い時の私の夏のボーナス手取り分くらい(ちなみに、万の位以下の端数は値切って、切り捨ててもらったぜ)。

ただ、この時、飛び込み営業で、その時来た鈴木さんとのやり取りはけっこうおもしろかった。若い、いいお兄さんでね。この「経験」は、ちょっと払った価値あったかな。

ほんとに偶然なんだけど、昨日、同じ会社のオンテックスから、営業電話かかってきたんだよ。出なかったんだけど留守電入力はその場でクミゴン(奥様)とも聞いてて。

「だれだ?鈴木さんじゃないのか。イケメン連れて来い、イケメン」とクミゴン(奥様)はのたまったわ。電話だから、顔わからんだろ…でもまあ、あの声ではなあ、と私も思った。仕事で私も留守電よく吹き込むので、気をつけないとだな。

「経験」という観点から言うと、営業の人が、ムサイおっさんではなく、イケメンのさわやかお兄さん(ちなみに鈴木さんは子供もいる既婚者)であるということは、やっぱり重要。クミゴン(奥様)が言うこと、めちゃくちゃ理にかなってるよ。

たとえ「モノ」を買うときでも、店員さんとのやり取りは「経験」なので、いい気持ちで買い物するってのは、やっぱり大切だよな。19年前かな、スーツ買ったときのベテラン女性店員(というかおばちゃん店員)とのやり取り、よく覚えていて、気持ちよく、楽しく買えた。

太陽光に当たると実はブラウンだったと気づくそのスーツ、いつもはラフな服装で行く保育園の送りに、その日はそのまま仕事行くから着ていった。連絡帳には「電車男くん(長男)のパパ、スーツお似合いですね」とホンダ先生のおまけコメントあって、今でも思い出して心のスキップする。電車男(長男)が年長のときだから、もう19年前だよ。

外壁工事の次に高い買い物は、2年前の夏に買った300ミリ(35㎜換算600ミリ)の単焦点の超望遠レンズだ。額は、ちょうど5日前に振り込まれた私の1ヶ月分の給料くらい。東京タワーの展望台ぶち破って飛び降りるくらいの覚悟がいったわ。俺は劇場版・名探偵コナンじゃないんだぜ。これはほんとに我ながら思い切った。でも、どうしても使ってみたかった。

あれ、「モノ」であって「経験」ではないじゃん、と思われるかもしれない。まあ、確かにレンズはモノだが、俺はレンズコレクターではないので、宝石のように大切にしまっておいて、たまに出してニタニタするなんてことはしない。常時使う。昆虫を中心に、その一瞬を切り取る、記録を取る「コト」こそ、欲しい体験。

このレンズ、今までの苦労はいったい何だったんだよってくらい、あっさり、かまえただけで、シャッター切っただけでいい写真撮れる。

買ってすぐ撮ったのが以下。オオスズメバチのアップなので、そういうの無理なら見ないでね。

価格ドットコムのレビューにも書いたけど、さっと構えて、ぱっと撮った。

このとき撮った写真のこと、実は何度も語っている。上の(2)「繰り返し語ることができる」思い出となる経験。そして、これに限らず撮った写真をネットでアップすることにより、いろんな人とつながりも持てる。(1)世の中とのつながりが実感できる経験。これ書きながらもさっき、こんなやり取りもした。

写真は、特に動物系の写真は一期一会であることに注目すれば、(4)「めったにないチャンス」を得られる経験。(3)は、強いて言えばいえるけど、まあ、それはいいだろう。

そして、このレンズを買ったことによって、あまりに簡単に写真が撮れてしまうので、「ところでお前はいったいどんな写真が撮りたいんだ?」と突きつけられた思いがした。今までは、ただそこにいるものを撮る!だけだったのが(実際それが精いっぱいだったのだ)、どういうふうに切り取るかまで考えるように行動変容が起きた。

