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audible”【さり】ではなく【さいり】です”の感想

audibleの
”【さり】ではなく【さいり】です”の
魅力について書いてみたいと思います。

本書は女優の”伊藤沙莉さんが
執筆、朗読されたものです。

僕の彼女に持つイメージは
子役の頃から仕事が途切れず順風満帆
という感じでした。

しかし華やかなイメージの裏側では
苦労されてきたようです。

父は借金をきっかけに蒸発。
残された母と子供は家を失います。
母は生活を立て直すべく
昼も夜も働きづくめになります。
その間、子供たち3人は叔母の家に
預けられます。

という流れの中で
伊藤沙里さんと叔母の関係性が描かれています。
伊藤紗莉さんが一番困った言葉は

”私はお母さんじゃないから”

この言葉に対する回答が
彼女にとって一番の難題です。

叔母さんには、母が居ない間に
食事から日常生活までお世話になったそうです。
仕事やレッスンがあれば
千葉から都内まで送り迎えをしてもらい
プライベートから仕事まで
沢山の世話をしてもらったそうです。

伊藤紗莉さんにとっては
母や姉や兄と同じように家族のひとりだと
感じているそうです。

なので叔母から
「わたしはお母さんじゃないから」
という言葉に回答は出来ません。

「そうだね。お母さんじゃないよね」
と言うと、世話になった叔母に失礼になる。

逆に

「実質わたしのお母さんだよね」
と言うと、昼夜をとわず、家族のために
働いてる、母に対して失礼になる。

伊藤紗莉さんにとっては2人ともかけがえのない
家族であり、優劣をつける、順位をつけるという
ことが考えられないのです。

ここからは本書の引用ではなく
僕自身が本書から感じた事を例え話を書きます。

伊藤紗莉さんが崖の淵に居ます。
その崖の淵にて、右手に母親 左手に叔母が
つかまっているとします。
手を離すと母と叔母は奈落の底へ落ちるとします。
この状況があったとした場合
叔母さんは

「私の手を離すよね…」

と自虐からの、伊藤沙紗莉さんの反応をうかがう
ような人だと思います。

母か 叔母か

結局はどちらをとるか?という質問なのだと思います。

この質問に対して伊藤紗莉さんは答えを出しています。

母と叔母が2人同時にピンチなら2人とも助ける。
助けられるかどうかではなく、2人同時に
助けるしか私には選択肢がないから。

と答えると思います。

僕の書いたことは、ほんの一部です。
本書の魅力は

文字から滲む伊藤紗莉の感情や情熱です。

芸能人本だと思って軽い気持ちで聞き始めたのですが
とても良書でした。


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