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製品にもライフサイクルがある〜それぞれの段階に合わせた施策を〜

こんばんは。コウイチです。
「最近、売り上げが落ちてきてしまった。製品を維持すべきか、判断がつかない」という悩みをお持ちでしょうか。
もしかしたら今回のテーマである、「プロダクトライフサイクル」について学ぶことで解決できるかもしれません。

世の中は常に移ろい行くもの。どんな人間もいくつかの段階(ライフサイクル)を経て変わっていくものです。これは人間に限ったことではありません。商品開発の場でもそれは同じです。

そこで今回は「製品にもライフサイクルがある〜それぞれの段階に合わせた施策を〜」について書いていきたいと思います。

1,プロダクトライフサイクルとは

製品が生まれてから衰退するまでの一生、つまりライフサイクルを表した考え方を「プロダクトライフサイクル」といいます。

製品ライフサイクルは、 導入期、 成長期、成熟期、飽和期、衰退期の 5つから構成されます。

プロダクトライフサイクルにおける売り上げ推移
(出典:GMOリサーチ、https://gmo-research.jp/research-column/product-life-cycle)

例えば、音楽メディア市場では、1970年代に主流だったレコードは1990年代にはCDにその座を譲り、CDも今では衰退しています。このように商品は潮の満ち引きのように栄枯衰退をたどっていきます。

ところで、もしご自身に子供ができたら、ご飯を食べさせたりして成長を促しますよね。その後大きくなったら、教育にお金をかけて勉学に勤めてもらったり、社会に出たらおおいにお金を稼いでもらいたいですね。

それと同じようにマーケティングにおいてもライフサイクルのそれぞれの段階に合わせて、タイミングよくマーケティング施策を行うことが重要です。

2,プロダクトライフサイクルの各段階の特徴と対策

それでは各段階の特徴とそれに対応したマーケティング施策の考え方を以下に書いていきます。

①導入期

導入期は、まだ生産量が少なく、売上も低い状態です。一方で、製品を認知されるための販売促進費や、生産設備の投資が必要なため、その事業から得られるキャッシュフローはマイナスとなります。

導入期におけるユーザーの特徴は、最新のものや流行に敏感で、常にアンテナを張って情報を収集している人と考えられます。自身で新商品やサービスの存在に気付き、購入するまでの行動を起こすユーザーは少ないといえるでしょう。

導入期は、爆発的にヒットする可能性が低いため、まず確実に認知度を高めるようなマーケティング計画を立てましょう。

②成長期

成長期は、売上がどんどん成長していきますが、事業を拡大するためには大きな投資が必要になります。よって、得られるキャッシュフローもまだ多くない状態です。しかし今後、利益を拡大していけるか、商品やサービスの命運を分ける重要な分岐点となります。

成長期では、もしユーザーのニーズを満たした商品やサービスであれば、認知度が高まるにつれ、さらに売上が拡大されていくでしょう。一方、認知度だけが広まったとしても、ユーザーのニーズを満たしていなければ、商品やサービスの消失につながってしまいます。

そのため、成長期では認知度を高めるだけでなく、商品やサービスの品質改善を優先的に実施していく必要があります。

③成熟期

成熟期は、成長も落ち着き、シェアも固定化してくるので、安定した売上になっていきます。また、追加の投資があまり必要なくなるので、得られるキャッシュフローは最も多くなります。

成熟期では、類似製品が市場に溢れることで、商品やサービスの新しさが薄れてしまっています。

ユーザーにインパクトを与えるためにも、成熟期では新しい機能を搭載するなどのブランディング戦略が欠かせません。あらかじめ成熟期が来ることを見込み、競合他社との差別化を図っておくことも重要です。

④飽和期

飽和期は、新規購入需要が頭打ちになった状態です。製品価格が下がり始めるため、得られるキャッシュフローは減っていきます。

飽和期では、製品を欲しい人はすでに購入しているため、飽和期では「リピーターを増やすことができるか」が重要です。

リピーターを増やすためには、ユーザーに飽きられないアプローチが求められます。昨今では、どこでもすぐにインターネットで欲しい情報を入手できるため、ユーザーが競合他社の商品・サービスに目移りすることも珍しくありません。 だからこそ、飽和期では自社の魅力をさらに伸ばすことが重要です。

⑤衰退期

衰退期は、売上が落ち込み、製品の寿命が終わる前の状態です。売上が減るので、得られるキャッシュフローはさらに減ります。

衰退期では、代替製品が出現して市場全体のニーズも減少するため、資金力のある一部大手を除き撤退企業が増えます。

競合他社の撤退により、その分のユーザーが自社に集まってくるのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、実際には市場全体が縮小しているため、既存のユーザーも離れていき、シェアも落ちはじめます。

もし同じ市場に残り続けているのであれば、新たな商品の打ち出しやマーケティング戦略が必要です。ただし衰退期を迎える頃には市場全体が縮小しているため、新たな商品を投入したとしても、今までのユーザーが見てくれるとは限りません。

衰退期では、このまま市場に残り続けるかどうかの判断が重要となるため、現在の売上やコストを天秤にかけて見極めましょう。

3,プロダクトライフサイクルの注意点

プロダクトライフサイクルは、市場の動向ばかりに目を向けるのではなく、顧客の変化も意識することが大切です。なぜなら、5つの段階の変化を生んでいるのは顧客だからです。

例えば、導入期で考えてみると、流行に敏感な層が主な顧客となります。しかし、その後の成長期では、流行に敏感な層ばかりにアプローチするのではなく、幅広い層にアプローチする戦略も必要となります。

それぞれの段階で必要となる顧客の特徴を見抜き、適切なマーケティング施策を実行していくことが重要となります。

参照:
GMOリサーチ ホームページ(https://gmo-research.jp/research-column/product-life-cycle)
HiPro ホームページ(https://hipro-job.jp/and_hipro/article/A000000356/

まとめ

今回は「製品にもライフサイクルがある〜それぞれの段階に合わせた施策を〜」について書いてきました。

〈ポイント〉

・プロダクトライフサイクル(PLC)とは製品が生まれてから衰退するまでの一生を表した考え方
・ライフサイクルのそれぞれの段階に合わせて、タイミングよくマーケティング施策を行うことが重要
市場の動向ばかりに目を向けるのではなく、顧客の変化も意識することが大切

お読みいただき、ありがとうございました。


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