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【ため息】

何だかこれを書き始めて1週間も経たないのにひどく疲れた。

自分の幼い頃の記憶を思い出すのは辛い。

明後日は週に一度のカウンセリングの日だ。

私は19歳の頃からひどい不眠に悩まされ、今でも毎日欠かさず大量の眠剤を飲んでいる。
それを飲んでも眠れない日もある。夜中2時までに寝れたら御の字だ。3時はまだ許容範囲内だ。4時をまわると嫌な予感がしてくる。5時になるとだんだん死にたくなってくる。

自殺は明け方が多いと聞いたことがある。とてもその気持ち、分かります。

でもダメだ、まだ死ねない。やり残した事がたくさんある。

最近新しい曲の譜読みを始めた。昔中学生くらいの時、地元のK先生にやってみるか?と聞かれたが、イマイチピンとこず、ショパンの幻想即興曲の方を選んだ。いつか弾きたいと楽譜だけ学生の時に買ったまま眠っていた。

リスト作曲の『ため息』だ。ツェルニー40番くらいの段階で充分弾けると言われたが、中々難しい。特に40を過ぎてからの譜読みは若い頃のそれとまた違った難しさを感じる。

この曲はショパンエチュードのOp.25-1『エオリアンハープ』と同じくらい好きな曲なんだ。

色々なピアニストの『ため息』を聴いたが、フジコヘミングさんが弾いている『ため息』が1番好きだ。深い深い海のような愛情深い音がする。
ここ最近は夜になると、フジコさんのCDを聴くか、アシュケナージのノクターンのCDを聴いている。

ため息ってね、みんなはどんなイメージを持ってる?

ため息って別に悪いことばかりじゃない。
ため息をつくと幸せがひとつ逃げていく、とよく聞く。
幸せなときにつくため息、嬉しい時のため息、ホッとした時のため息、泣いて泣いてスッキリした後のため息。

私は何色のため息を弾くだろうか。
リストという作曲家は何を想ってこの『ため息』をかいたのか。

いつの頃からか、音階が、曲が、色を持っているように感じるようになった。ちょうど合唱部の発声練習の伴奏で、来る日も来る日も音階ばかり弾いていた頃だったと思う。
ホ短調はグリーン、ニ長調はイエロー、そんな感じだ。
音が色で聴こえてくることもある。

やっぱり私の頭はどこかおかしいんだろうか。
自分の頭のネジが何本かぶっ飛んでることくらい私でもわかる。

音大時代の友人ともこの話はした事がない。

とあるピアニストの界隈で知り合った、私と同じ星座と血液型を持つ、感性のよく似た友人から先月”サンキャッチャー“というキラキラ光る贈り物をもらった。

1番上に虹色のちょうちょ、その下に7色の綺麗な色の石がグラデーションのように並び、1番下に大きな透明のクリスタルがぶら下がっている。

朝起きて、彼女からもらったサンキャッチャーを眺める。今日の私はパープルだ、と毎日その時の気分で色を確かめる。

さて、リストの『ため息』の譜読みの続きをしよう。1日1小節でも前に進めばOKという事にしている。大人のピアノは急いでやる必要はない。まだノロノロ運転だ。何の曲を弾いているのか自分でもわからないくらい、ゆっくりゆっくり練習する。

この曲を仕上がるのに最低でも半年はかかりそうだ、もしかしたら1年かかるかもしれない。

何色のため息に仕上がるのか、今から楽しみだ。

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