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地方で出版社をつくる【其の五】版元ドットコムのこと

久しぶりの更新になってしまった。さて今回は版元ドットコムのお話。
小さな出版社を始める人は、そもそも出版社など本に関わる仕事の経験があるケースが多いと思う。書店営業や流通の仕組みなど独特のルールはその世界にいないとなかなか理解が難しい。私自身、本や冊子自体の制作経験は少しばかりあったものの、出版社の営業経験もなければ、書店で働いた経験もないゆえ、そもそも基本的な仕組がわかっていなかった。「なかった」というか、未だにわからないことが多い(そういう意味からも『本屋読本』はとても勉強になった)。

今年7月、版元ドットコムに参加させてもらった。参加理由はわからないことだらけだったからではなく、もっぱら書店への営業面、特に全国の書店にFAXできるサービス(この業界では未だにFAXが活躍しており、版元から新刊の注文書が書店にFAXで届くのが基本)を利用したくて入会したのだが、会費のことで躊躇せずにもっと早く入っておけば良かったと思うくらい学ぶことが多く、すでになくてはならない存在になりつつある。

版元ドットコムでは、定期的に活用講座(入門編と営業編)が開催されているのだが、版元ドットコム自体の使い方はもちろん、入門編では「本を売る(買われる)には」「FAXの原稿をどう書くか」や、「書店員にどう営業するか」などまで、出版社の営業や書店員の経験を持つ担当者の方がじつにいろいろと教えてくださる。正直、一冊目を刊行したときに知りたかったことばかりだった。今度はFAX原稿講座も始まり、受講を楽しみにしている。

地方在住かつ出版・書店未経験で商業出版を目指す方には、ぜひ刊行前の参加をおすすめしたい。

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