Bリーグ2023-24シーズン第31節京都ハンナリーズ対長崎ヴェルカの個人的な試合展望
リーグ戦も残り10試合。いよいよラストスパートの戦いが続きます
1試合1試合がチームや個人の選手がこれから築く未来にも繋がります
ホームの京都はかたおかアリーナでの試合は今節含めて残り2試合
特に今季はブースターの熱狂で多くの後押しをしてくれた会場で勝利を飾り連敗ストップを狙います
長崎はアウェイ北海道からの連戦。移動やコンディション調整は難しさもあるかもしれませんが年明け初の連勝を狙って戦います
同地区同士の対決。今季は2度目の対戦ですが、前回は長崎のホームゲームで京都が勝利し連敗を止めました
京都はその再現なるか?それとも、長崎が勝利をして連勝を飾るか?
今季の最終戦も京都VS長崎となる予定です(5月5日・6日)一戦一戦が重要になる終盤。怪我無く熱い試合に期待しましょう
解説:岡田 優さん
実況:能政夕介
※加執・修正の可能性もあります
両チームの今季と前節について(4/9時点)30節終了時点
京都ハンナリーズ【平均76.3得点(リーグ17位)平均84.2失点(リーグ21位)】13勝37敗で西地区8位(9連敗中)
前節はアウェイ戦SR渋谷と対戦。両日接戦の末悔しい敗戦となった
それでも佐賀戦からマインドセットの面でも変化があったように感じる一戦だった
ただ、チームとしても見ているブースターからも「惜しい試合」ではなく「勝ち切る試合」をしたいところでもある
渋谷戦のGAME1ではエースの岡田が3Pを8/11沈めるなど大爆発の28得点を記録。ただ、前半11点のリードを守り切れずに悔しい敗戦となった
GAME2は前日と同じくペイントエリアを支配しながら得点を重ねていく。3Qまで接戦を繰り広げたが4Qで差をつけられ連敗ストップとはならなかった
それでもGAME1からGAME2での変化・進化もある
ペイントエリアの得点は両日40点を超え、TOも15→10に改善
GAME1は岡田とCJが主軸となり得点は2人が主だったが、GAME2は4人が2桁得点を記録するなど、得点の分散も見えた
それでも勝ち切れなかった事実を、どう分析して修正を図るかは注目したい
今季はインサイドで強みを発揮し、リバウンドで優位性を保つもTOからの失点を含めて失点が平均84.2失点(リーグ21位)と多くなっている
佐賀戦、渋谷戦と後半のマネジメントについても課題が続いている
パンチファーストが上手くいった直近の試合の良い部分は残しつつ、チームとしてのマネジメントを中2日だが、しっかりと修正してホームで勝ち切る部分に期待したい
長崎ヴェルカ【平均80.9得点(リーグ8位)平均84.3失点(リーグ22位)】20勝30敗で西地区7位
前節の北海道戦はGAME1,GAME2で異なる展開となった。島根戦のGAME2は4点差の惜敗。そして北海道GAME1では粘りを見せるもあと一歩届かず3点差の敗戦となった
それでもGAME2切り替えて臨んだ長崎は前半から外のシュートを積極的に放ち2桁リードを奪って折り返す
連戦という部分もありメンバー交代も積極的に行いながらも、新加入のエヴァンスが制空権を勝ち取りインサイド、更には高い身体能力で得点も量産
得意のファストブレイクでの加点は6点に留まるも、長崎はペースをしっかりと維持しながら21点差で北海道の得点を65点に抑え勝利。連敗は2でストップし、連勝を狙う今節京都戦どんな戦いを見せてくれるか注目したい
長崎はGAME1途中に荒谷が負傷。今季チームを引っ張ってきた選手の1人だけに影響は大きかったが、両日共にチーム全員でファイトした。アウェイ連戦、移動も含めてコンディション調整は簡単ではないが、残り10試合怪我なくできる限りフレッシュな状態で戦う姿を見たい
今季の長崎はヴェルカスタイルという攻守に激しく、早い展開のバスケットでB1初年度ながら既に20勝をマークしている
日本代表の馬場選手が注目もされるが、長崎をB3からB1まで引き上げた功労者たちが長くプレーし、チームとしてのスタイルも確立できている印象だ
得点面では今季平均80.9点でリーグ8位。一方で失点面では84.3失点とリーグ22位という結果になっている
早い切り替えで得点を決め流れをつくる事ができれば自分たち優位に試合を運ぶ事もできるが、当然そのポゼッションを決めきれるかによっても展開は変わってくる
長崎は1試合平均でのポゼッションはリーグ1位の76.5回を記録
スティール数も平均7.7回でリーグ2位の成績を誇り、相手のTOやファストブレイクから得点を記録している
自分たちの良さを連戦の中で出し切れるか。楽しみにしたいところです
