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金融・投資レポート ’22.4.10

今週は米長期金利の上昇や、決算を意識しての利益確定売りが進みハイテク・グロース銘柄を中心に売られる展開となりました。

株0410

為替はドル高、ドルインデックスは20年5月以来の100をマーク、ウクライナにおけるロシア軍の大量虐殺を巡り各国が追加経済制裁を決定したことで特にユーロが弱く、3/31から7営業日続落を記録しました。ドル円は日米金利差が引き続き意識され一段高の124円まで上昇しました。

為替0410

商品価格も同経済制裁の影響により上昇となり特に天然ガス・食品が買われる展開、一方原油は中国上海のロックダウンや米国の戦略石油備蓄の放出決定により売られる展開となりました。金は長期金利上昇局面では本来弱含みますが、世界的なインフレの高進によりやや買い優勢で下値は固く推移しました。

商品0410

FRB要人の発言やFOMC議事要旨の内容から金融引き締めの動きがさらに強まっていることが伺えます。
今週5年期待インフレ率は低下を示しましたが、長期金利は上昇を続け19年3月以来の高値を付けていることもあり、やや市場は将来の見通しに対して自信がない様子かなという印象を受けました。

来週以降ですが、週の後半からは1-3月期の米国決算が始まってきます。週末にかけては金融セクター、18日の週からはジョンソン&ジョンソンなどの小売り銘柄が予定されており、今週の金融・小売り・エネルギーの上げは決算を意識しての買いこみも反映されていると考えます。イースターと決算シーズンを控え来週株は頭の重い展開かと思います。

一方為替については、いち早く金融引き締めに動いたNZやカナダの政策金利発表が予定されています。昨今のインフレ高進に対し利上げ幅を上振れさせていくかは注目で、ECBについてもフォワードガイダンスをさらにタカ派に寄せていくのかも気にしています。それを占う意味で火曜日に欧州のZEW景況調査が予定されておりますが、戦争によって前回大きく落ち込んだ景況感がさらに深堀するのかも背景として押さえておきたいと思います。

自身のポートフォリオに対しては長期金利の上昇が著しいことを鑑みて金利感応度の高いナスダック100を一旦ポートフォリオから外しました。新しいポートフォリオはMSCIコクサイ30%、日本国債40%、現金30%です。今後の投資判断は米国決算と来月のFOMCを見てになるかもというのが今のイメージです。


<来週の注目指標など>
4/11(月)
10:30 中国 3月 消費者物価指数(CPI)・生産者物価指数(PPI)

4/12(火)
15:00 英 3月 失業率
18:00 欧 4月 ZEW景況感調査 (3月の大幅下落に対して上か下か)
21:30 米 3月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] <前回値:7.9% 予想:8.4%>
21:30 米 3月 消費者物価指数(CPIコア指数) [前年同月比] <前回値:6.4% 予想:6.6%>

4/13(水)
11:00 NZ ニュージーランド準備銀行(RBNZ、NZ中央銀行)政策金利 <前回値:1.0% 予想:1.25%>
     (利上げ幅0.25%に留まるか)
15:00 英 3月 消費者物価指数(CPI) [前年同月比] <前回値:6.2% 予想:6.7%>
21:30 米 3月 卸売物価指数(PPI) [前年同月比] <前回値:10.0% 予想:10.6%>
23:00 加 カナダ銀行 政策金利 <前回値:0.5% 予想:1.0%>
     (利上げ幅0.25%に留まるか)

4/14(木)
10:30 豪 3月 失業率
20:45 欧 欧州中央銀行(ECB)政策金利
21:30 欧 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁、定例記者会見
     ※(前回議事要旨公表では景気刺激策の解除に前向きな姿勢を示唆、さらにタカ派色を強めるか)

21:30 米 3月 小売売上高 [前月比] <前回値:0.3% 予想:0.6%>
21:30 米 前週分 新規失業保険申請件数 <前回値:16.6万件 予想:17.5万件>

<決算>
モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、シティ

4/15(金)
※グッドフライデー(イースター前の休日)により欧米オセアニア市場休場
21:30 米 4月 ニューヨーク連銀製造業景気指数
22:15 米 3月 鉱工業生産

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