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~就活の違和感①~ 優秀さ

はじめまして

いくつかの会社で、採用担当者を何年かやっている中で、あれっと「違和感」を感じた言葉がいくつかありました。

そんな違和感を、自分の中で言語化してみようかなと思い、noteに綴ります。

あくまで、私の主観ですので、そういう考え方もあるんだろうなという感覚でご覧ください。

第一回は「優秀」という言葉についてです。


1、「優秀」という言葉が就活で使われやすい理由

この時代にあって、まだまだ大きい会社に入って、「まあまあ良い給与」「まぁまぁ良い福利厚生」「あると嬉しい退職金」などを主眼において、所謂、大企業に行きたいと願う学生さんが多いと聞きます。

では、一般的に、大企業の採用活動とは、どのように行われているのでしょうか?

それは、募集人数と採用人数を見ると答えが見えてきます。

新聞に出てくるような人気企業では、100人の募集人数に対して、5万人もの募集があったりします。

これで、倍率500倍!!!!

書類選考で、95%の47,500人が落ちるとしても、2,500人もの人を面接しなければならない計算になります。

大きい企業で、人を見る目が肥えている採用担当者が25人いるとします(そんなにいる会社も少ないですが。。。)

25人で2,500の面接。。。

一人100人を面接するなんて不可能ですよね。

そんな時に出てくる都合の良い言葉が「全社採用」という言葉で、各部門のマネジメントなどが面接に駆り出されます。

勿論、彼らは現部署ではプロかもしれませんが、採用という局面で人を良さを引き出す・そのうえで人を見極めることにおいては素人です。

その素人たちに、分かりやすく人を見極めてもらうための手段として、人事部が作り出すものが「採用基準」なるものです。

一般的に、「思考力」「実行力」「人を巻き込む力」みたいなものを分解し人を評価する。

それによって、評価された人が「優秀」と定義されるのです。


2、「優秀さ」の定義付けから始まる思考停止の罠

上記で、「優秀」という言葉が使われやすい理由を解説してみました。

察しが良い方はわかると思いますが、この時点でいくつかの違和感が産まれてきます。

・「優秀さ」の判断軸ってその3つだけなの?

・今の時代に求められる「優秀さ」と、これから求められる「優秀さ」って違くない?

・面接だけで「優秀さ」って判断できるの?

・そもそも「優秀って何よ?」

などなど・・・


多くの採用担当者がそんな違和感を持ちつつも、沢山の学生がエントリーしてくれるし、何とか捌かなきゃいけないしという理由をつけて、優秀さを定義し効率的に採用活動を続けている企業が多いのではないでしょうか?

でも、これって怖いですよね。

将来の社会環境・顧客ニーズの変化に合わせて、会社も変わっていかなければならない。

その時の原動力は、間違いなく「人」であり、その「人」に求められる資質・能力・スキル・知識は変わって当然。

その本質に向き合わず、盲目的に採用活動を進める会社には不安を覚えます。

また、学生さんも馬鹿じゃありません。なんとなく、採用基準を見透かしてくると、その基準に寄せた自分を表現しがちです。結果として生まれるのは単なる「コモディティ」であり「就活小僧」であり、自分本来の良さを表現することは出来ません。


3、じゃあ、「優秀さ」ってどうやって見極めたらよいのよ?

これは、あくまで私の主観ですが、そのそも面接官は神様じゃないので、本当の意味で人を見極めることなど不可能です。

更にいうと、社会環境や会社の将来を予測し、将来求められる人材の資質・能力・スキル・知識を今から見極めることなどできません。

じゃあ、何を基準として採用すべきか否かを判断するか?

それは、「自分の中で如何にその人の良さを言語化できるか、言語化しようと努力するかの総量」で決まります。

結局、会社に入れるという行為自体に大した意味はなく、結局は会社に入った後に、いかにその人の成長に寄り添ってあげられるかの方がよっぽど大切です。

その時に、誰かが決めた採用基準で会社に入ってきた人と、自分が最大限その人の良さを信じ・言語化する努力した人では、熱量が全く異なります。

多くの会社の人事採用担当者の方には、相手の良さを言語化する勇気を。

学生さんには面接官に寄せず、ありのままの自分を表現する勇気をもってほしいと思います。

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