褒めても何も出ないよに何も求めていない

 迂闊にも他人を褒めてしまった時、ニタニタしながら言われる「褒めても何も出ないよ」にはいつも困惑する。
 僕の場合、人のことを褒めてあげようと思って褒める事は殆ど無い。「その服いいね〜」とか「へ〜、すごいね〜」ぐらいの何気ない会話で、「はっはっは!褒めても何も出ないよ〜」みたいなことを言われると、特別相手の事を褒めたつもりはなかったのになと思いながら、たじろいでしまうし、僕が見返りを求めて発言していると思われるのも癪である。
 呑みの席の場合、何も出ないよ〜と言いながらも、一杯どうぞとお酒をくれる事があったりする。お酒を頂けるのはとても有難いのだが、今はいらないな〜と思う事が多々ある。僕は褒めてもいないし、何も求めていないのだ。
 豚もおだてりゃ木に登るというが、おだてていないのに木に登らないでほしい。

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