飲食店に必要な新しい価値とは何か?美味しさと利便性のバランス。

2年前、レストランから離れるか悩んでいたときに最後まで検討していたのはレストランの営業形態や時間の概念を新しくすることでした。最終的にはやらない意思決定をしたのですが、今改めて考えてみたりしています。

当時僕が考えていたのは週3営業で成り立つレストランです。通常週6営業でギリギリ成り立つかどうかのレストランをその半分の営業日数で成り立たせるにはどうすればいいかを真剣に考えていました。

以前noteでも書いたことがありますが、レストランは客数、客単価、営業日数で売り上げの絶対値が決まります。なので営業日数が減ると言うことは売り上げの絶対値が減ると言うことです。これは死活問題なのですが、この問題をどう解決するかを考えていました。



時間と場所の価値を上げる。


最初に意識したのがこの2つ。飲食店はいわゆる労働集約型の産業なので、営業時間内の接客数が大切になります。なので本当の意味でお金を生み出しているのは営業中だけなのです。仕込みの時間はお金を生み出す準備の時間なのでお金は産んでいないと言えます。

ランチとディナーをやっているとトータルの労働時間はかなり伸びます。8時間労働で回そうと思うとシフト制にしなければならず、人材の確保が大変になります。なので最初に考えるべきはランチをやらずにランチの時間帯にどうやって収益を生み出すか?でした。

ディナーの単価の半分ほどがランチの単価の相場だと思っているので、ディナー12000円のコースなら6000円がランチのコースになります。席数が12席なら72000円がランチコースのみの売り上げです。ドリンクなど含めると110000円くらいでしょうか?

ランチをやらない意思決定をするならばこの金額を別で生み出さなければいけません。これをどうやって稼ぐか。ここが焦点です。ここを考えるに必要なのはランチの売り上げを作るのにどんな費用がかかっているかです。朝から仕込みをして営業が終わるまでつきっきりで接客する場合、人件費がかなりかかります。

飲食店の場合人件費をいかに減らすかが一番重要で、それは人を減らすとかではなく、稼働を最小にしつつも売り上げをどう増やすか?を考えることです。

ランチの営業中はお客様の食べるペースを考えながら料理を最高の状態に仕上げて接客もする、と言うなかなかハードな状態です。これがお客様の存在を意識しなくとも同じだけ売り上げが立つ状態、にできれば負担はかなり減ります。その状態をどう作るか?を考えることが大切だと思っています。

なぜこの考えになるかと言うと、スタッフの労働時間の正常化と時間の価値を上げるためです。(技術を学ぶために一定の労働時間が必要という考え方は理解しつつも無視しています。持続的ではないからです)


場所の価値は人によってかなり違う。

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