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「就活話が止まらないので もう一つ番外編」

    就職活動話が止まらないので、もう一つ。
 改めて当時のこと思い出しながら書いていると、その業界を本気で目指している方や本気で実際に働いていらっしゃる方々に、大変失礼な就活していたわけですが、実は『警視庁警察官』の試験も受けていました。これは高卒で警視庁の婦警さんになっていた友人のデコちゃんに『受けるだけでいいから、受けてもらえると私のポイントになるから』って話から始まり、自分的にも就活マニアな感じになっていたので、公務員試験を受けておくのもの悪くないなってなっての記念受験でした。
    警視庁といっても、一般職の警察官であって、キャリアといわれる幹部組の試験ではなく、よく交番などの掲示板に貼らていふるやつね。『踊る大捜査線』でいうところの織田裕二/青島とかのポジションのほう。
   試験は2日間で、1日目筆記試験で、1日目合格者のみ2日目の身体測定試験を受けられる、となっていた。
    1日目、ほぼ適正検索と一般教養的な質問への回答。何某についてこれこれの行動をした⇒はいorいいえのどちらかに◯をつける。といった設問が100個ぐらいあって答えていく。というものや、知能指数の検査みたいなもの。小論文というほどではないが、解答用紙の左半分に設問と回答の枠があって、100〜200文字程度だったかで答えていく。その右半分にも枠があって警察との関与履歴みたいなことを書く欄となっていたものがあって、
・警察からの捜査協力や感謝状的なもの
・主催の武術などの大会などの参加及び受賞歴
・犯罪歴、補導歴など
 ちなみに試験会場は中野の警察学校の教室だったので、普通の学校の教室とほぼ変わらない感じでイメージしてもらえるとわかりやすいかな。なので、周りの受験者の机の上、解答用紙何となく見えるんだよね、そこに書いてある内容までは読めないけどね。でね、見た目明らかに柔道部や剣道部などの体育会系な学ラン着て受験している学生が多かったんだよね。そういうわけで、その解答用紙の右上段や、中段あたりに何か書いている人はいたわけ。そんな中、このシリーズ読んでいただけている方なら察しつくかと思いますが、やんちゃな少年だった俺、その右側下段の犯罪歴、補導歴と書かれた枠を見て、内心「・・・まじかぁ」なわけですよ。全く傾向や対策をしてきていないので、ここにきて「そっかぁ、そりゃあそうだよな・・・」ってね。まぁここで体裁繕って何も書かなくても、そもそも調べりゃ記録は残っているんだろうしって思い、嘘ついてもしょうがないので正直に書くわけですよ。犯罪歴は無いよ、補導だけだよ。ちょっとお店から勝手に商品持ち出しっちゃった件とか、未成年飲酒で呼び出し注意されちゃった件とか、隣の学校のやんちゃな面々と派手に揉めた件とか、絡んできたやんちゃな大人の方と揉めた件・・・等々、解答欄には収まりきらないくらい・・・おはずかしい。そんな感じで右下段びっしり埋まるわけなのですが、席の周り見える限りそこの欄に書き込みしている人は見当たらなかったし、解答用紙は後ろの席から前の席の人へって感じで集めたので、自分の手元に回収され前に渡した分の中にもなかったな「っま、受かるつもりでもないし、デコちゃんからは受けるだけでいいってことだったし」という話なんですがね。
 試験終わって1日目の合否は当日発表なのでなんだかんだの時間あって、少し試験官の方(教官なのかな)から心構え的な話だったかな?そんな感じの話がされて、しばらくすると結果発表。「これから名前を呼ばれた方は、荷物もって廊下に出て、外の試験官の指示に従って移動してください」とのこと。教室内たぶん40人くらいいたと思うけど、名前呼ばれたのは半分くらい。皆元気に「ハイッ」って返事して意気揚々と廊下へ、他の教室からも人が出てきていて、廊下の試験官から何やら指示が出て移動していった様子。
