つれづれ

関西の某大学に通うイチ学生。 専門は建築だけれど、興味の幅を絞り切れないのが弱みであり…

つれづれ

関西の某大学に通うイチ学生。 専門は建築だけれど、興味の幅を絞り切れないのが弱みであり強み。 文章を通して誰かを少しだけ幸せにできたらと、2021年からnote修行中。

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惚れたのは、内面だった。ーホキ美術館-

ぎょっとした。 1階の片持ち部分がこちらに突き出す、有名な画。 建築ファンの目を喜ばせてきたその外観に、私はちょっと引いていた。 各層がゆるい曲線を描いて伸び行くすがたは、失礼ながらうどんに見えなくもない。 雑誌で誇らしげに紹介されていたスリット窓にも、カーテンがかかっている。 どうしてこんなもの作ったんだろう。使いづらくないのかな。 芸術に疎い私には、純粋に疑問だった。 外観は分かったし、もう帰ろうかな。 結局中に入ったのは、ここまで来るのにかかった手間が勿体なかったため

    • 新しいワンピースを、ご近所さんに褒められた…! 挨拶したあと、わざわざ振り向いて「お洋服、素敵ねえ」と言ってくださった。 優しい、嬉しい。。

      • 自由になりたかったので、服を買った。

        論文をやっと提出したと思ったら、体が動かなくなった。鬱だろうか。 1日に14時間くらい寝て、這うようにしてキッチンに水を汲みに行ったりしながら、何もせず過ごした。食欲もなく、何を見ても面白いと感じない。気が張り詰めていて、涙も出なかった。 普段愛想のいい私が死んだ目をしているものだから、周囲の人たちは「何かあったのか」と心配してくれた。別に何もない。私を痛めつけていたのは、私自身だった。 研究にのめり込むあまり、自分自身に休むことを許さず、できたもの全てを否定し、自分を責め

        • 超優秀な同期の秘密を探ってみた。

          研究室の同期に、超優秀なやつがいる。 バイトもしっかりこなしつつ、研究もしっかりやるし、 大学院入試の成績も同期内のトップだった。 何より、とにかく仕事が早い。 来年の3月に提出するはずの修士論文を、8月の時点で6割方書き終えていたのだ。やってられっかよ。 場を仕切るのも上手くて、リーダーシップも取れる。本人がやる気になることが少ないので、リーダー姿はなかなか拝めないけど。 人と喋るのも嫌いではなくて、決してズレたことは言わないし、皆から尊敬されているので飲み会でも歓迎され

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          マイ・フェイバリット・シングス 〈エンタメ編〉【自問自答】

          あきやあさみさん主催の「自問自答ファッション教室」に参加することになったため、備えとして自分の好きなものをまとめておこうと思う。 まずは音楽・ドラマなどのエンタメ編。 私の好きなエンタメは、ざっくり以下のジャンルに分かれる。(名前は勝手につけた) ●カラフルポップとにかく明るい・楽しい音楽が一番好き。でもテンポは遅めで。 編曲にいろんな楽器が入っていると、さらに好きになる。 ライブに行ったりするのは、こういうタイプのアーティストさんたち。 アーティスト:コアラモード. /

          マイ・フェイバリット・シングス 〈エンタメ編〉【自問自答】

          母が恋しくて泣いている

          ひとり暮らしの家に帰ったら,母はもういない。 数か月前から,修士論文提出前の追い込みに取り掛かっている。 事情あって私の締め切りは周囲よりも1ヶ月ほど早い。 研究の道に進むのであれば、出来も重要だ。 週7で大学に通い、生活もほったらかして、全リソースを研究に注いでいる。 かといって、しんどさを周囲に振り撒くのは嫌だ。 そもそも今の環境に女子がいないこともあって、愚痴に共感してもらうことは諦めている。 自分の話は控え、周囲の話を聞いてあげたりしながら、なるだけ笑顔で過ごすよ

          母が恋しくて泣いている

          失恋,その後。

          片想いが実らなかった後の話を,残しておこうと思う。 彼との関係は,非常に良好な状態を保っている。 私は,彼を「恋愛対象として直視しない」技術を身に着けた。 対象として見ていない訳じゃないけど,きっかけがなければ意識しない程度。このおかげで,軽やかに喋れるようになった。 双方の技術と努力のもとに,男女の友情を育んでいる。 彼はその後,アプリで出会った彼女と数か月で別れることを繰り返している。新しい子とデートをする話なんかが耳に入ると,やはりまだ複雑な気持ちになる。 私は彼の

          失恋,その後。

          学振に落ちたー!

          3日前,あるメールが届いた。 「【日本学術振興会】特別研究員の選考結果開示について」 どきりとした。このメールは,10月半ばにでも来ると思っていた。 学振というのは,博士課程の在学者がお給金をもらえるシステムだ。 月20万円の「研究奨励金」なるものが支給され,用途は自由だ。 応募者に対する採用率は20%程度とされていて, 採用されるとエリートとして箔がつく。 博士課程に進学する者はほぼ全員応募するであろう,一大審査なのだ。 緊張しながら,結果を開示すると… 「不採用」の文

          学振に落ちたー!

          私はどこまで,私のもの?

