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経済、商品、資本主義

私にとってとても学びの多い橋爪大三郎さん。
a scopeというポッドキャストで再び深井さんと登場されて、資本主義についてのお話を聞きました。第一回目の話を聞いただけですが、面白い面白い!

これは自分のためにも整理しようと、以下自分なりに整理してみた文章です。殴り書き的なものでもあるので、言葉使いもざっくばらんです。


資本主義を考えるためには、
経済
商品
資本
について理解しておかなければならない。

“経済”とは人間における物質的基礎。食糧や土木建築など、生活の始まりから必要なもので、人間には古代からあるもの。

その上で、作られたものを“交換”することが始まる。交換されていたものは、食糧や道具など様々なものがあっただろうが、そこで交換における共通で使える“もの”を生み出す。それが“貨幣”。
貨幣と交換出来るものを“商品”と呼び、そうした社会を“商品経済”と呼ぶ。

それが発展して、“市場経済”になるのだか、
その2つの違いは何か?と言われると、
商品経済には、買えないものがあり、
市場経済では、原則何でも買える。
という違いがある。

商品経済では買えなかったが、市場経済で買えるようになったもの、それは土地・労働力・資本の3つで、生産要素という。

この3つを買えるようになり、土地は工場(川の水や木々、石油なんかの工場では生産出来ないものも商品化した。)を生み出し、労働力は賃労働者(家族のためではなく、誰かのために働くようになった。労働力が商品化した。)を生み出した。
そして、最後の資本について、“資本が買える”とはどういうことか?

このことを考えるために、聖書に書かれている小麦の話を引用する。「一粒の小麦が死して100の実を結ぶべし」ということ。一粒の小麦は食べてしまえば消費・浪費でしかないが、倹約し投資をして、増やしましょうと考えてみる。増やすためには、一粒の小麦を食べてはダメだし、同時に土に植えたって必ず芽が出るというわけでもない。リスクを超えて、投資をすることで、“利潤”を生み出すもの。それが“資本”である。

過去には商人がものを安く買って高く売るという商業資本があり、お金に利息をつけて貸すなどの金融資本があった。そしてお金を使って先ほどの三要素である土地・労働力・資本を調達し経済活動を行う産業資本というものが近代に初めて生まれた。そして、それが今日“資本主義”と呼ばれているものなのだ。

資本とは“利潤”を生み出すもので、これをお金で買えるようになったという話だが、じゃあこの利潤を得て、一体何をするのか?どうして利潤を生み出すのだろうか?

このことを考えるのにマックスウェーバーの考えを持ち出す。
ウェーバーは利潤を生み出す動機を2つに分類する。

一つは「自分のためにやる」ということ。しかしこれをウェーバーは否定した。
大事なのは、もう一つの方で、「社会のためにやる」ということ。「自分を犠牲にし、社会のために、公共のために私財を投げ出すような、そんな人が出てきたから資本主義が始まった。隣人愛の実践だ。そしてその始まりは宗教で、ピューリタニズムだ!」と。

しかし、このウェーバーの考えからはみ出す“例外”が生まれた。日本はキリスト教ではないのに資本主義的な近代化を行った。そして、今日中国のような共産主義国で資本主義が進んでいる。

だからこそ、ウェーバーの考えを改めて考え直さないといけない。それが今なのだ。



というような内容でした。
めちゃくちゃ面白いし、わかりやすい!
何でこんなにわかりやすい言葉で話せるのだろう?と本当に驚いてしまいました。

この話を聞いて、私がウェーバーの考えを改めて考え直してみたら、なんとなく思い起こす言葉は“共生的な経済活動”だった。

ウェーバーが自分のためにやる経済活動を否定して、社会のためにやる経済活動を肯定していたけれど、その前提が“自分を犠牲にする”というところが気になったのです。
おそらく自分を犠牲にすらしなくていい。自分のためと他者のためということが同時に実現できていることが大事なんじゃないか?簡単に言うとwin-winの関係。

日本も戦後ボロボロになりながらもうまく立て直せたのは、自分達が頑張れば社会の発展にも繋がっていて、自己と他者の幸福が同一化していた。さらに日本の自動車産業のようなものも、海外に輸出することで、日本が豊かにもなったし、海外の人達も良い車が手に入って豊かになっていた。
今、日本の資本主義がうまくいかなくなってきているのは、他者のためになる製品が作れていなくて、同時に自分達の生活を豊かにも出来ていないから。
そして大きな問題なのは、今までの活動では疎外されているものがあった。それが、自然環境。自己と他者の幸福を追求していれば、今度は自然環境が破壊される。自然を“外部化”せずに、自己・他者・自然、それら全てがwin-winな関係。それを探していくことが必要なんじゃないか?なんてことを考えたのです。


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