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【なかなか入選できないのはなぜ?】あなたが見落としている入選のコツ(2018年1月号特集)


Q8:一度も入選したことがありません。原因はなんでしょうか。

 主催者が求めている作品ではなかったからです。
 どんな作品が求められているか、応募要項をよく読んで推理し、入選作品を見て傾向を探りましょう。それでもうまくいかないなら、計算して真逆をいく。裏目に出ると真っ先にボツになりますが、どうせボツになるなら審査員も気づかなかったような盲点を突きにいくのも手です。

Q9:審査はどのように行われますか

 大きく分けると予選と本選があり、審査のすべてを内部スタッフが行う場合と、本選は本審査員に依頼する場合とがあります。いずれにしても予選は落としていく審査で、劣るもの、平凡なものを落としていきます。

 一方、本選は一番を選ぶ審査です。発想が平凡では予選も通りませんが、発想がいいだけでは最終候補止まりで、受賞するには突き抜けた何かが必要となります。

Q10:月にどのくらい出せば入選しますか。

数ではない!

 よく入選している読者にアンケートしてみました。
「投稿派なので。投稿は新聞、雑誌合わせて です」(山口県)。
 ネーミングや川柳、新聞投稿など、比較的取り組みやすいジャンルでは、月20~30点という人が多かったです。月50点は多いほうでした。

 「原則として1つの公募には1点出し、月に4、5点応募します。1か月に7点以内なら言ける範囲だと思います」(東京都)
 この方の得意分野はエッセイ。短めのエッセイを週1ペースで仕上げていくと月4、5点になりますね。

 「俳句、川柳、短歌、エッセイ、料理、小説など、多いときは月に60点。少なくとも30点は出していました。今は300枚~650枚程度の長編を書いてお
り、必然的にその総数は減り、5~10点程度です」(兵庫県)
長編になると半年に1回とか年1回がせいぜいでしょう。

 と、回数の目安を示しましたが、問題は何点応募したかより、その精度でしょう。月に何点ぐらい応募したらいいかというより、「私は月に何点、入選レベルの作品を書くことができるか」というふうに考えましょう。

Q11:スランプなんですが、脱出方法はありますか

やめないことが脱出方法!

 「毎日書いていないと感覚が鈍ってしまうので、日記でも、簡単な川柳でも、とにかく書き続けてスランプが去るのを待ちます」(岐阜県)
 能力は、逆向きのエスカレーターに乗っているようなもので、休むと落ちてしまうんですよね。

 「私でも簡単に載せてもらえそうな雑誌に投稿する。それで500円の図書カードでももらえれば気持ちが上がる」(兵庫県)
 違う公募や投稿に乗り換えて、気分を変えるわけですね。ジャンルを変えてみるという手もあります。

 「審査員の好みに合わなかっただけと言い聞かせ、自分のせいにしない。公募はあくまでも楽しくやりたいため。いつか入選すると信じてやり続ける」(神奈川県)
継続こそ脱出法! 立ち止まるな、書こう!

Q12:作品をレベルアップさせる方法は?

常に新しいものを書く

 「入選作品を拝見して反省する。それが次回以降につながるような気がします」(大阪府)
 入選作と比べてみると、方向性が違っていたかなと気づかされることがあります。受賞作研究は必須です。

 「エッセイ公募で一番大事なのは人生経験だと思います。うれしい体験、悲しい体験、恥ずかしい体験を人一倍積むことがレベルアップの一番の方法です」(東京都)
 実体験と、それについてどう思ったかという視点が大事ですね。

 「なるべく時代に沿ったものを書くために情報を集める。落ちた作品を他の公募に使いまわさないで、似たようなお題でも常に新しいものを書く」(神奈川県)
 使いまわしたくなるのが人情ですが、いや、さすがです。

Q13:公募にはプロも応募してきますか

 「資格不問」であれば、あらゆる人が応募してくる可能性があります。もちろん、プロもいます。デザイン公募ではデザイナーやイラストレーター、俳句や短歌では俳人や歌人、フォトコンにカメラマンといった具合。

 そんなプロやセミプロと競うわけですから大変ですが、素人には素人の強みがあり、プロならまずやらないことも、知らないからできてしまうということがあります。ある意味、公募はそんなまぐれ当たりを期待して実施するところもあるのです。

Q14:「継続は力なり」と言いますが、継続させるには?

目標を持つこと!

 「ご褒美=入選が一番の推進力ですから、たとえば、多数入選者が出るような公募にも応募することです」(兵庫県)

 落選続きではモチベーションも落ちます。でも、記念品1つでも入選通知が来ると励みになりますね。

 「目標を持つこと。私の場合、年間100件採用です。何年かぶりで今年達成しました。次なる目標は年間120件」(東京都)
 最初は負担でも、ゴールが見えてくると俄然やる気になりますね。

 「変な話ですが、将来への金銭的不安が継続のコツになっています。年金がもらえるか怪しい、親が病気になったらどうしよう。そんな不安が『よし、文章で稼いでやる』という原動力になっています」(東京都)

 目標にしても金銭的不安にしても、何か駆り立てられるような気持ちが必要なのかもしれません。もちろん、公募が好きというのは大前提ですが。

Q15:前向きになれる、落選のショックをやわらげる方法は?

結果待ちを複数持つ!

「自分よりも能力のある人はたくさんいるのだから、落ちて当然、受かればラッキーでしかないと達観することが重要だと思います……

入選するためのコツはまだまだあります!
特集「賞金を手に入れろ!入選のコツ50選」
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※本記事は「公募ガイド2018年1月号」の記事を再掲載したものです。