          研究室の先輩が,大事なプレゼンを控えていた。 私は予定があり見に行けないので,「頑張ってくださいね!」とお菓子を渡した。 「ありがとう!」 彼女は笑顔を見せ,渡した2倍の量のお菓子をくれた。 私は,軽く感動を覚えた。 この人は,私の2倍優しいんだな。 自発的に応援の心を示した,私の積極性を差し引いても 大変な時期に相手を気遣う,先輩の柔和さには代えがたい。 人に優しくすると,こんなに嬉しいことが起こるんだ。 私も,誰かに親切にしてもらったら2倍にして返そう。 そんな決心と

          私はどこまで,私のもの?

          「似合う」を布教した話。

          ひよは、大学の友達だ。 関東随一のお嬢様高校出身。 長身で、色が白く、ふっくらと品のある顔立ち。 性格に邪気がなく、 全人類をのんびり受け止めてくれる。 ちなみに仮名の由来は、 チキンラーメンのひよこちゃんに似ているから。 旅行帰りに寄った梅田のショッピングモールで、 「どこのブランドで服買ってる?」と尋ねた。 何気なく聞いたのだけれど、 「適当に入った店で買ってる…」と浮かない顔。 「おぉ。選ぶ時のこだわりとかは?」 「わかんないの…何も似合わない…」 「嘘でしょ、こんな

          「似合う」を布教した話。

          憧れのイメコンさんの診断、受けてよかった。

          私には、日課がある。 美々子さん(@mmk0_0mmk)のツイートを確認することだ。 Twitterのアカウント、持ってないのに。 美々子さんとは、 パーソナルスタイリストとして、 女性を綺麗に見せる診断やアドバイスを行う傍ら コラムニストとして、 女の子の夢や恋を応援する発信を続ける インフルエンサーさん。 元々は大阪での診断を中心に活動していらしたのだけれど、Webでのコラム掲載やオンラインイベントの開催など 影響力が広がる一方である。 私は美々子さんの 自分の中の

          憧れのイメコンさんの診断、受けてよかった。

          私は、私が大好き。

          自分のことが好きだ。 毎日いいことをしているし、努力家だし、ご機嫌だし。 これは、友人のことを好きな気持ちに似ていると思う。 私と一緒にいると(=一人でいると)、とても楽しい。 好きな場所に連れて行ってくれる。 日常の中でも、面白いものを見つけるのが上手い。 ときに失敗しても大笑いして、楽しんでくれる。 周りの人にかける言葉にも、思いやりがある。 人を褒めるのが上手で、一緒にいると自己肯定感が上がると評判だ。 先生のすることに、陰で文句を言ったりもしない。 不満を言うくら

          私は、私が大好き。

          どうやら私は、失恋したらしかった。

          気になっていた彼に、彼女ができていたらしい。 梅酒を飲みながら、どうリアクションを取るか迷った。 彼は、ゼミの後輩だった。 やたらに明るく、あまり関わったことのないタイプだったけれど、 互いに人懐っこい質なので、すぐに仲良くなれた。 出会った当初は、彼は私のことが好きだったと思う。 プライベートの質問が多かったり、 私がばったり会った同期の男の子と喋っていると、誰ですかと気にしてきたり。 出会いがないという話をしてきたり。 彼の気持ちは嬉しかった。 嬉しいと思えている自

          どうやら私は、失恋したらしかった。

          私がD進かよ。

          博士課程進学を考えてみてはどうかと、担当教授は言った。 「はい?」 就職の話があると呼び出された私は面食らった。 正確には、 「あなたは研究職でコツコツやる方が向いとるんやないか? 企業から大学へのオファーを紹介しておく。 ただ、一番勧めたいのは博士課程進学や。」 と言われたのだが。 これまでも何度か進学の話をされてきたが、全て冗談だと思い聞き流してきた。 なぜって私は、社畜ならぬ「バ畜大学生」だからである。 大学入学から5年間、アルバイト最優先の生活を送ってきた。 平日

          私がD進かよ。

          小さく頼もしい、わたしの神棚。

          ソネングラスという商品をご存知だろうか。 いわゆるソーラーランタンの一種で、 数ある中でも世界一おしゃれな商品である(私調べ)。 蓋の表がソーラーパネル、裏がライトにになっている(かわいい)。 瓶についたマグネットがスイッチになっていて、ぱたぱたと点灯・消灯できる(かわいい)。 私が使っている「mini」モデルは、幅6cm・高さ11cmほどのサイズ感(かわいい)。 私はこのソネングラスに、近所の神社のお守りを入れている。 こちらの本を読んで、毎朝六法拝(感謝のお祈り)

          小さく頼もしい、わたしの神棚。

          ホンネの言葉が人を動かすと、無意識に教えてくれたひと。

          小学生のわたしは、優等生だった。 「よくできる」が並ぶ通知表を持ち帰り、 宿題の提出を忘れたことはなく。 作文や図工の授業まで、自分の作品が選ばれることを待っている。 ある種「不自由」な子どもだった。 道徳の授業だって、選ばれる作品づくりに抜かりなかった。 特に得意だったのは感想文。 「私たちはもっと〇〇しなければならないと感じました。」なんて 耳ざわりのいい言葉を、用紙の裏まで並べてのける。 花丸がついて、教室の後ろに貼り出されるのが誇らしかった。 中学生になった。 英

          ホンネの言葉が人を動かすと、無意識に教えてくれたひと。