レンズについては、また項を改めて語ろうかな。

ここまでは「モノ」を買っても「経験」も買えるってことについて書いた。

「モノ」ではなく「経験」そのものを買うものの代表的なものに、旅行がある。『99.9%は幸せの素人』にもオーロラを見に行く旅行のことが例として出ている。

これでハタと思った。

今から15年前、子供たちが9歳(小4)、4歳(年長)のときの家族旅行(年齢があれ?と思うかもしれないが、ともに狙い撃ちして早生まれなのだ)。GW、2泊3日の箱根。旅行代金だけで20万かかった。その他、現地費用はすべてクミゴン(奥様)が払った。家族旅行ってこんなにお金かかるのかと驚いたが、箱根から帰って来た時は大満足だった。もっとお金を稼ぎたいと、珍しく思った。それでも、たった3日で4人というのもあるけど20万かあという思いは消えなかった。旅行って金かかるな、と。

何年か前、パソコンの中のハードディスクをあさっていたら、偶然その時の画像が出てきた。懐かしさと嬉しさで胸がいっぱいになった。たった数枚の写真で、ほんとにいろんなこと思い返して、写真って撮っておくもんだなとも思った。

何度も乗ったロープウェイ。旧式の方は待ち時間長くて、やっぱりやめるんだったとか。芦ノ湖で乗った遊覧船。「さみぃ~~、箱根、舐めてたーー。ごめんなさい~。ここは標高高いんだったあ。箱根の山は天下の険ってこういうことだったのかあ(違う)」とか。このころクミゴン(奥様)最も肥えてたなとか。俺は白髪すでにすごくて、ひげも無精ひげのまんまで、かなり強いて言うとドラマ「下町ロケット」の山崎開発部長風。むさくて笑える。

これこそまさに(2)この先何年も楽しい気持ちで「繰り返し語ることができる」思い出となる経験なんだな。20万円はたった3日のことではなく、ここまででもう15年分なんだ。そして、この先も続き、さらに価値が上がっていく。

旅行というのはお金がかかって、割に合わないと思っていた。あまりに近視眼的な見方だった。旅行が趣味っていう人が多いの、こういうことだったんだな。

旅行は、ベストなお金の使い方の一つ、価値観変わった。

あ、旅行と言えば、新婚旅行のほうがお金かかってた(笑)。まあ、あれは完全割り勘だったけど。新婚旅行も、失敗体験、ハプニング体験が一番心に残ってるな。

(3)自分自身で思っている理想とする自分のイメージ、あるいは    「自分がなりたいと思っている自分像」につながる経験。について、最後にふれておく。

私ならば、もう何年もほとんどお金の無駄になってしまっているが、ジムがそうだろう。

もともとは、バイトが採れなくて、肉体労働比率が高くなったので(ああ、プレーイングマネージャーという名の何でも屋)、体鍛えなきゃまずいな、というのが表向きの理由で、裏向きの本音はお姫様抱っこができるようになりたい、そのために体幹鍛えたい、だった。

女の人ならば、ジムも含めて、美容に関すること一切がそうなるだろう。

化粧品や服、靴、バッグ、すべてモノではあるが、ときめく自分を買うという点では、コトだろう。ときめく魔法の片づけとはよく言ったものだ(あ、ちょっと違った)。

美容整形もそうだろう。個人的には嫌いだったが、最近はちょっと考え変わってきた。

正直、美容整形のビフォーアフター見せられても、ほとんど変わらないなといつも思う(ただし、その写真は必ずビフォーはブスっとした顔で、アフターは笑った顔になっている)。ただ、本人の気持ちが変わるなら、それでいいんだろうな。以前は、二重じゃないとか、ここのエラがとか、そういうことのせいにしている人が好きじゃなかったが。

勉強するというのも(3)だ。やたら資格を取たがる人が世の中にはいるという印象があるが、それも(3)の観点から考えると理解できる。それが役に立つかどうかとか、たぶん、あまり関係ないんだろうな。資格マニアにとっては。資格を取るために勉強している自分、資格を取った自分というのがいいんだろうな。

正直、今まで資格マニアを若干白い目で見ていたが、これまたちょっと考え変わった。

どうせいつか死ぬんだし、お金は使わなければ、やっぱり損だな。どの本で読んだか忘れたが、出口治明さんが、死ぬときに貯金がちょうどゼロが理想と言っていて、まさにそれだな。

まとめ。

幸福度の上がるお金の使い方。

買い物ではなくて、買い事をしよう♪

ところで、2.「人」にお金を使う。については、またどこかで機会があれば。



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