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言葉の鬼ごっこ

チョコレート食べたのにさ

全然どうにもならんのだよ

そんなぼやきを聞いていた友人が

それは、クレハさん、チョコレートに全信頼を置きすぎですよ

と言われて笑った

そうか、わたしはチョコレートに全信頼を置いていたのか

信頼と言うか、信仰に近いな、もう

なんてことを思った

これがあれば大丈夫というお守り的なものが

いつの間にか信仰の対象になっていたりする

そこには、思考の止まるプロセスがある

この人が言っていることだから信頼できる

この雑誌に書いてあることだから信じていい

これを食べれば百人力

そんなものは、本当はない

この制度があれば助かる

この薬を飲めば治る

それも、本当はない

わたしたちは生きていて

常に流れて動いているから

感情も思考も衝動も情動も欲望も細胞も

常に死んでは生まれているから

チョコレートを食べたからと言って

わたしの情緒が安定するなんてことは

もう化石のような過去の出来事だ

どう流れていて

今、どこに居て

なにを考え、どこを向いているのか

変容し続けることをおそれずに

言葉にしてみる

口に出した瞬間、変わってしまう言葉に

もう過去になってしまう言葉に

追いかける

言葉を言葉で

追いかけ続ける

追いかけ続ける

からだがここにある限り

追いかけ続ける

追いかけ続ける

言葉を言葉で

追いかけ続ける

追いかけ続ける

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