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子供は親の所有物ではない

私の母親は、私にいつも言っていた。
「私の言うとおりに生きていれば、あなたは幸せなのよ」と。
私は、高校まで母親の思うように生きてきたつもりだ。
しかし、私は裕福な自営業の娘に生まれたので大学だけは東京に行くことを主張した。
私は、母親のもとから離れたかったのだと思う。
自由に生きてみたかったのだと思う。
母親は近くの国立大学に行かせたかったようだが、父親が東京生まれの東京育ちだったので東京の私立の大学に行くことを許してくれた。
私は、早く母親のそばを離れたかった。
私の母親は、自分の思い通りにならなければ私を叩いたし、自分の思い通りになるまで説教するような人だった。
子供は親の所有物だと思っていた人だ。
私はというと、田舎の町で一番の進学高校に通っていたので、正しい分別はつく。
高校生になると、自分の意見をある程度もつようにもなった。
大学進学と同時に私は自由に生きることができた。
自由に生きるといっても、私は馬鹿な行為はしなかったし人に迷惑をかける行為もしない。
ただ、フリーダムになれたことがうれしかった。
しかし、母親は東京に私が進学して、たくさんの人たちと会い成長していくことが気に入らないようだった。
東京にいる知人のおばさんに
「美子は、東京に行って悪くなった。東京が美子を変えた」と
東京に対する恨みつらみを愚痴るようになった。
日本の親というのは、子供を自分の思い通りに支配したがる傾向があると私は感じている。
私は、母親が私を支配しようとしてずっと苦しんできた。
だから、私は自分は絶対に子供を産まないと誓った。
私のような思いをするのは私だけで充分。
そう感じてきた。今もその気持ちは変わらない。
親は子供を一人の人間として育ててほしい。

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