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大学

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四書の一つである『大学』に関する記事をまとめています。
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記事一覧

人生を豊かにする中国古典の名言#59

【今日の名言】 最終目標が決まることで今後の方針も定まるのだ、という意味。 つまり、やりたいことや成し遂げたいことが決まると、そこに向けて何をどうすれば良いのかが明らかになってくる、ということですね。 『大学』の中には「何事も最高を目指しなさい」といった教えがあります。 今回の言葉は、それについての説明にあたる言葉です。 「最高」とは、業界で一番とか、会社で一番とか、そういった「ナンバーワン」のことではありません。 あくまで、自分にとっての「最高」、つまりは「オン

自分への誠実さを大事にしよう(『大学』傳六章)

今回取り上げるのは『大学』傳六章からの言葉。 立派な人は、一人でいる時にも必ず身を慎むものだ、という意味。 つまり、周りに他人がいないときでも自分の言行を慎み、誠実な行動を心がけなさいということですね。 誠実さについて、『大学』では以下のように定義しています。 誠実さというのは、自分の本心を欺かないことである、という意味。 こちらの言葉は、以前にも取り上げたことがありますね。 誠実さというのは、相手にだけ向けられるものではありません。 むしろ、すべての行動

年初の目標設定は「やりたいこと」の断捨離と優先順位決めが大事(『大学』経一章)

今回取り上げるのは『大学』経一章からの言葉。 物事には根本と末節、そして始まりと終わりがある。 人生においても同じで、先に取り掛かるべきものと最後に取り組むべきことをきちんと見極めれば、成功は近くなるものだ、という意味。 目標を成就するためのアドバイスです。 つまり、優先すべきものとそうでないものを区別し、正しい順番で取り組むことが成功の近道だ、ということですね。 記事投稿時点では2024年が始まって1週間ほど経過しましたが、皆様は今年の目標などを立てられましたでしょ

今日のあなたは昨日よりも成長できていますか?(『大学』傳二章)

今回取り上げるのは『大学』傳二章からの言葉。 自分の行動を昨日よりも新しく良いものにし、一日一日を重ねるごとに新しいものになるよう努力し、その上さらに毎日新しくなるように精進する、という意味。 つまり、今日は昨日よりも良くなるように、明日は今日よりもさらに良くなるように日々修養を重ねなければならない、という意味ですね。 夏王朝を滅ぼして殷王朝を建国した湯王(とうおう)は、この言葉をたらいに刻み、座右の銘としていました。 洗顔や湯浴みをするときに目につくようにしたのでし

心の健康がすべての基礎となる(『大学』伝七章)

今回取り上げるのは『大学』伝七章からの言葉。 心がしっかりしていないと、目を凝らしても見えず、耳を澄ませても聞こえず、食べても味が分からない、という意味。 メンタルの大切さを語った言葉です。 体の基本は心にあるので、まずは精神を健康に保たなければ何事もうまくできないということですね。 メンタルは本当に大事です。 私はエンジニアという仕事柄、一日中デスクの前に座って画面を見つめることがほとんどです。 加えて、自社サービスを運営している企業で働いているので、突発的な緊

不安なときこそ行動してみれば意外となんとかなるものだよ(『大学』傳九章)

今回取り上げるのは『大学』傳九章からの言葉。 心の底から誠実に求めるのであれば、たとえ完璧ではなかったとしても、少なくともある程度のところまでは達成することができるものだ、という意味。 つまり、何事も心の底から熱心に取り組めば意外となんとかなるものだ、ということですね。 こちらは『書経』の一節について解説した言葉になります。 その一節とは以下の言葉。 (国を治める際は)赤子を産み育てるかのようにしなさい、という意味。 つまり、民に向き合う際は母のような愛情を持って

相手に何かを求める前に、まずは自分から行動してみよう(『大学』傳九章)

今回取り上げるのは『大学』傳九章からの言葉。 まず自分から仁を実行して、それから相手にも仁を行うことを求める、という意味。 君子としてのあり方を語った言葉です。 つまり、相手に何かを求める際には、まず自分から何かしてあげなさい、ということですね。 一見するとギブアンドテイクを推奨しているように見えなくもないですが、本質はそうではありません。 相手からの見返りを期待して何かをしてあげるわけではなく、相手に何かを与え続けることで結果的に相手を動かすことになるのです。

立派な人は自分の気持ちを大事にする(『大学』傳六章)

今回取り上げるのは『大学』傳六章からの言葉。 誠意のある人というのは、自分の本心を欺かない人のことである、という意味。 修養を積んだ立派な人になるためには、自分の心に正直になることが大事ということですね。 大人になると良くも悪くも嘘がうまくなります。 相手の期待に応えるため。 周囲の空気に合わせるため。 誰かのために自分を偽ることが増え、気がつくと自分の本心がわからなくなってしまうのです。 自分の気持ちを大事にしていないのに、誰かの気持ちを大事にすることなんてで

やりたいことがあるなら、まずは具体的な目標を立ててみよう(『大学』経一章)

今回取り上げるのは『大学』経一章からの言葉。 最終目標が決まることで方針も定まってくる、という意味。 四書の一つである『大学』には何事も最高を目指しなさいという教えがあるのですが、それに対する説明の言葉です。 やりたいことや成し遂げたいことが決まると、そこに向けて何をどうすれば良いのかが明らかになってくる、ということですね。 目標設定の大切さを語っています。 現代でも「具体的な目標を定めなさい」とよく言われますよね。 GoogleではOKRという目標管理手法を取り

自分を犠牲にして稼いだお金はいらない(『大学』伝十章)

今回取り上げるのは『大学』伝十章からの言葉。 徳のある人は財産を使って自分自身を向上させようとし、徳の無い人は自分の身を犠牲にしてでも財産を得ようとする、という意味。 自己投資に対する姿勢の話ですね。 お金は使うものです。 お金を手にいれることそのものを目的にすると、自分の健康を蔑ろにしてしまいがちです。 お金のために残業しよう 賃金がいいから、体が辛くても仕事を続けよう 一時的にお金は増えるかもしれませんが、代わりに自分の健康状態が悪くなってしまいます。 怪