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2024明治安田J1リーグ第14節ヴィッセル神戸対アビスパ福岡の個人的な見どころを紹介

5月15日は「Jリーグの日」です

1993年(平成5年)、日本のプロサッカーリーグであるJリーグが開幕した5月15日

連戦が続く中ですが、特別な1日に勝利を飾りたい両チーム

ホームの神戸は前節アウェイの地で勝ち点3を手にし首位に立った
新潟戦から8名メンバーを入れ替え、サブから出てきたメンバーも得点を奪い結果的には4-1で勝利をおさめアウェイ戦今季負けなし、そしてリーグ戦今季初の3連勝を飾った

一方の福岡は現在リーグ戦8試合負けなし。引き分けがやや多くはなっているが、前節は今季初の3得点を記録。何より昨季負傷した佐藤が復帰後初得点を記録した

安定した守備と、ゲームクローズができるチームなだけに、ここから更に勝ち点を積んで上位を目指したい

週末からの連戦。更に、また週末に試合があり両チームカップ戦もまた控えている。5月は連戦が続くだけに、チームでの総合力・競争力が必要になってくる
その中で熱い好ゲームに期待しましょう

(J1リーグ 解説:加地 亮さん リポーター:藤原美佳さん 実況:能政夕介)※追記、修正の可能性あります

順位と前節の振り返り(2024/5/13時点)(リーグ戦のみ)

ヴィッセル神戸:8勝2分3敗 勝ち点26の首位  23得点 10失点(+13)

勝ち点差はわずかに「3」関西を拠点に置くセレッソ大阪とヴィッセル神戸の一戦は負けらない両チームの一戦だった

ヨドコウ桜スタジアムには開幕戦を超えるサポーターの方が集った

神戸は大迫、武藤、酒井、山口も先発に名を連ね、連戦という事もあり8名メンバーを入れ替えて臨んだ

立ち上がりはお互いに良さを出しつつも、次第にセレッソ大阪がペースを握る。神戸の左サイドを多くの人数をかけて攻略しゴールに迫る場面を見せた

ただ、神戸もセレッソ大阪の攻撃を凌ぐと前半の終盤に大迫のポストプレーから武藤、山口と繋いで先制ゴールを記録

そして更に前半終了間際に扇原のFKから武藤が折り返して、本多が加入後初ゴールをマークし前半を2点リードで折り返す

セレッソ大阪は良い時間もあったが、ゴールに結びつけることができず、後半はメンバーを入れ替えてギアチェンジを試みた
そのセレッソ大阪の思惑を、再びセットプレーから神戸は崩していく
扇原のCKをファーに構えた大迫が下がりながらヘディングシュートでゴールを決めて3-0とリードを広げます

セレッソ大阪も、徐々にSBも可変して中央とサイドの連携を深めて神戸陣内まで攻め込む時間を増やす。その中で泥臭く、ルーカスフェルナンデスからレオセアラが仕上げて1点を返します

ただ神戸はその後佐々木、宮代、井手口、初瀬と投入し、オープンな展開になった際にカウンターから宮代が冷静にゴールを決めて4-1と、欲しい時間帯にゴールを決めてアウェイセレッソ大阪戦で10年ぶりに勝利を飾った

2024明治安田J1リーグC大阪VS神戸の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

アビスパ福岡:4勝7分2敗 勝ち点19の9位  13得点 12失点(+1)

福岡はアウェイで京都と対戦。川崎戦からは8名メンバーを入れ替えて臨んだ
ジャハブ ザヘディを前線で起用、松岡・田代・奈良の3人以外はメンバーを入れ替えて臨んだ

立ち上がりからお互いに強度の高いプレーを見せる
序盤に京都はサイドからの突破でチャンスをつくるも、シュートは枠を捉えず

逆に福岡もセットプレーから冷静に佐藤がヘディングシュートを放つもGKの正面に。しかし試合は前半の内に得点が動く
福岡は村上のキックに対して、少し競り合いでボールが流れたところをザヘディが抜け出す。冷静に中の佐藤に流し込み、得点を決めて1-0

