心の健康がすべての基礎となる(『大学』伝七章)
今回取り上げるのは『大学』伝七章からの言葉。
心がしっかりしていないと、目を凝らしても見えず、耳を澄ませても聞こえず、食べても味が分からない、という意味。
メンタルの大切さを語った言葉です。
体の基本は心にあるので、まずは精神を健康に保たなければ何事もうまくできないということですね。
メンタルは本当に大事です。
私はエンジニアという仕事柄、一日中デスクの前に座って画面を見つめることがほとんどです。
加えて、自社サービスを運営している企業で働いているので、突発的な緊急対応や深夜対応、休日対応もちょくちょく発生します。
ベンチャー企業でエンジニアも数が少ないので、トラブルを検知したら自分でなんとかしないといけません。
そのため、休暇を取るときには仕事用のPCを持ち歩く必要がありますし、寝ているときでもスマホの通知に気づけるようにしなければならず、割と常に緊張状態を強いられます。
加えて、メインの案件を抱えながら日々の問い合わせ対応と不具合対応をこなしていると、徐々に疲れとストレスが溜まり、生活リズムが崩れてきてしまうのです。
時期によってはエンジニアメンバーが次々と体調を崩していき、さながら地獄絵図のような状況になることもあります。
Web系企業なので大変なのは百も承知なのですが、それでもメンタルはキツくなってしまうもの。
私の経験では、メンタルの調子が悪くなると日常生活に色々と支障が出てきます。
楽しかったことが楽しめなくなる
夜なかなか寝られなくなる
朝起きても体がダルい
頭に靄がかかったようになり、考えがまとまらなくなる
心がザワザワし、不安に押しつぶされそうになる
などなど。
こうなっては、まさに『大学』に書いてある通りの状態です。
思考能力が落ちているので、いまいち物事をうまく認識できませんし、食事も楽しめなくなります。
体は資本と言いますが、メンタルもめちゃくちゃ大事な資本なのです。
余談ですが、最近エンジニア界隈ではメンタル不調になる人が増えています。
そのためか、エンジニアのメンタルヘルスに焦点を当てた勉強会も開催されるようになってきました。
こちらの勉強会はすでにシリーズで複数回開催されており、初回には約450名のエンジニアが集まりました。
数年前まではこういった勉強会は無かったように思うので、コロナ禍を経て、メンタルヘルスに注目が集まるようになったのでしょう。
私もメンタル不調を経験した一エンジニアとして、メンタルを健康に保つ方法を色々と勉強したことがあります。
その中でも特に大事だったのは睡眠です。
メンタルの調子が悪い方は、まずは睡眠を最優先で取ってください。
睡眠は最高の自己投資です。
睡眠をしっかりと取るだけで成長ホルモンが分泌され、ストレスが緩和し、記憶が定着します。
逆に睡眠を削るのは最悪です。
睡眠が不足して脳が疲労状態になると、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの分泌量が低下し、メンタルが不安定になります。
実際、ペンシルベニア大学の研究では、6時間睡眠を14日間続けると、2日間完全に徹夜したときと同程度の集中力低下をきたすことが明らかとなっています。
14日間で2日間完全に徹夜したのと同じということは、1ヶ月で4日徹夜しているのと同じことです。
さすがに完徹4日はきついですよね。。。
それに加え、睡眠不足は命も削ります。
詳しくは精神科医である樺沢紫苑さんの著書『学びを結果に変える アウトプット大全』の第四章を読んでいただきたいのですが、睡眠不足になると以下のように病気のリスクが高まってしまいます。
がんのリスクが6倍
脳卒中のリスクが4倍
心筋梗塞のリスクが3倍
死亡率が5.6倍
また、同著者の『今日がもっと楽しくなる行動最適化大全』によると、睡眠不足になると食欲も制御できなくなるとのこと。
睡眠が5時間以下の人は、睡眠が6~7時間以上の人に比べて、年間のBMIの上昇率が約4倍になるそうです。
つまり、睡眠不足になると太りやすくなる、ということですね。
まさに睡眠不足は百害あって一利なし。
季節の変わり目で体調も崩しやすいので、睡眠時間を最優先で取っていただき、心と体を健康にしていきたいですね。
今回は、「心がしっかりしていないと、目を凝らしても見えず、耳を澄ませても聞こえず、食べても味が分からない」という言葉をご紹介しました。
心の健康を守るためには、まずはしっかりと睡眠を取ることが大切です。
できれば7時間以上取るようにしましょう。
私も最近残業や緊急対応で生活リズムが崩れ始めているので、今週末の連休を使って立て直しを図ろうと思います。
皆様もぜひ睡眠を大切になさってくださいませ。
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