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人の骨折を笑うな 秒で判断する危うさと恋バナと

「骨折した」と言うと、
たいだいエエーっとマスオさんの如く驚かれるがその口角は引きつっている。笑うのは失礼なので抑えながらも、ギリギリのバランスで心配の念を込めた言葉をかけてくれるのだ。くわえてスケベ心が入り混じりその美しい顔が歪む。悪いことしたなと思う。
逆も然り。

「捻挫」「骨折」大きく違う。
例えば会社に捻挫しましたーと報告しても、何年甲斐もなくはしゃいでんだよと言われるのがオチ。
逆に、骨折だと過剰なまでに心配され、人々が口々に自分も昔やっちゃってさー・・知り合いも最近骨折して・・と骨折の輪ができること請け合いだ。口角を上げながら。

医者曰く、両社は痛みの点において、折れてるか折れてないかの違いだけで、ほとんど変わらない。骨に痛覚はない。
ある患者は、医者に「ぎっくり腰という病名はないんですよ」と告げられ、何か世間に通る病名をつけてくれと恨めしそうに医者に訴えていた。

それなのに如実に待遇の格差があることに興味がある。
詳しくない世界について「言葉」で処理、判断をしてしまう忙しい私たち。ともすれば無意識のうちに加害者になっているかもしれない。それを利用する人たちがいる。誘導までして。

アンケートの例(1)。
・ミサイルこわいですか Yes
・国防費をアップし備えるべし Yes
アンケートの例(2)。
・札幌はすきですか Yes
・札幌を盛り上げたい(五輪)ですか Yes

ひとはしるしをほしがる。
10文字のキャッチで釣れるヤホーニュース。
更迭、離婚、不倫、悲報、降板、炎上、逮捕、文春、解散、辞任、昇天、破局、死亡、自殺、苦言、論破・・
名前をつけてくれと叫んでいる。

最後に、
骨折を笑ってくれるなという決定的な理由。
人の反応で自分がどう見られているのか明らかにされてしまうのだ。
もし、好きな人が骨折と知ったら、口角を上げず、まっさきに連絡くれると思う(反語)。
心まで折れそうになるからだ。


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