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悲しみの中で怒りにふるえる

 16歳になった犬の健康状態があと数ヶ月で安楽死させてあげなくてはならなくなるだろうとわかったのが昨日。心にポッカリと穴が空いている身に、
まさかもう一つポッカリと穴が空くとは思っても見なかった。
 さすがに今日は何も手がつかず、洗濯をして食事をし、あとはただ座っていた。犬はいつものようにご飯を喜んで食べて、足りませんけど!と元気にアピールした後は、これまたいつものようにまどろみと昼寝で過ごす老犬スタイルで、術後の経過は良好である。

実母からの電話

 以前「歪なハート」で書いたように、母は父の3回忌の挨拶で「娘には長野に帰ってきてもらって、孫と一緒に旧姓に戻ってもらって仏壇とお墓を引継いで欲しい」と皆の前でいきなり挨拶した人だ。宴席を遠慮する彼をどうしてもと引っ張り出してきた挙げ句にコレだった。

 今日の電話はコロナワクチンの接種券が来たら◯◯医院なら電話で頼めば打ってくれるそうだというお得情報を前フリにして、実家に顔を出せという遠回しな命令だった。もう正直に気持を伝えるしかない。
私「私はもうあなたに会えないでしょう。ずっと一緒に生活して仕事をしているのを知っていて私と彼を引き離そうとしたクセに。」
母「私はそんな事を言っていない。あんた達が二人で頑張ってるのを知ってるんだから。」
私「じゃぁ、◯子(私の親友)がどうして私を慌てて抑えて、妹が目配せしてきたの。皆が聞いてるのにそんな事を良く言えるね。だいたい、手紙で相談するとかもなく、意見もいえない状況で一方的に言うことじゃないし、どれだけショックで無念なまま亡くなったと思ってるの」
母「ごめんねぇ~。だって死んじゃうなんて思わなかったし。」
 待ち合わせにちょっと遅れて来たようなごめんねだった。しかたがないので電話を切った。

直ぐに家電が鳴った。
私「もう電話を掛けて来ないで。謝っても無念な思いのままで亡くなった彼には届かない。私が彼に何度謝っても、もう彼には聞こえない」
そこまで言って電話を切った。怒りで受話器を持つ手が震えていた。

どうゆう神経の構造をしていたら、それが真実でないとわかっている本人を目の前にして嘘がつけるんだろう。
 「そうだったんだ。私、勘違いしていたわ」と納得するだろうと思うのだろうか? 

やっちまった...。

 振り返ると息子が黙って聞いていた。「あの状況では、誰でもお母さんと同じように思ってるよ」とだけ言った。

私にとっての毒親でも、孫と祖母の立場では関係は違うだろうと一線を引いていたのを完全に忘れていた。手遅れだと思いつつ、フォローする気にもならない。もういいや。なんでもいいや。

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