OOISHI KOUSUKE

木を用いて食器や花、果物などを制作し、それぞれのブランドにて活動中。子育てや人生という…

OOISHI KOUSUKE

木を用いて食器や花、果物などを制作し、それぞれのブランドにて活動中。子育てや人生という大きなことから、美大出身として絵画やデザイン、現在のものづくりについて等、メモ的に書いていこうと思います。

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木製食器ブランドを作るまで

元美大生が宝塚舞台背景の仕事を辞めて、木工の道に進み、木製食器ブランドを作りたいと思うまで。自己紹介も兼ねたお話。 美大生の悩みと仕事の悩み 私は京都の銅駝美術高校で日本画を描き、京都の精華大学で油絵を描いて過ごしてました。過ごしていたというのは美術を学ぶというのがなんだかよく分からず、真面目ではあったんだけど優秀ではない、ただ絵を描いて過ごす学生だったんです。どうやって美術を学び、どうやって自分の製作に活かすか?今なら分かりますが、当時は全然分からず。 自分って何? 自分

    • 人が描く絵と機械が描く絵

      絵を描く最初は 「どうやって描いていこうか?」と悩みながら描いていくので、混沌とした線が多く複雑な状態で、クオリティも高いとは言えません。でも描き進めている内に線が一本にまとまってきたり、整理されてくると見やすくなるし、クオリティも上がってくる感じがします。 例えば私が描くひまわりの絵だと、 これが最初の描き出しの感じ 2枚目は描き進めていきながらクオリティも上がってきたのですが、線が多すぎたり乱雑な状態。 2枚目の状態が“描き過ぎ”の状態だとすると完成形は引き算をしな

      • 「やってみてから考えよう」ではない!

        昔、「やってみてから考えよう」という言葉があって、そこには、 「行動しないより、まずはやってみることが大事」という肯定的な意見、と 「目的を見据えずにやるのは、生産性が低い」という否定的な意見、がありました。 そこで私は、 やってみてから考えようの前に、1つ“考えて”を入れて、 「考えて、やってみてから、考えよう」 なら良いじゃん!と思ったことがあるのです。 ちょっと馬鹿馬鹿しく聞こえますがw そのことをブリコラージュとデザインということから考えてみたというお話。 私は

        • 母の日のカーネーションからの・・・

          カーネーションは、大学生の頃に花屋でアルバイトをしていた時の思い出深い花なのです。 その理由は、やっぱり母の日。 母の日になると花屋はカーネーションでいっぱいになって、沢山の人が買いに来ます。その中に「小学生の低学年かな?」というくらいの子がお金を握りしめて、「これ下さい!」とカーネーションを一輪買いに来たのです。 こちらは沢山のお客さんの対応をしているので、わちゃわちゃとしていますが、その子が何故この花を買いに来たのかは明らか。 そこで、 一輪のカーネーションの裾に水で濡

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        マガジン

        • 木工やものづくりについて
          12本
        • 美術や絵、デザインについてのこと
          7本
        • 子育ての中で思うこと
          5本
        • 人生の心構え 私の場合
          7本

        記事

          久石さん的音楽講座-記憶装置としてのメロディ-

          ジブリで有名な久石譲さんがNHKアカデミアで音楽の歴史などの話をされていたのがめちゃくちゃ面白かったのです! 内容はネット上で無料公開されているので、見ていただければと思いますが、私としては「メモを取らねば!」ということで、バリバリ簡単なメモですが、まとめたのでせっかくですしnoteに書いておこうと思いました。 簡単にいうと、 音楽の三要素 リズム ハーモニー メロディ についてと、 そこから ざっくりとした音楽の歴史についてのお話でした。 以下はそのメモです。 あくま

          久石さん的音楽講座-記憶装置としてのメロディ-

          簡単絵画史

          もともと美大で絵を描いてたこともあり、絵画の歴史の流れは最低限おさえていたつもりですが、歳をとってもう少し理解が深まったので、少しまとめてみようと思います。 で、絵画の歴史を見る時に注目するところを「絵画空間」にしてみると分かりやすいと思うのです。 絵画空間とはつまり、「絵の中に描かれている世界」のことなのですが、最初にその流れを簡単に書いておくと、 ◯絵画空間(絵の中に描かれた世界) →神(神話)の世界   →人(現実)の世界  →個人が見た世界  →絵画独自の世界 

          簡単絵画史

          感情の振り子と人生の振り子

          子育てをしている時に “辛い時の乗り越え方” みたいなことをどう伝えたらいいだろう?と思うことがあります。 そんな時、“振り子”を例えにしてみたらどうだろう?と考えたのですが、そんなことをつらつら書いてみることにしました。 まずここでいう振り子とは、“ある方向に振れた分だけ反対にも同じだけ振れる”というもので、その動き方に注目してみました。つまり、振れ幅が大きければ反対にも大きく振れるし、振れ幅が小さいと反対にも小さく振れるということをイメージしています。 ◯まずは感情を

          感情の振り子と人生の振り子

          アートとクラフト(内容と技術)

          あるアート作品に対してこんな評価があります。 「これはクラフトであってアートではない」 これはアート作品に対してある種“批判的”に言われるものですが、この言葉にはどこか「クラフトよりもアートの方が素晴らしい!」というニュアンスがあって、私には疑問でした。 なので、アートとクラフトについて少し考えておきたいと思い書いてみることにします。 アートとクラフトを考えてみる時、私にとっては大学時代に学んだ、バレエダンスのクラシックとコンテンポラリーという分野の違いがとても重要でした

          アートとクラフト(内容と技術)

          覚悟が価値観を生む?

