見出し画像

「似合う」を布教した話。

ひよは、大学の友達だ。
関東随一のお嬢様高校出身。
長身で、色が白く、ふっくらと品のある顔立ち。
性格に邪気がなく、
全人類をのんびり受け止めてくれる。
ちなみに仮名の由来は、
チキンラーメンのひよこちゃんに似ているから。

唇がツンとしてて可愛い

旅行帰りに寄った梅田のショッピングモールで、
「どこのブランドで服買ってる?」と尋ねた。
何気なく聞いたのだけれど、
「適当に入った店で買ってる…」と浮かない顔。
「おぉ。選ぶ時のこだわりとかは?」
「わかんないの…何も似合わない…」
「嘘でしょ、こんなに可愛いんだよ!?」
「可愛くないよぉ…🙁」
えーっ。
こんな表現好きじゃないけど、
うちの学科でも5本の指に入るくらい可愛いのに。
本人が気づいていないとは。

「服買うの苦手…🐣」
「スタイル良いんだから、
 なんでも似合うに決まってるでしょ。
 ちょっと服見て帰ろうよ」
「いや、いいよ…」
ひよのことはオシャレだと思ってきたけど、
何でも着こなせる自覚がないのは納得いかない。
袖を引くと、口では渋りながらも
素直について来てくれた。

「このブランド私が好きだからさ、
 ちょっと見て行ってもいい?」
そう言って引っ張り込んだ店で、
ひよが着てそうなスプリングコートを手に取る。
「この色似合うんじゃない?着てみてよ」
「着な〜い🙁」
強情なひよの顔周りに当てがいながら、
「深い青は違うな〜。黄緑は似合うな」
などと楽しんだ。

次の店を探すべく、通路を歩く。

「パーソナルカラーとかは分かる?」
「分かんない。私どれなんだろう?
 でもね、肌が結構ピンクなんだよ」
「確かに、血色感ある。
 でも、白石麻衣もスプリングだからなぁ…」
「私の肌、白石麻衣に似てんの?」
「うん、なんかちょっと似てる気がする」
急に静かになったひよ。この褒め言葉は受け取ったらしい。かわいいやつめ。

「骨格診断は?ウェーブとか」
「ストレートかなって思ってる。
 あとね、脚を出した方がいいんだよね」
控えめに、チャームポイントを教えてくれた。
自分のいいとこ、ちゃんと分かってるんだね。

数軒店を見て回っていると
「あのねぇ!
 着たい服のコンセプトがあってねぇ!🥰」
「おう。どんなの?」
「仕事ができるお嬢様になりたいの!」
お嬢様になりたいお嬢様、爆誕。
「いいじゃん。
 具体的には、どんな服なんだろ?」
「例えば、あの服は
 お嬢様だけど仕事はできない。🤣」

JILL STUARTさんの、一番甘く見えるお写真を拝借しました。
綿菓子みたいで食べちゃいたい可愛さ。

めっちゃ主観が入った感想だけど笑、
守りたい系ではないってことか。
「ふーん。ちょっと感覚掴みたいから、
これ好き!って服が出てきたら教えてね」

その後も店を回り、ひよも段々と乗り気になってきた。
コートくらいなら、羽織って見せてくれる。
そうこうしているうちに、
「あのお店入ってみてもいい?」と
気になるブランドが出てきたようだ。

「…この服、かわいい」

Mystradaさんからお借りしました

確かに、これは仕事ができるお嬢様!
「いいじゃん、試着してみなよ!」
「え〜、似合わないよー😕」
店員さんと「絶対かわいいですよね!?」
と説得したものの、試着は叶わなかった。

こんなに頑ななひよは初めて見たけど
でも、なんか、分かるなぁ。
私は昨年末にイメコンさんの診断を受けるまで
全身がコンプレックスだらけだった。

一つ一つ、特徴を手にとって
尊重してもらえたおかげで、
活かし方を教えてもらえたおかげで
心を楽にできているけれど。
それまでは、お洋服屋さんに入るのがすっごく怖かったのだ。笑われないかなーとか、恥ずかしいなとか思ってしまって。
まさか、超美人の友達がこっち側の人間だとは思わなかった。友達の前だと、余計恥ずかしかったりもするだろうな。

「お店の名前だけ覚えといて、また買いにきたらいいよ」
そう伝えて、次のフロアに向かった。

「あ、ここの服持ってる!」
ひよが立ち止まったのはMERCURYDUO。
「このスカートかわいいねぇ〜」
好みの服が多いようだ。
「これとか似合うんじゃない?」
「うん。似合いそう」
…!!その調子。

計4フロアほどショップを見て回って、
最上階のスタバで休憩することに。
「あ〜楽しかった。ひよ、ありがとうね。付き合ってくれて」
「私も楽しかった〜😊」
よかった。またやろうね。

最後に、私の買い物に付き合ってもらうことにした。
UNIQLOに、好きな色(コーラルピンク)のカーディガンがあったので。

色違いなども手に取りつつ、
とりあえず鏡の前で試着してみる。

…悪くはない。決め手には欠ける。
迷いながら一旦脱ぐ。

近くにあったので手に取っていた
パーソナルカラーのカーディガンを着てみる。
ひよが「おおっ」と声を上げた。
全然違う。なんか、白目が澄んで見える。
意図せずして、似合う色の何たるかを
ひよに実演して見せてしまった。

「診断で言われてみないと、
 まさかこの色が似合うとは思わないよね〜」
「そうだねえ😧」
滞在時間にして10分後、
派手な色のカーディガンをお会計しながらひよに話した。

ウィンターの民です。実物はこれより派手。


帰りの電車で、イメコンさんの診断に興味津々のひよ。
セルフ診断をやってみたり、
関西の診断料金を見ながら、高いと嘆いたり。
いつか診断を受けてみて欲しいけど、
自分に劇的に似合うものが、どこかにある
ってことだけでも
覚えててもらえたら嬉しいな〜!


追伸。
帰宅後、最後まで「あのお店よかったな〜」と言っていた
MystradaのリンクをLINEで送っておいた。
ひよ「ありがと!」
ー3分後ー
ひよ「お嬢様価格!!」
間違いない!笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?