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薬屋は謎解きが得意/日向夏「薬屋のひとりごと」シリーズ

毒と薬が大好きな薬屋の少女は、どんな難事件も解決してしまう。

「薬屋のひとりごと」は、日向夏さんのシリーズ小説です。コミカライズもされており非常に人気なシリーズとなっています。

舞台は、大陸中央に位置する架空の国。花街で薬屋を営む猫猫は、毒と薬が大好き。しかし、彼女はひょんなことから後宮で働くことになりました。
適当に仕事をやり過ごしながらも、猫猫は、後宮で起こる数々の事件を、毒と薬、そして薬屋の養父から教わった知識を使って解いていきます。そのうち、傾国の美人の宦官・壬氏に妙に気に入られたり、面倒ごとに巻き込まれたり……登場人物たちの個性輝く、後宮ミステリーです。

この本はこんな人におすすめ

①中華風の小説が好き
②個性的な登場人物たちに魅了されたい
③シリーズ小説が好き

それでは、本作の魅力を紹介していきたいと思います、ぴょん!

*毒・薬マニアの猫猫

猫猫は、大の毒好き、薬好き。珍しい薬と聞けば飛びつき、毒と聞けば試してみたくてたまらない、それでいて、自分の興味のないことには全く関心を示さない、まさしく「猫」のような主人公です。
しかし、養父から教わった医療や薬にまつわる知識は豊富で、並外れた洞察力をもっています。
花街で生まれ育っているのでどこか大人びた部分もあり、ちょっと無邪気な部分もあり、非常に魅力的なヒロインです。読み進めていくうちに、誰もが猫猫のファンになってしまうこと間違いなしです。

*中華風ミステリー小説

物語の舞台となる国は架空の国となっていますが、後宮の雰囲気や人名は中華風です。日本と中国のイイトコどりのような世界観なので、気軽に楽しむことができます。

なんといっても見所なのは、やはりミステリーの要素です。猫猫の前には数々の「謎」が立ちはだかりますが、その度に華麗な推理で事件を解決する瞬間は爽快です。
また、タイトルにある通り、猫猫はあくまで「ひとりごと」を言うだけです。犯人を厳しく糾弾したりということはなく、事件を解決したからといって鼻高々になることもありません。あくまで「自分の好奇心を満たした」という飾らない感じが、私はとても好きです。

*魅力的な登場人物たち

ここまで、主に猫猫の魅力を語ってきましたが、他の登場人物たちもとても魅力的です。
あまり語りすぎるとネタバレになってしまうので深くは触れませんが、私は傾国の美人の宦官・壬氏が特に好きです。巻を追うにつれて本性が分かっていくミステリアスな雰囲気と、「ひとたび微笑めば国がひとつ傾く」ほどの美貌を、自身が都合よく利用している、というキャラクターが好きでした。
みなさんも、ぜひ自分の「推し」を見つけてみてください。

ハラハラドキドキの展開に目が離せない「薬屋のひとりごと」シリーズ。ぜひ読んでみてください、ぴょん!


(2021年10月9日にはてなブログで公開した記事を、一部加筆修正しました。)

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