佐藤は負傷後初となる得点を決めて福岡が幸先良く先制に成功した
ただ、京都も失点直後すぐにロングボールから、プレッシャーをかけて波状攻撃、こぼれ球を宮吉が得点を奪いすぐさま同点に追いつく

その後はサイドから京都が攻め込んでチャンスをつくれば、福岡もカウンターから左右を上手く使い湯澤がポストを戦う素晴らしいシュートを放つ
ただ、1-1の後は得点が動かず同点のまま後半へ

後半の立ち上がりに紺野がドリブルで仕掛けてCKを獲得。そのCKを紺野が蹴り入れ、まずは岩崎がシュート。こぼれ球を田代が豪快なボレーシュートを突き刺し勝ち越しに成功し2-1とした

更に得点後に佐藤がプレスでボールを奪い、前が岩崎に展開
岩崎が縦の突破を見せて、クロスを上げると芸術的なボレーシュートで福岡が追加点を挙げて3-1とする

京都も負けじと、リスタートからボールを右サイドに丁寧に繋ぎ、宮吉がクロスを上げる。このクロスに奈良がクリアを試みるも、上手くボールをクリアできず村上の足に当たりそのままゴールへ

京都がオウンゴールを誘発し、得点が生まれ3-2と再び一点差へ

前半同様に得点が動くタイミングでお互いに点を取る展開となった
ただ、その後はお互いに選手交代を含めてチャンスを伺うも、福岡はグローリーを中心に中を固めて決定機をつくらせず

またカウンターからゴールに迫る部分は見せるも追加点を京都は与えなかった
それでも福岡が3-2で勝利し8試合負けなしと、アウェイの地で勝ち点3を積み上げた

2024明治安田J1リーグ京都VS福岡の試合結果(Jリーグ公式HPより引用)

過去の対戦戦績(リーグ戦のみ)

過去の対戦成績はリーグ戦で見ると、神戸の12勝・福岡3勝、引き分けが7回と神戸が上回っている

昨季は2月の開幕戦に神戸ホームで対戦し1-0で神戸が勝利(パトリッキが得点)

そして6月は福岡のホームで対戦し3-0で神戸が勝利(神戸:武藤2得点・大迫が得点を記録)

リーグ戦では2000年の11月以来敗戦なし。ただ、カップ戦では2022年に福岡がホーム・アウェイ共に勝利(その時はジョンマリ・ルキアンが得点を記録)
福岡はリーグ戦2000年以来24年ぶりの対神戸からの勝利を狙う

■所属選手が在籍時にこの対戦カードで得点を決めている選手(リーグのみ)
ヴィッセル神戸:武藤が2得点、パトリッキ、大迫、岩波が得点を記録
アビスパ福岡:なし

■古巣対戦
・ヴィッセル神戸
井手口陽介:2023年に1年間プレー(公式戦32試合プレーしタイトル獲得にも貢献)
初瀬亮:2019年の夏に福岡に加入し9試合プレー

・アビスパ福岡
ウェリントン:2018-19の2年間プレー(公式戦59試合21ゴールを記録)
宮大樹:2018-19の2年間プレー(リーグで16試合プレー)
長谷部監督:1998-2000年は選手として。2006年~15年は指導者として在籍

今シーズンの成績(リーグ戦のみ)

ヴィッセル神戸:8勝2分3敗 勝ち点26の首位  23得点 10失点(+13)

先制試合:7試合 7勝(昨季は先制試合22試合で19勝2分1敗)
先制された試合:4試合 1勝3敗(3節のFC東京戦で今季初の逆転勝利)
スコアレスドロー:4節の広島戦、6節の鳥栖戦(昨季は1試合のみ)

ホーム: 2勝1分3敗 勝ち点7 10得点  7失点 得失点+3
アウェイ: 6勝1分0敗 勝ち点19 13得点  3失点 得失点+10

リーグ戦では9名が得点(宮代6得点、武藤と大迫4得点、佐々木と山口が2得点・汰木・山川・山内・本多が得点を記録)

複数得点:7試合  
複数失点:2試合 
無失点:5試合 
無得点:4試合(昨季は4試合のみ)

