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おおきな木

1964年にアメリカで出版され、これまでに30カ国以上の言語に翻訳されてきた絵本です。この「おおきな木」は村上春樹さんが翻訳をした絵本です。

短い言葉でシンプルなお話なのですが、奥が深くて考えさせられます。一度では理解しきれないので何度も読んでいますが、まだまだ読みたりません。時間を置いて読んでみると違った考えが浮かびそうです。

登場人物は仲良しな木と少年。いつも一緒に遊んでいますが、月日は流れ、少年は成長していきます。だんだん木ではなく、恋人と遊ぶようになり、木の所には来なくなります。久しぶりに会えたと思ったら「お金が欲しい」と言われ、木はりんごを売るように言います。しばらくすると少年は「家が欲しい」と言って木は枝を切って家の材料にするように言います。またしばらくすると少年は「船にのって遠くへ行きたい」と言い、木は幹を使って船を作るように言います。最後には切り株になってしまった木の元に少年がやってきます。もう少年は何も求めておらず、ただ休みたい、とのことだったので、木は喜んで切り株に少年を座らせます。

少年の要望の全てを受け入れてなんでも与えてしまう木を見ていると、かわいそうに見えてきますが、親の視点から見るとわかる気もします。

度々、必要になると思い出したかのように木の元に来る少年が、今の私に重なります。親の元にふらっと行ってご飯を食べさせてもらったり、ついつい甘えてしまいます。ゆっくりすることもできず、バタバタと帰ってしまっているので反省しています。

自分はこの登場人物の木でもあり、少年でもあり、考えさせられることが多くあります。子ども用というよりも、大人が読む絵本として何度も読んでいきたいです。

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