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活用されていない幾つかのスペースと活用されるゴミの話

5月14日 くもりのち晴れ

本日のBGM David Benoit


新緑もぐんぐん伸びる盛りで
母が庚申窯前の木を切っておりました。

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庚申窯にはポテンシャルが高いのに
メンバーたちの無精により
活用しきれていない幾つかのスペースがございまして
そのうちの一つが こちらのガラスのショーケース。

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前に生えてる木の方が目立つので
このショーケースがあることを
来た人のほとんどが気づかないと言う体たらくです。
いいかげんバッサリ行っとこうと思ったようで
私も少しだけ手伝って
一応中が見えるようになりました。

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ただこのガラスが太陽ののぼる方向と
正対しておって、普段は真っ白に反射して
やはり中が見えないので
フル活用への道は遠いですね。

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まとめると結構な量に。
庚申窯ではそのまま裏で燃やせるので
ゴミ問題にはなりません。
燃やした灰で釉薬も作れるしね。


そして昨日の続きでくすりかけを日中していて
今日の主なうつわはこの2種類。

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この2つ分の写真を撮ったら
写真の量がとても多くなったので
今回は小皿の釉薬のかけ方だけご紹介します。

その小皿の釉薬をかけるのに使う器具がこちら。

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中世の拷問器具のような いかつい見た目なので
青空バックで爽やかさを補っておきました。

これ名前なんていうのか わかんないのですが
こんな風に素焼きの小皿を挟みまして

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釉薬の中へ浸けてしまいます。
この釉薬はナンバー6の
水色とかピンクとかになる釉薬です。
釉薬の時はこんな感じですね。

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こういうお皿だと、普段は
指でお皿を掴んで、手のひらごと
釉薬の中へダイブするのですが、
それをやると指で掴んだ部分の釉薬が
多くなって そこだけ色が濃くなります


今回の小皿は卸(おろし)用なので
あまり指の跡と分かってしまうのは好まれず、
この拷問器具を使っている次第です。

まあこの掛け方でも釉薬の濃さにムラができて
多少の色の揺らぎが出ますが、
それはまあなんというか
いい感じの手作り感で、
ガチの天然だとうっとうしいけど
ちょうどいい具合の天然キャラなら可愛いみたいな
そういう感じです。

計算と気遣いが必要なんですね。


釉薬をかけた後がこんな感じ。

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爪の痕が3か所と液ダレのたまりがありますね。

釉薬にもいろいろタイプがあるので
このくらいの液ダレでも そこだけ色が濃くなる釉薬もあれば
あるいは全く分からなくなる釉薬もあります。

この釉薬はどちらかというと色が濃くなる方なので
この液ダレ部分は「ちょうどいい具合に」
削ってあげる必要があります。

まずこの爪痕は指で揉んであげると馴染んでくれます。

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指で揉んで馴染むかどうかも
釉薬のタイプで異なりますが、
この釉薬なら割と融通が効くので
このやり方で大丈夫ですね。

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次に液ダレの部分は
このプラッチック製のナイフで削ります。

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これは使い捨ての食事用のナイフだと思いますが
このプラスチックの硬さがちょうどよく、
私が大変愛用しているゴミになります。
このゴミがなくなってしまうととても悲しいですね。
これからも大事にしたいと思います。

んでこのナイフの刃の部分で
液ダレのたまりを他の面より
少しだけ厚いくらいにまで削ってあげます。

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この後の写真を撮ってなかったみたいなので
ここまでですが、このやり方とは他に
前回出てきたコンプレッサーを使って
釉薬を均一にかけるやり方もあります。
完全さを求めるなら
コンプレッサーの方がいいかもしれませんね。


私の釉薬のかけ方では
ほぼ必ずコンプレッサーの出番が来るので
使わずに済むなら
コンプレッサーなしの方法を選択しております。
ということで
この小皿のくすりかけは まだ終わっていなくて
上から別の釉薬をコンプレッサーで
かけることになりますが
それはまた明日。


おれ

高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目


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