池波正太郎の人気時代小説『剣客商売』シリーズ第九弾。おじいちゃん剣客の秋山小兵衛のこの世の清濁すべて弁えた渋さと息子の大治郎のまっすぐな感じのコントラスト。そこにきて巻を重ねるごとに大治郎が少しずつ小兵衛に似てくるのが面白い。小兵衛の妻は大治郎より年下のおはるで、この子がまた可愛いんですよね。大治郎には、元々男勝りの剣士やった三冬っていう妻があって、これがまたお似合いなんだな。僕が生まれる前に始まった人気シリーズ、テレビドラマのが有名なくらいみたいですが、ドラマは見たことありません。若い頃は大治郎みたいにまっすぐに真っ当に生きていないと年老いてから小兵衛みたいな渋みは出ないんだろうね。


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