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教養を深める中国古典のお便り【6通目】

皆様、こんにちは!

メンバーシップ向け特典記事の「古典のお便り」6通目になります。

こちらのシリーズでは、普段の記事では取り扱っていない古典・史書から、さまざまな名言をお届けします。

今回取り上げる古典は、曹操の「選挙令(せんきょのれい)」です。

曹操、字は孟徳。

三国志でお馴染みの人物ですね。

文武両道の英雄であり、『孫子』に自ら注釈をつけるなど、文人としても活躍しました。

その曹操が出した「選挙令(せんきょのれい)」ですが、こちらは書物ではなく、人材登用について指示した勅令になります。

要は、曹操から部下に宛てた指示書ですね。

その中には、現代でも活用できるマネジメントのコツが含まれています。

曹操は人の才能を愛したことで有名ですので、人材のマネジメントに関しては一家言あること間違いなしです。

というわけで、6回目となる今回は、曹操の「選挙令(せんきょのれい)」から名言をご紹介します。

記事の最後には、漢文に関する学びも記載していますので、最後まで読んでいただけますと嬉しいです。


曹操の言葉に学ぶ

今回取り上げるのは曹操の「選挙令」からの言葉。

晨を失うの鶏は、補わんと思いて更に鳴く
(読み:シンをウシナうのニワトリは、オギナわんとオモいてサラにナく)

曹操「選挙令」

夜明けを告げる鳴き声をあげ損ねた鶏は、その失敗を補おうとしてより一層大きく鳴くものだ、という意味。

鶏ですら、失敗した分を取り返そうとして一生懸命に頑張るのです。

それは人も同じ。

つまり、ミスをした人はそれを補うためにより一層頑張るのだから、ちょっとした失敗は咎めたりせず、むしろ名誉挽回の機会を与えるのが良い、ということですね。

人の才能を愛し、大局的な視点を持ち続けた曹操らしい言葉だと思います。


曹操の唯才主義

曹操は人の才能を非常に愛していました。

人材コレクターといっても過言ではありません。

彼のコレクターらしさを感じる逸話が複数残されています。

例えば、曹操が目をかけていた人物が逃げ出したときのことです。

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