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純喫茶トルンカ

アクセスありがとうございます。
越路つぐみです。


純喫茶トルンカ。
この本に出会ったとき、私は疲れ果てていた。
本を読もうと本を開くことはできるが、読み進めていっても内容が理解できない。日本語で書いてあることもわかる、文字を読むこともできる。
でも何が書いてあるのかわからない。そんな感覚でいた。

しばらく本と距離を置いて復帰を考え始めたころ、ふと思いついた。
幸せになれそうな、素敵な本を読もう。
目を閉じたら景色が浮かぶような、香りも漂ってくるようなもの。
文字を読むだけで、何かを感じ取れる本がいいな…とぼんやりと、書店で歩いていた時に、この本に出会った。


舞台はトルンカという喫茶店。
今どきのカフェではなくて、昔ながらの喫茶店。
ある商店街の路地裏にひっそりとある喫茶店。

トルンカの人たちは、いろんなものを持っている。
オリジナリティをもって世界で生きている。
変わらないものは、トルンカがあるということ。

トルンカはいったい彼らにとって何なのだろう。
トルンカで何が生まれていくのだろう。
そしてトルンカで何を失っていくのだろう。
そしてどこに向かうのだろう。


私がいちいち考えすぎなくても、彼らは自分で物語を紡いで、自分らしい毎日を生きる。そこにトルンカがある。
それがなんだかとてもほっとした。



「ゆるゆるいきゃいいわね」と、硬い何かがスッと流れた1冊。
「まぁ人生いろいろあるよね」っていうのもあるかな。

間違いなく、私を変えてくれた1冊です。



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