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答えは100も200もある

私はこれまでに合計118回、脚本家志望の皆さんからのご質問にnoteでお答えしてきました。

また先日からは、脚本や小説など、ストーリーづくりに取り組んでいる皆さんを対象としたオンラインコンサルも行っています。


これらの経験から度々感じていること、ストーリーづくりに取り組んでいる皆さんに、私が今一番お伝えしたいことを書こうと思います。
それは、
「ストーリーをつくる上で、”正解”はたった一つじゃない。100個だって200個だって正解があり得る」
ということです。

「ドラマの脚本ではこういう場合、どう書くのが正しいんですか?」
「映画のこういうシーンは、Aの書き方をすると間違いで、Bが正しいということですよね?」
といった質問をされることが度々あります。
ですが、ストーリーづくりにおいて「絶対的な正解」が存在することなんて、ごく稀だと私は思うんです。

なぜかと言えば、書き手は、作品のコンセプトやトーン、該当のシーンに至るまでの展開や、書き手のスタイル等々……ありとあらゆる要素が複雑に絡まり合う中で判断を下さなければならないから。
Aが効果的になる場合もあれば、Bがふさわしい場合もある。
さらに言えば、「AとBのどちらが正しいんですか?」と言われても、二者択一になっていること自体が、書き手の思い込みにすぎなかったりするわけです。
AとB以外にも、打つ手は100も200もあるはず。
山のようにある選択肢の中から一体自分はどれを選ぶのか?
あるいは選んだものをどうやって正解にしていくのか?ということを考えるべきなんじゃないかと思います。

工場で大量生産の商品を作っているわけでもなければ、学校のテストで丸をもらおうとしているわけでもないのです。
「正解が一つだけあって、それ以外は×」
「プロの脚本家やスクールの先生なら正解を知っているはずだから、それを教わって覚えればいい」
と思い込んでしまっては、無限に広がる可能性を自分で狭めてしまうのではないでしょうか。
「もっともっと、自由に考えてみましょうよ!」と言いたくなりますし、実際オンラインコンサルでは度々この言葉を口にしています。


……と、威勢のいい感じでここまで書いてきましたが、いきなりちゃぶ台返しをしたいと思います。
「ストーリーづくりにおいては、正解は100個も200個もある!」と私が言い切れるのは、自分が「質問への回答者」か「コンサルをする側」の時だけです。
自分自身の原稿に向かっている時は、なかなかここまでポジティブにはなり切れません。
そうです。私は”ダブスタ脚本家”です。
原稿を前に、
「これだけ悩んでも答えが見つからないってことは……私、詰んだのでは⁉」
と深夜に一人、頭を抱えることも珍しくありません。

ですが……いや、だからこそ、やはり声を大にして言いたいのです。
「正解は一個じゃない! 100も200もあるんだ!」と。
発想を柔軟することさえできれば、手立てはいくらだって見つかるはずなんです。

私が「詰んだ……」と青くなる日は、また遠からずやって来るに決まっているので、その時はこの投稿を自分で読み返そうと思います。

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脚本、小説のオンラインコンサルを行っていますので、よろしければ。


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