<得点>前半に10得点 後半に13得点   
<失点>前半は無失点 後半は10失点
前半開始15分以内に3得点、後半開始15分に5得点と出だしに強い

23得点中セットプレーでの得点は11点の47.8%。大迫直接FKで1得点
初瀬や扇原がFKとCKから起点をつくる(CKから6得点、FKから5得点内1本は直接)
10失点中セットプレーからの失点は3で割合は30%(CKから3失点:FC東京、京都、新潟戦)

アビスパ福岡:4勝7分2敗 勝ち点19の9位  13得点 12失点(+1)

先制試合:7試合 4勝2分1敗(5節浦和戦のみ逆転負け)
先制された試合:3試合 2分1敗(磐田戦、川崎戦は同点に追いつく)
スコアレスドロー:札幌戦、名古屋戦、東京V戦と3度

ホーム: 2勝5分1敗 勝ち点11 8得点  8失点 得失点なし
アウェイ: 2勝2分1敗 勝ち点8 5得点  4失点 得失点+1

リーグ戦では6名が得点(シャハブ ザヘディが6得点、紺野3得点、ウェリントン、松岡、田代、佐藤が得点を記録)

複数得点:2試合(前節今季最多の3得点を記録)
複数失点:4試合 
無失点:6試合 
無得点:3試合

<得点>前半に5得点 後半に8得点   
<失点>前半は6失点 後半は6失点
後半の立ち上がりに5得点と割合が高い。後半30分以降はここまで無失点とゲームクローズが上手い印象

13得点中セットプレーでの得点は1点の7.7%。前節CKから田代が得点を記録

12失点中セットプレーからの失点は2で割合は16.7%(CKから1失点,PKから1失点)

神戸はセットプレーに強みをもっており、前節も4得点の内2得点はセットプレーからゴールを決めた

一方福岡はセットプレーからの失点が非常に少なくここまで2失点のみ
固い試合になる可能性がある中で、セットプレーでの攻防にも注目したい

一方で前節はお互いに3得点以上を奪って勝利を飾っている
連戦が続く中でメンバーを入れ替えながらどのようにマネジメントしていくか注目したい

個人的な見どころ

連戦となる中でスタートのメンバー起用を含めてどのような試合展開になるか楽しみな一戦です

個人的な注目ポイントは以下の3つです

①連戦のメンバー起用。お互いに2節前がベースになる?

②前線からの守備強度で上回れるか&タフな空中戦。CBとカバーが失点を防ぐカギになる

③試合終盤のゲームクローズ。得点が生まれるタイミングも重要に

①連戦のメンバー起用。お互いに2節前がベースになる?
お互いに連戦となる今節。水曜日のナイトゲーム後は更に週末に試合が控えており、翌水曜日はカップ戦も控えている両チーム

神戸はリーグ戦3連勝中。福岡も8試合負けなし(3勝5分けで4月から負けなし継続)と良い流れを継続していきたい。そのためにはメンバー起用は重要なポイントになる

吉田孝行監督率いる神戸は今節積極的なメンバー交代で競争を促しチームに良い循環を生んでいる

新潟戦で大幅にメンバー交代を行い、前節も前川・山川・パトリッキ以外の8人はメンバーを入れ替えた
今節は新潟戦のメンバーが中心になる可能性が高い。前節メンバーから外れた鍬先や山内、飯野をはじめ途中からプレーした宮代・佐々木・井手口・初瀬といった面々が先発起用される可能性が高そうだ

一方で古巣対戦にもなる長谷部茂利監督率いる福岡は同じく前節の京都戦はメンバーを8人入れ替えて臨んだ
こちらも川崎F戦がベースになる一方で、懸念するポイントの1つに選手の累積警告がある

前節京都戦で前選手が今節出場停止となった(川崎戦では重見と松岡がボランチを形成)松岡は運動量豊富なプレーヤーではあるが、この影響もどう出るか注目したい

また、前節の京都戦で田代が累積3枚目の警告となった。現在フルタイム出場を継続しているだけにこの点も考慮していきたい
強度の高い守備と引き換えに現状2枚の累積警告を受けている選手が8人(湯澤・紺野・ウェリントン・宮・前嶋・重見・グローリー・松岡)いる

