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悲しい夜を過ごすあなたへ

そうだからbaby悲しまないで
考えても分かんない夜もあるって
散々でも前に進む道のどこかに
望みはあるから

Baby Don’t Cry/安室奈美恵

嬉しい出来事は、嬉しいなぁ〜って噛み締めて、
それ以上でもそれ以下でもないのに、
悲しい出来事に直面したときほど、考えてしまう。
なんでこうなったのだろう?
あの時ああしていればよかったの?
どしたら抜け出せる?

そう言う時ってたいてい前向きな気持ちを忘れてしまっている。
だからぐるぐる考えているうちに、
負のループに陥って自分を責めて、追い込んでしまう。

そんな時に私は、冒頭のフレーズを口ずさむ。
この曲は落ち込んでいる自分の弱さを肯定してくれるし、何とかなるよと気持ちを軽くもしてくれる。
「考えても分かんない時もあるって」という部分は特に呪文のように何度も口ずさんでしまう。


そう、考えたって分かんない時もある。
私の心が言う。なんで自分がこんな気持ちにならなきゃいけないのか分からない!何も悪いことしてないのに!って。

そんな時は、一度考えることを放棄する時間があっても良い。
とはいえ気づけば頭にはその悲しい出来事が浮かんで、また自然と思考を始めてしまう。
だから私は強制的に考えることができない状態に自分を置く。

例えば、紙とペンを取り出して、好きな歌の歌詞を検索し、書き写す。
文字を書いている時は、書いているもの以外のことを考えられなくなる。
思考のシャットダウンには最適。
それに好きな歌の歌詞を改めて見つめると、2番ってこんなこと歌ってたんだ〜とか、公式だとここってひらがな表記なんだ、とか、新しい発見もあって面白い。気がつけば夢中になっている。
手も頭も使って程よく疲れるから、その後は眠ってしまえばなお良い。

例えば、読書をする。
読書は、文字を目で追い理解するというとても能動的なもの。他の考えが入り込む余地がない。
自分の好きな本なら没頭できるし、傷だらけの今の自分だからこそ吸収できるものの見方もあったりする。
これは持論だが、本を読むという行為は、順調な時よりも不調な時の方の方が自分の一部になると思う。野菜や肉が切り込みを入れることで味がよく染みるのと同じで、心にも傷があった方がよく吸収できるみたいなイメージ。
現に私は読書に何度も救われてきた。
薬のような存在だ。

例えば、料理をする。
綺麗な千切りを作るぞーって思えば、千切り以外のことは考えられない。史上最高の味付けを実現するんだと決めれば、目の前の鍋と並んだ調味料しか視界に入らない。
夢中になれば1、2時間はあっという間に過ぎる。
そうしてできた料理がちゃんと美味しいものになったら、もうそれだけで幸せ。まるで心にぽっと光が灯るような。たとえ束の間だったとしても、その瞬間確かに心が安らぐのだから、無いよりある方が絶対に良い。


自分の力で状況を変えなきゃと考えることももちろん大切だけれど、一度立ち止まって休もうという気持ちも同じくらい大切だと私は思う。
休んでいる間、物事を何も進展させられないとしても、まずは自分の心にエネルギーを取り戻すことを最優先にした方が、きっと上手くいくからだ。

負の感情に支配されてしまうくらいなら、
全く関係のないことで無心になって気を紛らわせ、心の回復を待つと言う方法もある。
悲しい夜を過ごす人がもしいるのなら、そのことを忘れないでください。

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