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時々ふいに思い出す、恋にまつわるお話

以前、「進学校に通う男子高校生たちが、宝塚風ミュージカルに挑戦する!」という舞台作品の脚本を書いたことがあります。

中高一貫校で女子と接する機会のない男子たちが、訳あって女子高の演劇部と合同で公演をすることになり、ドキドキが止まらない!……という展開の作品でして、登場人物の一人を、
「恋愛マニュアル本を一日に三冊ずつ読み込んでいるので知識は完璧なのだが、恋の実践経験はゼロ」
という男の子にしました。

この役にリアリティーを持たせたくて、執筆当時、私は男性向けの恋愛マニュアル本を読み漁りました。
予想通り(?)、「なんだそりゃ?」と思うようなトンデモマニュアルがほとんどでしたが、数十冊読んだ中に一冊だけ、とても説得力のあることが書かれたものがあったのです。

その本の著者の友人で、とても魅力的な女性がいて、彼女は学生時代からモテにモテいたそうです。
社会人になって数年経った頃、彼女はいわゆる”ハイスペ男子”と交際を開始。
ハイスペ彼氏は高収入を鼻にかけるようなこともなく、友人の目から見ても人柄も申し分なし。
ところが、彼女はそのハイスペ男子と別れて、学生時代に付き合っていた別の男性との結婚を決めたと言います。

結婚相手も決して悪い人ではなかったけれど、家業を継いでいるため、結婚後はその仕事を手伝うことがマスト。お姑さんとの同居も必須。
そのため、友人である著者は正直なところ、
「そんな苦労しそうな家に嫁がなくても、ハイスペ彼氏と結婚すれば悠悠自適なのに……」
と思ったそうです。

で、その友人に「なんであの人を選んだの?」と訊ねてみたところ、
「彼だけが、『私は、他の誰とも違う特別な存在なんだ』と思わせてくれるの」
と答えたというのです。

皆さん。
恋とは、恋愛とは、このひと言に集約されるものなのではないでしょうか?
「なんだよ、それ。話が抽象的すぎるよ。もっと具体的に説明しろよ」
と思われる方もいるかもしれません。
でも私には、これ以上に腹落ちする答えが思い浮かばないです。

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