連戦が続く中で、同一ポジションで累積警告が重なると人選が難しくなる。その点も考慮しながら上手くチームをマネジメントしていきたい

②前線からの守備強度で上回れるか&タフな空中戦。CBとカバーが失点を防ぐカギになる

神戸は前線の3人が積極的に相手にプレスをかけてくる。それは前節の大迫・武藤・パトリッキだけではなく、佐々木や宮代も同様のプレーを見せる

福岡は3バックがベースなのでその点も追い方やカバーなどは異なる部分は出てくるが、神戸は名古屋戦(名古屋は3バック)でもしっかりとプレッシャーをかけながら局地戦で上回り、セットプレーと、ロングボール起点に得点を決めて勝利を掴んだ

どの選手が出てきても、自分たちの強みを生かしながら良い時間帯で相手の守備を上回りたい

福岡も今季失点数が少なく、球際の攻防もアグレッシブだ。そうした相手のハードワークをかいくぐりゴールに迫りたい

一方の福岡は前節シャドーでプレーしていた佐藤と紺野のプレスは非常に効果的に見えた。特に佐藤は献身的に多くのエリアでボールを奪うきっかけをつくった

ただ、前節は佐藤と前線のザヘディと佐藤はフルタイム出場。交代も3名に留まった影響は大きいかもしれない

川崎戦の鶴野・北島も精力的にプレーをしていたので、メンバー交代と仮になってもその強度を落とさずにプレーできるかが得点のカギになりそうだ

神戸の守備サイドは前節山川・トゥーレル共に安定したプレーを見せた
個の部分ではボールを上手く回し、仕掛けの部分で苦しんだ両SBだが、大事なところはしっかりとケアをして失点を1に抑えた

今節は岩波や菊池の出番が可能性としてあるだけに、同じくメンバー交代の中でも徹底している攻守での粘り強さを出して、今季ここまでの堅守を継続していきたい

神戸サイドで見ると山川&トゥーレルは今季多くの空中戦でタフに戦い、6,7割の確率で勝利をおさめている

福岡サイドではグローリーと田代が強く。田代の空中戦勝利数は8割を超えている
そうした強みを生かしながら、空中戦での勝利か、それとも地上から崩しにかかるのか?このあたりの駆け引きにも注目していきたい

③試合終盤のゲームクローズ。得点が生まれるタイミングも重要に
福岡は今季無失点試合が6試合と町田に並びリーグ最多タイとなっている

失点数では神戸の方が少ない(神戸は無失点試合が5試合)が、前半失点が少ない神戸とは違った側面だが、福岡は今季ここまで後半30分以降の失点がない

得点面では後半のスタートから15分以内が最も多く5得点を記録。前半粘り強く戦い、後半でリードを奪ってゲームクローズまでいければ福岡の意図する流れになるかもしれない

一方の神戸は前半は今季ここまで無失点と立ち上がりから集中した守備を継続している

得点面に目を向けると、どの時間帯でも満遍なく得点を記録。ただ福岡と同じく後半開始15分以内が最も多く5得点を記録している

前節のセレッソ大阪戦でも、苦しみながら前半の終盤で2得点。後半の立ち上がりと、試合終了間際での得点と良いタイミングで得点を記録した

福岡は前節今季最多の3得点。更にザヘディ以外の3選手が得点を記録し、加えて今季初セットプレーから得点も生まれるなど好材料も多い
一方で、得点後にすぐさま失点という課題も見られた

リーグ屈指の得点力を誇るチームとしての神戸相手に、自分たちが得意な形で試合を運ぶことができるかどうか

一方の神戸は激しいバトルと両サイドでの攻防も多く予想される中で、自分たちの強みを生かしながら先制点、追加点を奪いながらホームで圧倒する事を目指したい

中3日、特に福岡はアウェイ連戦とハードな環境だが、5/15という特別な日にプレーができる事を幸せに感じつつ、タフでフェアな好ゲームに期待したい

5/15の19時~ノエビアスタジアム神戸で熱戦を是非お楽しみください!



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