両チームのメンバー編成
京都ハンナリーズ
HC:ロイ・ラナ(2年目)
■選手(継続)
水野幹太
小西聖也
マシュー・ライト
青木龍史
■新加入(IN)
岡田侑大(信州から加入)
前田悟(川崎から加入)→現在負傷中
澁田怜音(新潟から加入)
チャールズ・ジャクソン(横浜から加入)
ラシード ファラーズ(千葉から加入)
ケビン・ジョーンズ(SR渋谷から加入)
半澤凌太(三遠から加入)
鈴木悠介(山形から加入)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入)
シェック・ディアロ(NBA復帰から再加入)11月にリリースあり12月の島根戦で復帰
■他チームへ移籍、引退、契約満了など
ジェロード・ユトフ(横浜へ移籍)
小澤智将(横浜エクセレンスへ移籍)
久保田義章(三河へ移籍)
満田丈太郎(福井へ移籍)
トビンマーカス海舟(千葉へ移籍)
ザック・モーア(アースフレンズ東京Zへ移籍)
益子拓己(川崎に練習生として参加)
小室昂大(東京八王子へ移籍)
エペウドゥ(引退)
ステイシー・デイヴィス(NBA G Leagueから加入→新潟へ)
長崎ヴェルカ
HC:前田健滋朗(2年目)
■選手(継続)
松本健児リオン
小針幸也
狩俣昌也
マットボンズ
髙比良寛治
野口大介
榎田拓真
■新加入(IN)
森川正明(横浜BCから加入)
荒谷裕秀(宇都宮から加入)
チャンミンクク(韓国のクラブから加入)
ジャレル・ブラントリー(オーストラリアのクラブから加入)
馬場雄大
木林優(12/29に特別指定選手として加入発表)
ディクソンジュニアタリキ(熊本より再加入)
ジェレミーエヴァンス(3/19に契約)(アル・マナーマ(バーレーン)(2022-23)でプレー)
■他チームへ移籍、引退、契約満了など
松井智哉(鹿児島へ移籍)
山本エドワード(香川へ移籍)
ウィタカケンタ(鹿児島へ移籍)
山崎凛(滋賀へ移籍)
パブロ・アギラール(福岡へ移籍)
近藤崚太(東京Zへ移籍)
ジョーダン・ヘディング
デボーンワシントン(1/30に加入発表→その後契約解除に)過去信州や仙台、新潟でもプレー経験
ニック・パーキンズ(イタリアのクラブから加入)→3/26契約解除もコーチとして引き続きチームに帯同
両チームの縁としては
岡田と狩俣、森川は三河で共にプレー(狩俣とは2018年、森川とは2018-20)
半澤と木林は筑波大学で共にプレー(半澤が2年先輩)馬場とは大学時代一緒にプレーはしていないが同じく筑波大学の先輩にあたる
共にプレーしている経験はなくとも、対戦経験などもある選手もいる。コート内外でどんなコミュニケーションを図るかも楽しみにしたい
過去の対戦成績(京都1勝)リーグのみ
今季からB1で戦う長崎。京都との対戦経験は1月の水曜ナイトゲーム1度のみ
その時は81-75で京都が勝利をかざった
1/17に行われた試合の際京都は3連敗中。長崎は信州戦で勝利を飾り、連勝を狙って戦った一戦だった
前半はホームの長崎が6点をリード。前半だけで7つのスティールを奪い、京都は10のTOを喫した
後半はライトの3本の3Pに小西が献身的な守備を見せて京都が3Qに流れを引き寄せて接戦をモノにした
長崎のテンポに付き合う形になった京都だが、最終的にはチームとして9本の3Pを成功させ、インサイドも優位性を保ち勝利を飾った
この試合京都はライトが3P5本を含む24得点を記録。ジョーンズも3Pを3本沈め15得点。チャールズジャクソンはインサイドで存在感を発揮し19得点を記録した
一方長崎では馬場、ボンズ、ブラントリー、小針が2桁得点を記録。特に馬場はチーム最多の17得点を記録し、5つのスティールも奪った
チームとしては13のスティールを奪い、ファストブレイクで21得点を取るなどしっかりと形をつくっていたが、京都も相手のミスを見逃さず相手のTOからしっかりと3Pで得点を記録した
今季2度目の対戦となる水曜ナイトゲーム。更には京都にとってホーム最終戦の相手は長崎。どんな戦いを見せてくれるか注目したい
個人的な見どころ
今季2度目の対戦となる両チームだが、前節も接戦となり最後まで勝負の行方は分からなかった。終盤の緊張感あるFTなど記憶に残っている方もいるかもしれない
前節共にアウェイ戦となった週末の試合
京都は連敗を止める事はできなかったが、5試合ぶりのホーム戦で連敗を止めたい一戦
長崎はアウェイ戦かつ北海道というところもあり、移動やコンディション調整など難しい部分もあるかもしれない
その中で注目したいの以下の3点だ
①コンディション調整とゲームシェア
②京都は長崎の試合テンポに付き合うか?
