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アパレル商品開発の修正・変更とは

商品開発をする上で

開発途中の修正や変更は通常行う工程です

使用した生地ではイメージと異なる

分量や長さを変更したい

デザインを付加したい

形状を変更したい

場合によってはアイテムやデザインを変更したい

など様々だと思います。

当社ではどの段階でも修正や変更などはお受けしております。

パターン修正やサンプルの修正など

ご指示があれば、また技術的に可能であれば

全て対応しております。

ただしデメリットもあります。

①コストがかかる

②その分の納期がかかる

当たり前の話ではありますが・・・

もちろん内容により無料で対応する場合もあります。

後からの修正変更だと、どうしても手間や期間がかかる為

その分のコストや納期は余分にかかることなります。

可能な限りコストを抑えて、納期が延びるのを押さえて

提案する様にしています。

また修正や変更が起こりやすい複雑なデザインや新型のアイテム

今迄使用したことが無い物性の原材料などを使用する場合など

修正や変更が見込まれる場合は、トワルチェックなどの

開発工程のはじめの段階でなるべく修正や変更してしまい、

その後の工程での修正や変更内容をなるべく小さな内容にしておいた方が

納期調整やコスト調整が付きやすいと言えます。


とは言え大概のデザイナーはサンプルを確認すると、

より良いデザインをお客様に届けたいという理由から

何かデザインなどを変更したり、

修正したり、加味したりしたくなる方が非常に多いです。

これはデザイナーの性(さが)というか、

デザイナーたる所以みたいなもので、仕方ないとも言えると思います。

デザイナーの気分で気軽に変更などが行われ、

周りのスタッフが右往左往する事も多々あります。

ただしコストや納期は現実的なもので、

より良いデザインをお客様に届けたいというのは、

関係者全員の当たり前の話。

コストがその分かかるとか

納期が押してくるとなれば

デザイナー以外の関係者にも大きく影響が出てきます。

余程のデザイナー主導型のビックブランドでなければ

デザイナーの気分だけで気軽に変更なんて

なかなかそうはいかないのが現実だと思います。

その為、プロのデザイナーであれば

トワルチェックなどの初期段階で必要な修正や変更や調整は

計画的に行ってしまい、

サンプル修正については指示したイメージと異なるなどのケースを除き、

サンプルチェック以降の修正や変更、またはデザインの付加などは

なるべく無しとすることを始めの目標にしたり

仮に修正・変更があっても微細なものにとどめる事を目標に

初めから商品開発の工程を検討すべきと言えます。

デザイナーが出来ないのであれば

ブランドのマネージャーとかマーチャンダイザーが

コントロールした方が良いかもしれません。

当社ではこのあたりも可能な限り

生産業務委託の立場でアドバイスしながら

必要に応じ諸々提案する様にしています。

それでもやはり修正や変更はつきもの

特に衿などは実際の生地でないと雰囲気が明確にならない場合も

物理的事実な訳で・・・


衿のサンプル修正の様子

少し衿の先を削って丸みを出したり

台衿無しの返りの衿をややふんわり芯地まで変更してみたり

正解は無いので、色々と変更したくなってしまう。


アコーディアオンプリーツ

アコーディアオンプリーツのサンプルなどは

プリーツのかかり具合や雰囲気など

トワルチェックでは加工などは確認が困難な場合もあります。
(トワルチェックでシーチングにプリーツ加工をかける場合もあります。)

1点ものの高額なウェディングドレスなどの商品開発や生産の場合は、

ある程度コストはかかりますが、

事前に仮縫い(丈上げをせず、7割程度完成させて商品確認する)などを

計画して、変更・修正・調整などを行う場合もあります。

その為、商品開発における変更・修正・調整は

工程や方法を一つの方法に決めつけず、

ブランドの商品開発の内容やご予算、納期などに合わせた

修正や変更などの確認作業の工程を、

アイテムごとに事前に計画して選択する事が

適切と言えるではないでしょうか。

そしてまずはサンプルチェック以降の変更・修正・調整は

無しにすることを目標に工程を事前に検討すると良いと思います。

ただしそう計画通りにはいかないのがビジネスの難しところ。

変更・修正・調整があることを前提にコストと納期は

ある程度余分に確保しておく必要もあると思います。

アパレル製品は服飾というファッションアイテムであり、

その為イメージや雰囲気またはアートに依る要素が強く

曖昧で正解がなく

繊維という物質的に非常に不安定な原材料を使って

生産される製品であるが故に商品開発途中の

修正・変更・調整は付きもので、

それがブランドビジネスの売上やコストを大きく左右する重要な工程です。

それをどう乗り切るか、どうやり切るか

ファッションビジネスとして意外に重要な要素となるでしょう。


株式会社コロン