虐待通告後の顛末

虐待と向き合ってそれなりに対応している機関は多くあります。学校や保育施設、警察や地域の相談機関など多岐にわたり、全貌を把握することは難しいところです。新聞で発表のあった19万件は令和2年度に児童相談所が受理した件数です。

区市町村の相談受理件数は公表されており、その数は平成2年度で約12万件となっています。児相と合計すると30万件を越えます。ただし、区市町村から児相に通告した件数が重なりますので、正確な数値は分かりません。参考までに最近の通告件数を伸ばしているのは、警察からのもので、通告の約半分となっています。内容的には夫婦間のトラブルを子どもに見せてしまう面前暴力(心理的虐待)が多くを占めます。図表のその他は、主に入院や区市への指導委託など所管変更です。

今回は東京都児童相談所1万7千件の相談の後を追ってみました。親子分離まで進んだケースは440件(2.5%)です。残りの97%は、児相の指導のもとで様子を見るケースを含めて子どもは地域に戻って生活を続けることになります。子どもを守るには、やはり地域力が豊かになることが鍵と言えるのでしょう。

虐待通告の顛末

青葉紘宇
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