③鍵を握る立ち上がりとゲームクローズ
①コンディション調整とゲームシェア
残り10試合はタフな戦いが続く、更にこの終盤は今節同様に同地区対決が続きます
京都は前節振り返っても勝ち切りたかった試合が続いた事もあり、プレータイムのシェアをしきれなかった部分もある
連戦が続く中で、今季プレータイムを伸ばしている選手はもちろん、各試合で機会をもらった選手が短い時間の中でも存在感を出せるかも重要になってくる
長崎は荒谷の負傷はチームにとって影響はあるが、両日プレータイムをシェアしながら全員バスケでGAME2はしっかりと勝ち切った
それでも、島根戦のGAME2と前節のGAME1で接戦を落とした悔しさをしっかりと改善していきたい
京都は直近の5試合で見れば3試合で前半のリードを奪う事ができている
ただ、勝利をした3/3の仙台戦以来、連敗中全ての試合で後半は相手チームに上回られている。良い入りに加えて、そのリードをしっかりと保てるような流れをつくれるか注目したい
長崎は直近の4試合は後半だけの得点は相手チームを上回っている
実際に島根戦のGAME1は逆転勝利を飾り、北海道戦のGAME1はあと一歩まで相手を追い詰めた。粘り強さと、勝ち切る自信をつける事ができれば、残り試合で勝利をより多く積むことができるかもしれない
②京都は長崎の試合テンポに付き合うか?
試合の展開で見ると、長崎は前述した通りプレー展開の早いバスケットを展開しながら確実に攻守での成功確率を上げる事ができるかだ
一方京都は長崎のテンポに対してどのような策を講じてくるか。同じように自分たちもハイテンポのバスケットに付き合うのか?それとも、オフェンスの組み立てやタイムシェア、DFについてもマンツーマンやゾーンを使って相手のオフェンスを困らせる事ができるか
こうしたHCの手腕に加えて、コート内で選手たちがその戦術を体現できるかどうか楽しみにしたい
長崎はハードな守備も持ち味なだけに、京都はTOをすることなく、冷静にゴールに迫りたい。加えて優位性のあるリバウンドも生かしたい点の1つだ
ただ、長崎は身体能力の高いジェレミー・エヴァンスが加入しておりインサイドは攻守で前回の対戦から変化を伴っている
京都はオフェンス面で長崎のテンポに付き合うのか?そして守備の部分では、相手の良さを出させない、遅らせる守備を長い時間取り組みたい
一方の長崎は攻守において、自分たちの良さが出せる時間を1秒でも長く展開できるかどうか?特に誰が出ても、そのクオリティーを担保できるかが重要になりそうだ
③鍵を握る立ち上がりとゲームクローズ
京都は直近の試合を見ていても特に立ち上がりはエナジーをプレーの中で見せてくれている
チームとしても「パンチファースト」という言葉出るように、相手に対して臆する事なく自分たちのバスケットを早い段階から見せていこうとする気持ちが見える
京都の課題は後半のゲームマネジメントが1つ挙がるかもしれない。とはいえ、疲労度、相手チームとの駆け引きなど多くの要因が起因する中で、試合中にアジャストできるかどうか。これはコーチ陣だけではなく、コートの中の選手同士でのコミュニケーションも重要になってくる
とはいえ、惜しい試合からのステップアップを見せていきたい一戦だ。9連敗を止めるために、良い試合の入りを見せる事。そして、リードを上手く守り切れるような試合運びを見せていきたい
一方長崎は前節の北海道戦GAME2に見せた試合の入りを継続させたい
もちろんアウトサイドのシュート確率は様々な要因はあるかもしれないが、気持ちよくシュートを打てる環境をつくるための攻守を入りの部分から見せていきたい
攻撃的なバスケットが注目されがちだが、長崎のスタイルの中で欠かせない1つにスティールという積極的な守備がある。この守備を1つのスイッチとしているところもあるので、タフな日程ではあるが、良い入りを見せていきたい
前節も小針が積極的な守備から相手にバックコートバイオレーションを与える場面もあった。ボールを奪うだけではなく、相手のプレー機会を奪う守備を試合トータルでやり切れるか楽しみにしていきたい
水曜ナイトゲームは今節含めて残り2回のみ
選手にとっては厳しい連戦とはなるが、平日にしかバスケットを楽しめない方もいる中で、どんな一戦を見せてくれるのか?
是非現地、そしてバスケットLIVEなどでお楽しみください・・・!
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