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こゝろ弾みます

拝啓

 お元気ですか
 お変わりございませんか

 寒さが日に日に
 ゆるんできたように思います

 ふゆの寒さの価値を
 ぬくもりのありがたさを忘れはしません
 凍える地中で静かに眠ることの意味も
 わかっています
 
 けれども
 わけもなく うれしくて
 わけもなく しあわせで
 こゝろもからだも
 ふわふわしてくるのです

 深く息をすると風の中に
 ちいさな なにか が
 うふふ うふふふ と
 笑っているように聞こえます

 なにか に なにか が 
 たくさんかくれていて
 鼻のおくの方が
 つん とします

 空はいつの間にか やわらかくなり
 空ごと 包んでくれるやさしい なにか
 ほら また
 こゝろと鼻をくすぐっています

 
 ねえ 
 それは もしかすると
   
 
 それは はる 
 はるなのですか

 はるなのですね

 
 はるの空の下
 あなたとわたし ふたりで
 お出かけしませんか
 
 一年ぶりのよろこびを
 たくさん抱えて
 あなたに会いにゆきます


        かしこ


*****

 こちらはつながりです

 

 手紙をしたためるわたし。
 投函されるポストがあって
 郵便局の配達員さんがいて、そして
 受け取るあなたさまへ。

 思いを込めた一通がはるの空にのって
 ぽん ぽん   ぽん 。゜。゜゜

 


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