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北海道の文学館を紹介する


0.はじめに

明治以降、発展していった日本近代文学。その作者の多くは故郷を離れ、東京などの本州大都市へ向かいました。そのため、東京が舞台の作品が結構多いです。たとえば森鴎外の『雁』は上野が舞台となっています。
もちろん、地方に根差した作家はいますし、地方にも文学館はあります。青森県五所川原市の「斜陽館」、山形県上山市の「斎藤茂吉記念館」などです。
ただ、それでもやはり大都市一極集中の感は否めません。「中央視点」の文学だけではなく、「地方」に根差した文学に触れることもまた、多様な教養を深めるために必要かと思います。
それを踏まえ、今回は北海道の文学館を紹介していきます。


1.北海道立文学館

札幌市中央区中島公園にある「北海道立文学館」。地下鉄南北線「中島公園駅」か「幌平橋駅」から歩いて6分くらいで行けます。
歩きのみで行く場合、南10西3あたりの「パークホテル」を目印にすると良いでしょう(目立つので何かと目印に弁利)。

常設展は北海道にゆかりのある作家の展示です。『セメント樽の中の手紙』で有名な葉山嘉樹の展示もあります。アイヌ文学や児童文学も扱っています。私が行ったときは三浦綾子の特別展示をやっていました。


2.渡辺淳一文学館

渡辺淳一文学館

北海道出身の作家「渡辺淳一」の記念館です。中島公園のすぐ近く、コンサートホール「Kitara」の隣にあります。朗読会やコンサートもやっています。
渡辺淳一は医療に携わりつつ小説を発表。恋愛作品が多めです。私は数作しか読んでいませんが、奔放な女性がよく出てきます。当時はそういう人が多かったのでしょうか。私はそんな奔放な女性には幸か不幸か会ったことがないため、リアリティはあまり感じませんでした。でも何か惹かれるものはありますね。代表作『阿寒に果つ』の紹介がYoutubeでなされています。

通信・交通技術が今より発達していなかった時代の恋愛。今の人が読むと理解できない点もありそうです。まあ、そこが古い作品を読む面白さでもありますけどね!


3.旭川文学資料館

旭川文学資料館

旭川市の常磐公園内にある文学館です。有名な作家の他にも市民の詩や俳句が展示されています。有名作家としては、小熊秀雄や今野大力、板東三百などがいます。資料数も多く、重複している資料は依頼すれば貰えることもあるそうです。私も以前訪れたさい、岩波文庫のレア本を譲っていただきました。


4.港の文学館

港の文学館

室蘭市にある文学館。入館料は無料。
芥川賞作家の八木義徳、三浦清宏、長嶋有の資料を中心に、文芸雑誌の歴史など市井の文芸活動も紹介。
2Fはカフェスペースになっており、コーヒーを飲むことができます。私が行ったときは無料で持ち帰りできる小説も置いてありました。


5.釧路文学館

釧路文学館

釧路市の中央図書館6Fにある文学館。ゆかりのある作家として「石川啄木」を紹介。釧路というと魚介類や湿原、タンチョウ、ノロッコ号などが有名かと思いますが、文学の街でもあるんですね。たしかに、北海道では人口が多い都市のひとつですが、自然豊かで詩や小説の題材には事欠かないと思います。
こちらは未訪問なので、行くことがあればレビューする予定です。


6.有島記念館

ニセコ町にある有島武郎の文学館です。アクセスが大変で、駅から徒歩30分なんですが、坂がきついのでハードです。私は歩いて行きましたが、歩道が整備されていない所もあるので、タクシーやバスで行くと良いでしょう。
観光地なので、新幹線が開通してニセコ駅が廃駅になっても交通アクセスは整備されると思いますが、どうなるかわかりません。今のうちに行っておいた方が賢明かもしれませんね。


7.函館市文学館

函館市文学館

函館の文学館。石川啄木の展示はここにもあるようです。元々銀行として使われていた建物でしたが、色々あって函館市に寄贈されました。
函館は幕末に開港した港町です。今でこそ政治・経済の中心は札幌に移転しましたが、当時は北海道の中でも先進的な地域だったのでしょう。外国の文化が入ってきて、文学熱も刺激されたのだと思われます。
筆者はまだ行ったことがないので、ぜひ行ってみたいですね。


8.市立小樽文学館

市立小樽文学館

手宮線の廃線跡近くにある、小樽の文学館。伊藤整や小林多喜二をはじめ多数の著書や資料を揃えています。いつでも行けるからと慢心し、まだ行っていない文学館のひとつです。今年は日本海側の天気が猛威を振るっているので、落ち着いてから行きたいですね。訪れたらレビューして再び紹介したい文学館。


9.遠軽町 生田原 オホーツク文学館

生田原 オホーツク文学館

JR石北本線生田原駅に隣接した文学館。
生田原はかつてゴールドラッシュに沸いたこともあるようです。その当時の展示も置いてあります。


10.おわりに

ということで、北海道の文学館紹介でした。全国的に有名なのは、教科書にも載っている有島武郎でしょう。興味のある方はぜひ行ってみてください。
他にも「井上靖」や「三浦綾子」の文学館などがあります。そちらは今後訪れたさいに紹介する予定です。
文学碑も観光ガイドに載っていることがあります。公園に多いので、気になる方は街歩きのさい、探してみてください。
それでは!

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