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[ヨーロッパ旅行 16]🇫🇷モネに惹かれて

パリ2日目、そして旅行最終日。無計画のまま部屋を出て気づいたらちょうど3週間が経っていました。この日はルーブル美術館に加えて、モネの絵画を見るために2つの美術館を渡り歩くハードスケジュール。バスでの移動に戸惑ったものの、無事目的を達成できて幸せな最終日となりました。

ホテルを出て朝一で向かったのは世界最大級のモネのコレクションを誇るマルモッタン・モネ美術館です。


危うくバスを下ろされるところだった

パリ郊外にあるその美術館まではバスで30分ほど。さすがに徒歩では遠いので初めてフランスの交通機関を使ってみることに。

まずはメトロの改札でチケットを買います。ここまでは順調にいきました。しかしバスに乗り込んでチケットを機械に通そうとした時、「ブー」という嫌なブザー音と共にチケットが吐き出されてきました。運転手さんにはすかさず「No」と言われてしまい焦ります。

フランス語で捲し立てられたので、まずいと思って翻訳を使うと私のチケットは何故か使えないと言うのです。カード決済も出来ないようで、仕方なく手持ちの現金を漁ると片道ギリギリの€2.5が残っていたので行きは何とかなりました。

後で調べるとパリは何段階かのゾーンに区画分けされていて、私が買った券では郊外まで行けないらしいのです。やっぱり海外での交通機関利用は難しい。ユーロも使い切ってしまったし、さて帰りはどうしようか。

バスから見えたエッフェル塔

印象派、モネに惹かれる理由

スケジュールを詰め込んでまで見たかったモネ。そもそもなぜ印象派が好きなのかというとはっきりとしたきっかけはないのですが、一番古い記憶を辿ると小学生頃に行った浜名湖ガーデンパークという地元の公園が思い出されます。確かそこにはモネの池を再現した印象派庭園なる場所があって、そこでモネという庭を描く画家がいたらしいことを知りました。

それから中学校の部活で練習試合に行った学校の廊下に掛かっていた《印象・日の出》が何気無く視界に入って、「ああこの絵はこんなタイトルなんだ」とか思った記憶もあります。最近だと東京の企画展で初めて《睡蓮》を見て「絵に没入する」感覚に陥ったのを覚えています。

そんな感じで特別芸術好きとして育った訳ではない私の記憶にもモネは断片的に存在していて、いつの間にか美術館で見かける度にいいなあと思う様になったのでした。

そんなことをバスに揺られながら考えていると目的地まで着きました。


マルモッタン・モネ美術館 《印象・日の出》

ミュージアムというよりは住宅地の邸宅といった建物。開館前でも先に何人か並んでいました。入場券とオーディオガイドを買って中に入ります。1・2階はラグジュアリーな部の展示で、モネのコレクションは地下にありました。

階段を降りると真っ先に目に飛び込んできたのが、あの赤い太陽、《印象・日の出》です。絵に近づくほどその絵のタッチの大胆さが見えて、「ああ、ここに描かれているのは印象なんだ」と思いました。今度は離れるほど靄がかかった景色のように揺れて綺麗に見えます。私はすっかりその世界観に恍惚として見入っていました。

次のギャラリーは一面《睡蓮》で覆われています。面白いのは同じ題材でも一つ一つの絵から受ける印象が違うこと。中には睡蓮を見ているのかさえも分からなくなる作品も。音声ガイドの説明をそのまま引用すると、

「空は水面にしか存在せず、蓮は次第に象徴でしかなくなる。」そんな感覚。

頭の中にはふと『水の反映』というドビュッシーのピアノ曲が流れてきました。同じ印象派として私の中でいつもセットになっている音楽家です。それにしても絵画と音楽がここまで共鳴するのは不思議。

美術館に行くと必ず寄っていくのがショップ。アート本とユニークなグッズで溢れた店内を見て回るのが大好きでついつい時間もお金も費やしてしまいます。印象に残った作品のポストカードを集めるのが趣味なので、ここでも何枚か買っていきました。そして迷った挙句部屋に貼るポスターも。ちゃんと一人暮らしを始めたら部屋の壁を好きなポスターで埋め尽くすのが今の密かな夢なんです。

そんなことをしていたらルーブルの指定時間が迫っていて、小走りで1時間掛かる道を戻らなければいけなくなりました。


オランジュリー美術館 《睡蓮》

ルーブルを途中で切り上げてでも来たかった美術館。モネの睡蓮の連作が見れると噂のギャラリー。足を一歩踏み入れるとそこはもうモネの庭です。

色移ろう水に漂う一面の睡蓮。時間さえあればずっと真ん中に座ってぼーっと絵を眺めていたいと思える空間。

さらに奥にも同じような部屋がもうひとつ。理想の庭に籠りひたすら睡蓮をキャンバスにとらえるモネの姿が思い浮かんでくる様でした。


地下のギャラリーにはピカソ、マティス、セザンヌなどこれまた有名な絵画が並んでいます。中でも見れて嬉しかったのがルソーの作品。少し前に原田マハの『楽園のカンヴァス』を読んでから見てみたいなーと思っていた画家です。

結果行きたかった美術館全部に足を運べて、見たかった作品を見れて、感受性が磨がれた素晴らしい2日間になりました。

パリで初めての一人飲み

ロンドンまでのバスにはまだ時間があったのでどこかで時間を潰す必要がありました。普段一人でお酒は飲まないし、一人でちゃんとバーに入ったこともありません。でも最終日だし、どこか良さげなところがあれば入ってみようかなと思い街を歩いてみました。するとレトロポップで可愛らしい店を発見。

勇気を出して入ってみると店員さんの感じも優しくて安心しました。まずおすすめしてもらった白ワインを一杯。そしてサーバーのラベルを見て気になったビールを頼んでみると、これがビールの苦手な私でも飲めるくらい甘くて美味しかったです。

真ん中のRebelle

運良くエッフェル塔のシャンパンフラッシュも目にすることが出来ました。

こんなおしゃれな経験で旅を締めくくれることを喜びつつ、ほろ酔いで夜のパリを後にしました。

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