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キズナ

2018年5月27日
床屋さんにこんなことを言われた。
「小中の友達は一時、高校の友達は一生」
自分にもいつか分かるのかな?

片付けをしていて見つけた5年前の手帳にはそんなことが書かれていた。思い返せばその床屋も3年前に店主の病気により閉店。それ以降僕は行きつけの床屋は無い。
そういえば髪も伸びてきたなと言いながら、ネットで学割のある適当な床屋を翌日に予約して片付けを続けた。

翌日、自転車で床屋に向かう途中、ある家の前でペダルを漕ぐのをやめた。
「古書くんか?」
「あ、竜くんじゃんか!」
ここは幼馴染の家の前だった。そこから互いの近況を伝えあった。思い出話にも花が咲いた。彼は囲碁仲間でもあり、近隣地区の大会でよく表彰台を独占した、いわば戦友である。話し込んでいると、床屋の予約時間を過ぎていた。床屋に謝り倒したのはいうまでもない…

小学5年生の従兄弟に聞くと、今はクラスメイトの大半がスマホを持っていて、いつでも連絡ができるらしい。
もしかしたら近い将来、「小中の友達は一時、高校時代の友達は一生」なんていうことも言われなくなるかもしれない。

でも、今だから言えることがある。
付き合いこそ無くなっても、小中時代の友達との思い出やキズナは一生モノなんだと。


*このコラムはフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
(今回も画像はみんなのフォトギャラリーよりお借りしました。素敵なイラストですね☺️)

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