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出された食器で気づいた経営方針の違い

昨日、打ち合わせのために天王寺へ出かけた。

食事をとるため、ショッピングモールのレストラン街へ。高級感のある内装と品質の高いコーヒーや紅茶を出すことで知られるカフェに入り、サンドイッチのランチセットをいただく。

ピカピカに磨かれた銀色のフォークと、色柄の鮮やかなティーカップ、紅茶の蒸らし時間を計る砂時計が並べられるのは、楽しい時間である。


食事を終え、打ち合わせも終えた後に、今度はファッションフロアの片隅にあるカフェへ。パステルカラーに彩られた店内を、中世ヨーロッパの調理人風の衣装をつけた店員さんが案内してくれる。

残念なことに、このお店の食器は食洗器で洗浄された際のキズがめだつようになっている。かつては色鮮やかであっただろう食器の色柄も、あせてしまっている。

それでも、テーブルは埋まっており、店内はケーキと飲み物を楽しむ人のざわめきであふれている。


先に書いた高級なカフェは、もてなしの品質を高めることを目指しているのだろう。公式サイトを見ると、「常連客に向けた、いつものおもてなし」が強調されている。リピーターの確保を重要だと考えているのだ。

たいていの商業ビルで、レストランフロアというのは高い階にあって「お店が目についたから入ろう」という人よりは、「お腹が空いた」「美味しいコーヒーが飲みたい」と目的意識がはっきりした人が集うものである。

そのレストランフロアに店を構えるのだから、食事、飲み物、もてなしの品質が高くなければ、リピーターはつかめない。


いっぽうで、ファッションフロアの一角にあるカフェは、買い物客の目に触れるチャンスが多く「目についたから入ろう」という人もいるだろう。ケーキやタルトを通りすがりの人にも見えやすいショーケースに並べているのも、人の目を惹くためだろう。リピーターの獲得よりも、新規顧客にふらっと入ってもらうことを目指しているのだ。

内装も軽く楽しいイメージにし、食器のキズなどは気にせず、コストカットなども考えているのだろう。

どちらの店の経営方針がいい、悪いということではなく「違いがある」ということ。客としては自分に合う方を選べばよいことだ。


マーケティング、ブランディングなどの言葉を聞くと難しそうだけれど、勉強する材料は町中にあふれている。

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