「っま、そうだろうな」と思っていると、試験官の声色が変わり「皆さんおめでとうございます。ここにいらっしゃる方々が1日目合格者となります」と。
「っへ?」なわけですよ。そして2日目の必要な持ち物や流れなどの説明があって、また明日、解散となりました。
 2日目、健康診断や身体測定、面接など。身体測定は運動機能の確認的なことやったな。マット運動なんかも。気を付けの姿勢からの屈伸運動とか、そんな中で、いまだに緊張ほぐすジョークだったのか?本当に必要事案なのか?分からなかったのが、全員ならばされて気を付けの姿勢から
「その状態から、指先伸ばしたまま右手を前に出して。そこから人差し指と親指は伸ばしたまま、他の指は握った状態に」と試験官も同じ手の形に。
「できない人いるかな?・・・そしたら、その状態から人差し指を曲げ伸ばししてください」って。そう手は拳銃の形から引き金を引く動作なわけ。
で試験官はニヤニヤしながら皆の手の動きを確認。そして「警察には銃の使用が必要ない仕事もありますから、これができないから不合格ということにはなりませんので」と。
ほんとどっちだったんだろう。
 面接は1対1の質疑応答。本気で入りたいわけでもない俺には自由で気楽なもの。
「なぜ警察官になりたいと思ったのですか」の質問に。想定問答の準備などしているわけもなく、その場で思いつきで、
「『太陽にほえろ』や『西部警察』最近では『あぶない刑事』などのテレビの警察モノが好きで、かっこいいなって思って憧れてました」と、答える俺、笑うしか無い。試験官も笑ってたけどね。
「では警察官になったら、刑事になりたいってことだね。現実はあんな感じじゃないけどね、それになるの結構難しいんだよ」
「そんなんですね。あと犬が好きなので警察犬訓練士も興味あります」なんて、それが警察官の仕事なのか知りもしないのに適当な回答したっけ。
 次、ここでまたしても、傾向対策なしの丸腰で来て驚かされたの健康診断。
保健室的な場所に連れていかれて、試験官が「皆様お待ちかねの健康診断です」と。すると大半の受験者が「・・・あぁ」という感じでざわついていた。試験官もその反応を待っていたかのように許容。しばらくしてから流れの説明「この検査をしているのは、今では警視庁警察官と自衛隊の入隊だけだと思います。合格した場合、警察学校にて寮での集団生活になりますので、伝染する病気には注意が必要。また、ここで何か病気があったとしても、それ自体が合否の判定にかかわることはありません。合格後寮への入所までに完治していただければ問題ないですし、完治後の入所となる場合もありますのでご心配なく」って結局何をされたかというと、水虫の検査と性病検査など。これまたここに入りたくて傾向対策してきている人たちは、もちろん存じ上げていたわけで、先ほどの「・・・あぁ」となるわけ。そして何も知らずに今日に望んでいる俺。もう笑うしかない。まあ足の指の股をこまごま診られるのはいいだろう、特に水虫も無いし。ただ、なんだろ幼気な若き頃の俺にとってショックだったのが、医者とはいえオッサンにケツの穴を広げて観察されと男性器を手に取られてまじまじと診られたこと。羞恥プレーの極みだったな。あーやだやだ。思い出してもムカムカモヤモヤなんだよね。
 そんな感じで2日間の試験は終わったが、そこからがまた大変というか、日本の警察組織の凄いところというか。しばらくした後、周りにいろんな動きが起きまして。
