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「もう一個乗っかんないかな?」と考える

自分の原稿を見直して、
「間違ってはないんだけどね……」
という気持ちになることがあります。

脚本家の仕事は基本的に「依頼ありき」で書くものなので、「こういう層をターゲットと考えてます」、「この要素はマストでお願いします」等の要望を聞いた上で書き始めます。
それらを一通りクリアしていれば、とりあえず「間違ってはいない」わけです。
制作が進んでいく過程で、あらたな要望や必須事項、変更が次から次へと発生するので、「仕上がる」なんて瞬間はそう簡単にはやって来ませんから、「間違ってはいないもの」をとりあえず提示しても、ほとんどの場合、大きな問題は起きません。
どの道、そこからまた打ち合わせをして揉んで行くわけですし。

……とは言うものの、「間違ってはないもの」に対して、
「何か、もう一個乗っからないかな?(=もう一工夫できないかな?)」
と考えることも重要だと思います。
作品ができあがった後に振り返ったとき、自分でも「あのアイデアは、なかなか良かったんじゃない?」と思えるものは、往々にして、この「もう一個乗っからないかな?」と粘ったときに出てきている気がするんですよね。

「出来てはいるんだけどな……」
「間違ってはないんだけどな……」
と感じている時点で、自分自身がどこかモヤッとしているわけですし、そういう感覚は大事にした方がいいと思います。

今も私は「間違ってはいない原稿」を前に、「うーむ……」と唸っています。
どうしたもんかなぁ……。
一回このまま提示するという考え方も、あるにはあるんだよなぁ……。
いやいや、やっぱりここでの粘りが大事だから!
……みたいな一人問答を先ほどから繰り返しており、そこで考えたことを、そのまま書き出してみました。
現場からは以上です。

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