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[ヨーロッパ旅行 11]🇮🇹フィレンツェでアート巡り

フィレンツェは歴史とアート巡りが好きな私が人生で一度は行ってみたかった場所です。せっかく北イタリアに来たのでチャンスを逃すまいと思い、2泊の短い滞在時間で色々詰め込みました。


ちょっと計画不足だった

心躍らせてフィレンツェにたどり着いたはいいものの、全く計画を立てていなかった私。行きたい場所はリストアップしていたのですが、まさかどの場所も予約が必要であることなど微塵も念頭に無かったのです。いや、よく考えたら年末にイタリア屈指の観光地が混んでいない訳がないんですよね。

前日ホテルについてからようやくそのことに気付き、翌日行くつもりだった大聖堂や美術館やらのチケットを取り始めました。やはりほとんどの時間帯の入場券が無くなっていて、取れる時間で予定を組むのが大変でした。あと数時間遅れていたらフィレンツェまで来て入れる建物がなかったかもしれません。行き当たりばったりも大概に。

ジョット・パス

フィレンツェの建築といえばあの赤いドーム屋根がシンボルのデュオーモ (サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)。この大聖堂はジョットの鐘楼とサン・ジョヴァンニ洗礼堂を合わせた3つの建物から成っていて、それらをセットで観光できるチケットが売られています。チケットは クーポラ(屋根)と鐘楼に登れる or 鐘楼のみ登れる or どちらも登らない の3種類。私は真ん中のジョット・パスを取りました (それしかなかった)。

チケットの時間指定により起床後間もない朝8時、鐘楼の414段の階段を登るべく広場に辿り着きました。流石にまだ人も少なく、この時間は大聖堂を撮るチャンス。

Cattedrale di Santa Maria del Fiore

ジョットの鐘楼は登るのが大変とはいえ、連日10キロ近く歩いていた私なら余裕だろうと高を括っていたのですが、全然大丈夫じゃなかったです。一段一段が急で、息切れしながら休み休み登りました。ぜひ体力があるうちに観光することをお勧めします。

そして頂点にようやくたどり着いたのですが、全面鉄網で覆われていてちょっと惜しい感じでした。もちろんデュオーモを含めてフィレンツェ全貌を見渡せた達成感はありましたが。もしクーポラとどっちに登るか迷っていたらクーポラの方がいいかも。下りですれ違った息切れ切れの人に、「上は綺麗だった?」と聞かれたのですが口が裂けても微妙だったとは言えなかったので、「Yeah」と言って微笑んでおきました。

ジョットの鐘楼からの景色

次に大聖堂へ、1時間並んで入りました。ここではジョルジョ・ヴァザーリの『最後の審判』を見上げてきました。

ウフィツィ美術館

11時からウフィツィ美術館の予約をしていたので、急足で広場を後にします。ここはイタリア最大の美術館。無事着けたのですが、広すぎて入り口を見つけるまでに時間を要しました。入って最初に待ち構えていたのは手荷物検査です。しかも空港みたいにベルトコンベアに通すガチなやつ。ここまでセキュリティに厳しい美術館は初めてだったので、「やっぱり格が違うな」と思わされました。

Galleria degli Uffizi

しかし中に入ってみると意外と内装は質素でした。もっと厳かな展示室を想像していたのですが、タイルの床に白い壁でオープンな感じでした。広い回廊まで出てやっと西洋の美術館感が出てきます。

目当てだったボッティチェリの『ヴィーナスの誕生』と『春』は前半の方で見れました。ボッティチェリの作品はどれも繊細で、柔らかい表情や色使いを間近に見てすっかり魅かれてしまいました。

ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』
ボッティチェリ『春』

後半ではダヴィンチやラファエロなど教科書に載っているような絵画に出会えて、「これがルネサンスか…」と心の中で呟かずにはいられませんでした。

ダ・ヴィンチ、ヴェロッキオ『受胎告知』

あまりに多い作品を見て回るにはオーディオガイドが欠かせませんでした。見どころ作品の詳細を知るのに一番良い方法です。日本語もあるのが有難いところ。

人生一美味しかったお菓子

広い美術館を歩き回って疲れ果てた私は休息を求めてカフェを探し始めました。途中でフィレンツェ最古の橋、ヴェッキオ橋も通りました。

Ponte Vecchio

そしてたどり着いた先は、美味しそうなカンノーロ。先日ラヴェンナで初めて食べてから、また食べたいな〜と思っていたお菓子です。しかもここのは本格的っぽい。迷わずピスタチオを頼みました。

Gino's Bakery

外のベンチを見つけてようやく一口目。するとその瞬間が今でも忘れられないくらいすごく美味しかったんです。外のパリパリな生地と中のクリームの溶けるような食感、ほんのりとチーズの控えめな甘さが口に広がり…。これ以上書くとまた食べたくなるので止めときます。それまで「今までで一番美味しかったスイーツ何?」と聞かれてもせいぜい「ハーゲンダッツ」としか言えなかったのがここで塗り替えられました。

アカデミア美術館

数日前にヴェネツィアのアカデミア美術館で勘違いしていた話を書いたのですが、この美術館に来ることで私の勝手なリベンジが成功しました。ダビデ像を含めて大小様々な彫刻を見てきました。

ここでも頑丈なセキュリティーを通ります。ひとつ目の部屋に入ると中央の三人の体が捻り混ざった大きな彫刻が一番に目を引きました。周りを囲むのは宗教画。

そこを抜けるとさっそく奴隷のギャラリーと呼ばれるダビデ像に続く長い廊下に入れます。廊下の両脇にはミケランジェロの奴隷たちが苦しそうに立っています。ぱっと見掘り出され途中の未完作品のようだったのですが、よく見て見ると岩肌に囚えられた奴隷たちがもがいている作品であることに気付き鳥肌が立ちました。

そして念願のダビデ像。ここまで大きいと思っていませんでしたが、彫刻について何も知識がない私でも見た瞬間に美しいなと思いました。おそらく白さや体のバランス、ポーズなどが完璧なのだと思います。360度どこから見てもその美しさは崩れませんでした。「これがルネサンスか… (2回目)」

鋭い視線から敵に投石する寸前の気迫が伝わってきます。

その他彫刻で埋め尽くされているギャラリーがあり、最初は少し抵抗感があったのですが、一人ひとりの表情や姿勢の違いを見るのがだんだん面白くなってきました。彫刻に少し興味を持つきっかけになったかもしれません。

アートの街

街中を歩いていると至る所に小さいギャラリーがあるのが、アートの街だなと感じさせます。ショーウィンドウ越しに個性溢れる世界が見えるので歩いていて飽きません。

西洋芸術を思う存分辿ることが出来て満足の2日間でした。

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