 最初は親父んとこだったかな。どこで調べたのか実家ではなく親父の会社に電話があり「築地警察所ですが、ムサシコウジさんについてお伺いしたいのですか?」と。いきなりのこの問いに親父は、あのバカまた何かやらかしたのか!!って一気に頭に血が上り、その矛先は電話口へ向いてすったもんだしたらしい。警察も最初から試験受けたのでと説明すればいいのに、そうは言わずに話聞こうとしていたらしく、親父の剣幕に押されて「実は・・・」となったらしい。それで親父はおさまりついたらしいが、その後すぐに「警察受けたなら受けたと言え」ってどやされたっけ。ちなみに兄も含め母方の従兄筋は公務員が多いので「お前もそっちの血筋だったんだな」とも言われた。親父としては、いずれ仕事を継いでくれればなんてどこかで思っていたようなのでちょっとショックだったこともあったようだ。実家回りも聞き込みがあったらしく、後に会った近所のおばちゃんなんかは「こーちゃん、またなんかやったかと思っっちゃったわよ。悪くは言わなかったからね~」って、どこも初めは、試験受けたので入所にあたっての身辺調査だとは言わずに聞き込みしているようで、ほんとまるで何かやらかした容疑者扱いで、話しある程度聞いたのちに「実は・・・」としていたようだ。
 ちょっと違ったのが、親父お袋の実家まわり(両親とも同郷)での聞き込み調査。ちなみに宮城県の田舎町なんで駐在さんが「ムサシさんの照男ちゃんとこの次男が東京の警視庁の警察官試験受けたんで、一通り形だけ聞いて回ってるんだぁ」って感じだったらしい。他の親戚回りも聞き込みがあったようだった。その後、俺は警察官になるってことになっててちょっと大変だった。
 当時住んでいたアパート周りも聞き込み回っていたようで、これは、同じアパートに住んでいた友人から教えられた。当時のバイト先のスポーツクラブにも電話があったようで「最初何事かって焦ったよ」と主任からきかされたっけ。でもこれスゴイよね。試験に関してバイト先の情報なんてこちらからは何も出してないのに、調べ上げられてるんだよ、日本の警察、優秀だよ。
 そんなこんなで、身の回り調べ上げられたのち、本丸である俺のアパートの部屋へ来ることに。記憶定かでないけど、いついつ行きますとかなかったと思うんだよね。あまりいない部屋にたまたまいるときに来たので、下手すれば張り込みされてたりして。来たときは警察手帳となんか資料的なの見せられて、部屋の中に上がらせてくれと。そして「受験者トップクラスの合格となっていて、部屋の中も問題ないので合格手続き進めてもよろしいでしょうか」とのこと。トップクラスっていうのは、勧誘の方便だったのだろうが、合格って・・・俺なんか組織内に入れちゃっていいの!?ってはなしよ。
さんざん周り調べられてお墨付き頂いたわけだけど。
 当時、後の国際社会化に対応すべく庁内でも強化を進めていて、俺の国際関係学部ってこと、インドを専攻していて語学もかじっていることなどが、ポイントになっているとの事。あとは、補導歴なんかは「昔やんちゃしていて警察官になる奴なんか、中にはいっぱいいる」とも。肩ひじ張らず地でいったのもよかったようで、TV話で笑ってた面接官の受けもよかったようだった。何が正解かなんてわからないもんだよね。
 この時点で、既に新聞社の内定頂いていたので、正直なところ警察官にはならないと、丁重にお断りしたのだが、その後も何度か接触してきて口説かれた。これも根気のある接触。こういった地道な捜査!?が日本の治安守っているんだね。
 後に神奈川県警の警察官している従兄に詳しく教えてもらえたが、身辺調査については、怠って内部にテロや反社系の人間を見抜かずに入れてしまうと問題必至なので、その予防線を徹底しているとの事、部屋に上がって最終確認とのことも、そういうこと。3親等内(だったかな?)のそういった思想主義者がいることも問題になるようなこと言ってたっけかな。っま、その従兄にも「警視庁受けたんなら、神奈川県警も受験しろ。俺のポイントになるから」ってね。 
 警察も組織だから、そういったポイントがいろいろと内部事情に有利に働くらしい。どこの組織も一緒だね。
 
と今回は警察官試験の話で終わっちゃいましたね。
次回
もう一回番外編します
「またまた番外編 就活締め括りの内定日=拘束日 」
お楽しみに。

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