          自分の考えを持つのが大事。 自分の意志を持とう。 自分の価値観を大切に。 そんなことを一度は聞いたことがあるように思うのですが、 「意志を持つってどう言うことなんだ?」 「価値観を大切にって言うけど、価値観はどうやったら身につけられるんだ?」 ということを改めて整理しておこうと思ったのです。 そうして考えていくと、 意識 意志 覚悟 価値観 というような流れが見えてきました。 意識と意志については過去の記事で書いたことがありますが「別の見方をするとこんな風にも見えるな

          覚悟が価値観を生む?

          “意識”を所有し“意志”を発揮する

          意識と意志について、自分なりの考えをまとめておこうと思います。そのために考えたのが“遺伝子”について。 生物は遺伝子の乗り物なんていう話があります。遺伝子は自らをコピーし受け継いで行こうとするプログラムが組み込まれていて、そのプログラムを実行するために生物という乗り物を作った。みたいなこと。 それは生物にとっては、子孫を残すことであったり、生きようとする力みたいなことかも知れないですが、同時にそれは遺伝子によって運命付けられた“遺伝子の命令”みたいなものだと思うのです。 そ

          “意識”を所有し“意志”を発揮する

          経済、商品、資本主義

          私にとってとても学びの多い橋爪大三郎さん。 a scopeというポッドキャストで再び深井さんと登場されて、資本主義についてのお話を聞きました。第一回目の話を聞いただけですが、面白い面白い! これは自分のためにも整理しようと、以下自分なりに整理してみた文章です。殴り書き的なものでもあるので、言葉使いもざっくばらんです。 資本主義を考えるためには、 経済 商品 資本 について理解しておかなければならない。 “経済”とは人間における物質的基礎。食糧や土木建築など、生活の始まり

          経済、商品、資本主義

          好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか?

          私の思春期の頃の考え方として、相手のことを好きになって付き合い始めると、今まで見えていなかったことも見えてきて、「嫌だなー」と思うところが見つかったりしても「いや、嫌いなところも好きにならなきゃ!だって彼女のことが好きなんだから!」みたいな脅迫観念みたいなものがあったことを記憶しています。 そんな時タイトルのような質問が浮かんでくるのです。 「好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか?」 ですが、早速質問の答えを言ってしまうと“好きにならなくていい”と思うので

          好きな人の嫌いなところは好きにならなきゃいけないのか?

          花と言葉と気持ちと記憶

          ドラマのsilentがとても好きだったのですが、ある場面でこんなセリフがありました。 「花は音がなくて言葉があって、 気持ちがのせられるんだよ。」 ドラマは、聴者とろう者の話で“音”というものがとても重要だったわけですが、花は音を介した言葉はないけれど、花言葉という意味としての言葉を持つから、意味を通して花に気持ちをのせて伝えられるんだよ、というように私は捉えたわけです。 そう考えた時、花にとって大切なことは、言葉や意味ではなくて、“気持ち”なのかもなーという当たり前の

          花と言葉と気持ちと記憶

          高額転売から考える私の価値観

          私にとってショッキングな“高額転売”を見つけてしまいました。もちろん過去にメルカリ等で私が作ったものが転売されているのを見かけたことはありますが、それとは違いました。 過去に見つけたことがあるメルカリでの転売。それらの転売の本当の理由を知ることは出来ませんが、そこに記載されていた内容は、 ・使ってみたけどやっぱり手放すと決めた ・片付けや引っ越しに伴い手放すと決めた 等が理由となっていたようです。 それは、私にとっては仕方のないことです。ありがたくも購入頂いたけれど、やっぱ

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          kikka-木花-シリーズについて

          kikka-木花-は、木で作られた花のブランドですが、始めた理由は2つありました。 その1                    子供の頃観た「レオン」という映画で、主演のジャンレノが、幼き日のナタリーポートマンを連れ、鉢植えを1つ抱えて住む場所を変えていました。映画の中での解釈や意味は別として、生活が変わる時にこれだけは持っていきたいと思えるものっていいなーと思ったんです。しかも使えて便利なものではなく、植物っていう飾るものなのが素敵だな〜と。その印象があって、生活を彩る

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          アートとデザインの違いって?

          “表現”という言葉は、アートの世界ではとてもよく使われますが、これがなんとも捉えどころがなくて、わかるようでわからない… なので、この“表現”という言葉を考えつつ、アートとデザインの違いについても欲張りに考えてみたいと思います。 例えば、 「この絵は私の気持ちを表現しています。」 とか、 「この曲は森の静けさを表現しました。」 とか、 表現という言葉はとても曖昧なものだなーと思いますし、 「これが私の表現なんだ!」 と言われてしまうと、 「はぁ、そうですか…」 と受け

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